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回答先: 寺園敦史『マリード』11号全文 投稿者 如洗 日時 1999 年 5 月 27 日 08:36:34:
99.6.1
∽∽∽∽∽∽∽∽∽ MAIL MAGAZINE ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
マリード VOL.13 発行:寺園敦史 tera0815@ea.mbn.or.jp
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◆このメールマガジンは,今日の不合理で閉鎖的な同和行政の実態を少しでもオ
ープンにするため,情報公開条例などを使って調査した内容を公表するためのも
のです。当面の調査対象はおもに京都市の同和行政です。
◆「マリード」とはアラビア語で「病人」という意味です。
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〔今号のもくじ〕
◎『「同和」中毒都市』書評(2)
・「週刊ダイヤモンド」1999年5月15日号
・「週刊金曜日」1999年5月28日号
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◎『「同和」中毒都市』書評(2)
▼読書 「部落差別」の語られ方 本誌・宮崎伸一
(「週刊ダイヤモンド」1999年5月15日号より採録)
亀井文夫監督の「人間みな兄弟――被差別部落の記録」(1960年)は画期的な
ドキュメンタリー映画でした。冒頭,ソ連によるスプートニク打ち上げのニュー
スが流れる。それを映すテレビのある町は部落差別を受けている。宇宙にロケッ
トを飛ばす英知を持つ人間が,なぜ同じ人間を差別するのか。
あれから40年近くが過ぎました。『藤川清・二保芳男写真展』(リバティ・お
おさか)やチョ・チヒョン*写真集『部落』(筑摩書房)に記録されているよう
な老朽家屋や露骨な貧困は表向き姿を消しました。65年の同和対策審議会答申
で,部落差別の解消は国の責務とされ,これまでに13兆円余が投じられてきたか
らです。
30余年の取組みの一方で,同対事業が「利権化」しているという,マスコミが
触れてこなかった実態を告発した本が出ました。『だれも書かなかった「部
落」』には,市役所職員の採用,市営住宅への入居,保育園料金の優遇など,京
都市の解放運動の歪みが描かれています。その続編『「同和」中毒都市』は,市
の公文書などからさらに厳しく追及しています。
日本共産党に近い,京都市の職員組合が発行している月刊誌「ねっとわーく京
都」の連載がベースになっており,部落解放同盟と同対事業に批判的という側面
はあるものの,「身内」の全解連(全国部落解放運動連合会)も批判するなど,
結構過激です。
(中略=このあと,『「部落民」とは何か』〔藤田敬一編,阿吽社〕『続 部落
史の再発見』〔部落解放・人権研究所編,解放出版社〕などの本の紹介が続
く。)
文明的な社会ほどタブーが少ないといいます。騙されたと思って,1冊手にし
てみてください。
(『だれも書かなかった「部落」』寺園敦史著,かもがわ出版,1800円)
*寺園注――チョ・チヒョンさんのお名前は,原文では漢字表記です。あれこれ
やってみたのですが,「チョ」に当たる漢字をパソコンから探し出せなくて。カ
タカナだけで失礼!
▼金曜日の本箱 『「同和」中毒都市』寺園敦史/著 かもがわ出版 1800円
(「週刊金曜日」1999年5月28日号より採録*)
同和行政にかかわる利権構造や運動団体の腐敗など,「同和問題の解決」を理由
として行なわれている不正行為を告発する。
(同欄には本書の他に,『部落史がかわる』〔上杉聰著,三一書房〕『「部落
民」とは何か』〔藤田敬一編,阿吽社〕『いま,部落史がおもしろい』〔渡辺俊
雄著,解放出版社〕など部落問題・「部落史」関連書11点が紹介されている)
*寺園注――今回,本書が「週刊金曜日」で紹介されたのは,同誌編集部の依頼
に応じてわたしが寄稿した原稿を,同誌が一方的な理由により不掲載にしたこと
の代替え措置。くわしい経過は,「マリード」11号参照。(了)
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