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◎南北の領海論争の場に 以前から衝突の可能性指摘
【ソウル9日共同】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の警備艇
が9日、韓国領海に侵入、韓国艦艇とにらみ合い、双方が「領海侵
犯」と非難し合った韓国西海岸の延坪島周辺海域は従来、南北の領
海論争の場となってきた。
朝鮮戦争(1950−53年)の休戦協定を結ぶ際、陸上には軍
事休戦ラインが引かれたが、海上にはラインが設定されなかった。
国連軍司令部は偶発的な軍事衝突を防ぐため、西海岸と東海岸に北
方限界線(NLL)を引き、NLLの南側に幅15キロの「緩衝海
域」を設定。北朝鮮艦艇が侵入した場合は軍艦艇を出動させて警告、
衝突を避けながら北朝鮮側へ戻らせる措置を取ってきた。
北朝鮮側は、NLLを公式には認めず、68年には領海12カイ
リを宣言してこの海域は北朝鮮領海だと主張。一方で、北朝鮮側は
韓国に水害救済物資を送った84年には、このライン上で韓国側艦
船に物資を渡すなど、事実上、NLLを認めてもきた。
ソウルの北朝鮮専門家は、南北衝突のシミュレーションをすると
き、最も衝突の可能性が大きい地域と想定されてきたと指摘。その
上で「休戦協定に基づかないため、北朝鮮の艦艇がNLLを越えて
きても、韓国側としては明確に休戦協定違反と主張する根拠が薄い
という難点がある」と話している。 (了)
[共同 6月 9日] ( 1999-06-09-17:14 )