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「北東」地震不安小さい/首都機能移転審議会が分析
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首都機能の移転先を検討している首相の諮問機関「国会等移転審議会」(森亘会長)は1日、都内で調査部会(石原信雄部会長)との合同会議を開き、(1)地震災害(2)既存都市との関係−の2項目について分析結果を公表した。地震災害に対する安全性は、首都機能の移転先に求められる基本的な基準の1つで、「北東地域」(宮城、福島、栃木、茨城県)は、他の候補地に比べ相対的に安全性が高いとされた。
地震災害の調査は、過去の地震や津波の実績、地盤の安定性などから、調査対象地域に及ぼす地震災害の影響を予測した。
過去の地震を見るとプレート境界部や内部で発生する海溝型地震は、「東海」(岐阜、愛知、静岡県)「三重・畿央」(三重、滋賀、奈良県、京都府)両地域でマグニチュード8程度の地震が頻繁に発生。内陸型地震を誘発する活断層も「東海」「三重・畿央」両地域が「北東」地域に比べ多く分布していることが分かった。
今後数百年内に予想される地震と津波に関するシミュレーション結果によると、繰り返し発生し甚大な被害をもたらすと予想される海溝型地震では、プレートの沈み込み帯が陸地から離れている「北東地域」の方が安全性が高かった。「東海」3県の各移転候補地は、中央防災会議で「大規模地震が発生するおそれが特に大きい」とされた「想定東海地震」の防災対策強化地域に指定されている。
既存都市との関係については、(1)新都市の生活利便性を確保し得る20万−30万人規模の母都市が30分圏内に存在するかどうか(2)新都市住民が多様なニーズを享受できる政令指定都市規模の母都市が一時間圏内に存在するかどうか−について調べた。
その結果、生活利便性を確保し得る母都市がおおむね30分圏内にあるのは、茨城、静岡、愛知、三重の4県で、他の地域については「交通機関の計画的整備が必要」とされた。政令指定都市規模の母都市については、「どの地域も地域内主要駅から一時間程度で到達可能」とされた。
河北新報