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回答先: これは変革の過程における2極分化が始まっている 投稿者 明星 日時 1999 年 8 月 04 日 10:58:02:
また、ハウス食品は「焦点となる特定の商品名だけは紹介しないでほしい」と訴え、
消費者の動向を警戒する。
08/04 21:05 <遺伝子組み換え>業界や消費者に不満や困惑が広がる
安全性が懸念されている遺伝子組み換え食品。農水省が4日明らかにした「表示義務
付け案」に、業界や消費者の間に不満や困惑が広がっている。遺伝子を組み換えた大豆
を混ぜてつくった豆腐などを「不分別」として、組み替え食品かどうかの表示を見送る
ことが認められためだ。消費者団体は「消費者が選べないような表示では無意味だ」と
反発し、食品業界も「これで消費者に信頼されるのか」と不安げだ。
「消費者が知りたいのは豆腐、みそなどに遺伝子組み換え原料が使われているかどう
かだが、『不分別』という表示では、本当のことは分からない」。これまで農水省に表
示義務を求めてきた日本消費者連盟、主婦連などの消費者団体は、農水省案に一様に不
満の声をあげた。
国内では、大豆やトウモロコシなどは、組み換えかどうか分別されずに流通している
。このため、今後、メーカーが自発的に検査して組み換えかどうかを表示しない限り、
大部分の食品は「不分別」となる可能性が高い。
日本消費者連盟事務局長の水原博子さんは「組み換え食品を食べたくない人が選べな
いような表示なら、まったく意味がない。原料を輸入する段階から、組み換えかどうか
を分別させて流通させれば、表示は可能だ」と、農水省が米国政府に「分別輸出」を要
求するよう主張する。
一方、独自に検査装置を持ち、大豆などで組み換えかどうかをチェックしている日本
生協連(東京)は「消費者の選択に役立つ情報が得られるかどうかという点で判断する
と不十分な点が多いが、現在の無表示に比べれば、一歩前進といえる」と話す。
こうした中、非組み換え大豆などを独自ルートで輸入し、商品を提供する動きも出て
きた。
グリーンコープ連合(福岡市)は、非組み換えトウモロコシ飼料を与えた豚の肉や牛
乳などを供給。生活クラブ連合(東京)は「輸入も含め、原料を確保する段階で非組み
換え作物を入手する努力を続けてきた結果、豆腐、みそ、植物油など、ほとんどの食品
で非組み換え対応を実現させた」と話している。兵庫県氷上町の氷上酪農でも、氷上郡
内の全酪農家44戸が、非組み換え飼料を使った牛乳を販売し始めた。
また、市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」(東京)は独自検査
をもとに、組み換え作物を使った商品名の公表を始めた。大手食品会社の中には「組み
換え作物だとはっきり分かった場合は使わない」というケースも増え始めている。 【
小島 正美】
食品業界は「組み換え済みの原料を使っていないと主張しても、消費者に信用しても
らえるか不安」(大手菓子メーカー)と、深刻に受けとめている。
■菓子 明治製菓は4日、全日本菓子協会などの業界団体を通じて、政府に表示ルー
ルの修正を求める意向を明らかにした。同社は特に遺伝子操作についての測定方法や期
間、コスト負担などの問題が明らかでないと主張。メーカーが組み換え原料を使ってい
ないことを証明しても、別の検証方法によって、メーカーが知らなかった組み換えの事
実が暴かれることを懸念している。
また、ハウス食品は「焦点となる特定の商品名だけは紹介しないでほしい」と訴え、
消費者の動向を警戒する。
■納豆 市場シェア20%の最大手、タカノフーズ(同・茨城県小川町)は「当社は
米国の技術を使い、組み換え大豆でないことをチェックしており、農水省のガイドライ
ンを淡々と守るだけ」と自信。それでも「原料大豆の遺伝子を組み換えていないことを
、消費者に証明することの方が難しい」と訴える。
■豆腐 義務表示の指定食品の中で大きな影響を受けそうなのが、大半が零細業者で
全国に1万7000軒あると言われる豆腐業界だ。豆腐や豆腐加工食品の大豆需要量4
9万トンのうち、遺伝子組み換えが混入している可能性があるのは米国のインディアナ
、アイオワ、オハイオ州産の、いわゆる「IOM大豆」。業界推定によると、輸入され
るIOM大豆32万トンのうち10万トン程度が組み換え大豆ではないかという。IO
M大豆を使用すると、消費者からは組み換えと見なされてしまう「不分別」表示になっ
てしまう。大手43社が加盟している日本豆腐協会は「同じ米国産でも日本向けに開発
された組み換えでないバラエティ大豆や国産に切り替えるのが増えるのではないか」と
予測する。
全国豆腐油揚商工組合連合会は「1年の猶予期間があるといっても、消費者はそれを
待たないのではないか」と言う。国産大豆を使うにも値段が高いほか3万トンほどしか
なく量的にも不安だ。「組み換えでない大豆を使って小売り価格を上げた時に消費者の
反応はどう出るか」と板挟みの状態のようだ。
[1999-08-04-21:05]毎日新聞ニュース速報