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日本最古の栽培稲の痕跡 縄文前期から米作りか
◎日本最古の栽培稲の痕跡 縄文前期から米作りか=差替
岡山市津島東の縄文時代の朝寝鼻(あさねばな)貝塚を調査して
いる岡山理科大の小林博昭教授(考古学)らのチームは21日、約
6000年前の縄文前期の土壌から、栽培されたとみられる稲の細
胞に含まれるプラントオパールが見つかったと、発表した。
同教授らによると、日本で栽培稲の跡は岡山県などで発見された
約4500年前の縄文中期のものがこれまで最古。同教授は「米作
りの歴史が縄文前期にまでさかのぼる重大な発見」としている。
稲作の伝来ルートや縄文文化の見直しが迫られることになりそ
うだ。
プラントオパールはイネ科の葉の細胞内に含まれるケイ酸体の粒
子。同貝塚の下層の、深さ2メートルの土壌から356点のサンプ
ルを採り調査したところ、これまでに10点から稲のプラントオパ
ールが検出された。稲のほか小麦とハトムギのプラントオパールも
見つかった。
プラントオパールの見つかったのと同じ地層から縄文前期の特徴
を持つ土器が出土。この土器の様式が放射性炭素年代測定法で約6
000年前と測定された福井県・鳥浜貝塚出土の土器と共通するこ
とから年代を推定したという。
同遺跡は、岡山理科大の通学路工事で発見され、小林教授らが1
997年夏から発掘を開始。これまでの調査で縄文前期から後期の
土器が見つかっている。貝塚は発掘が終わった後、埋め戻された。
(了)
[共同 4月21日] ( 1999-04-21-17:20 )