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回答先: 裁判の妨害をねらった犯行ではない 投稿者 阿部三郎 日時 1999 年 8 月 25 日 23:36:53:
日刊ゲンダイ8月27日
サリン被害者の妹拉致事件
オウム地下組織の犯行か?
教団にも反旗を翻す別動隊の可能性
松本サリン事件の被害者の妹(19)が拉致された事件は、久々に公安関係者の間
に緊張を走らせた.拉致されたのは、サリン事件で死亡した阿部裕太さん=当時
19=の妹の女子大生で、オウムを相手取って5億4000万円の民事訴訟を起こ
している4遺族のうちの一人。父親の阿部和義さん(57)が朝日新聞の社員であ
ることもあって、会見で発言するなど、原告の中でも中心的な役割を果たしてい
た。犯行はやはりオウムの仕業なのか。
拉致された女子大生は今年6月、通学する大学のエレベーターで「オウムの者
だ」と名乗る男から「裁判をやめる」と脅されたことがあったという。今回、連
れ去られる最中も、「裁判をやめないとひどい目に遭うぞ」と脅迫されたという
から、常識的に考えれば、「オウムの犯行」以外には考えにくい。
オウム側は昨夜、会見を開いて「拉致事件には一切関与していない」と否定した
が、関係者はどう見ているか。オウムに詳しいジャーナリストの江川紹子氏はオ
ウム犯行説に否定的だ。
「〃オウムが組織的にやったのでは〃と言われてもピンときませんね。第一、今
のオウムに、そんなことをやるメリットはまったく考えられません」
また、松本サリン事件被害者非議団の紀藤正樹弁護士は、こう見ている。「事件
に結びつく〃キーワード〃がオウム真理教なのは間違いありません。しかし、問
題の裁判は、松本智津夫(麻原形見)の刑事裁判が進行中であることを理由に中
断されている。再開のメドも立っていません。それなのに、なぜこの時期にこん
な事件を起こしたのかという動機がサッパリ見えてきません」
これに対して当局の見方は断定的だ。「愛知県警、千葉県警とも〃オウムの犯
行〃を前提に捜査を進めています.愛知県警はきのう、ナンバーが判明している
オウム車両を千葉−愛知間のNシステム(ナンバー自動読み取り機)でチェック
している。6月の1回目の脅迫から、女手大生には数人の警備がついていたが、
夏休みに入った7月9日以降はそれか解かれていた。拉致された24日はたまたま
追試の登校日で、自宅を出た直後に襲われたところをみると、ずっと監視してい
たとしか思えない。組織犯行のにおいがプンプンです」(捜査事情通)
もっとも、Nシステムにはオウム車両はヒットしなかったというし、オウムが主
張するように動機も利益も見当たらない。そこから、こんな見方も浮上してい
る。
「かつてのオウム武闘派の中には、現在の任意団体オウム真理教を正統と認め
ず、地下に潜って非公然活動を続けている勢力がいるとみられているのです。彼
らは一連の凶悪事件の正当性をいまだに信じていて、逃走しているオウム信者の
支援もしているという。こうした連中なら、何をしでかすか分かったものじゃあ
りません」(公安関係者)
ナゾだらけの女子大生拉致事件は、今後、どんな展開を見せるのか。