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回答先: Re: イージス艦って日米以外に持ってる国あるんでしょうか? 投稿者 一刀斎 日時 1999 年 3 月 05 日 00:59:07:
@航空機に対する鉄壁防御はあるか
航空機に対する防御は、イージスシステムと基地航空機・空母艦載機との連携、そして艦隊各艦の個別防御兵器(OTHメララ速射砲・CIWSバルカン砲・シースパロー&RAM等の近距離対空ミサイル)の組み合わせで、対抗部隊(敵)がかなり大量の航空機を集中して投入し、あわせてロシア製対イージス艦ミサイル「サンバーン」を使わないかぎり、現在のところ、日米連合軍機動部隊に対しては鉄壁であるといえます。その理由は次の式を見てください。
被弾確率=敵投入機数×航空機によって打ち落とされる割合×対艦ミサイル発射数×発射されるミサイルが正常に作動する確率(通常米軍で7割。発展途上国ではさらに下がる)×イージスなどの対空長距離ミサイルによって打ち落とされる確率×ECMによって無力化される確率×近接防御兵器によって打ち落とされる確率
となりますから、計算式の川上にある「イージスなどの長距離ミサイルによって打ち落とされる確率」が高ければ、それだけ被弾確率は限りなく0になる訳です。
言葉を変えれば、イギリスがフォークランドでエグゾセを食らったは、正規空母とイージス艦を持たない(VTOL空母しか持たない)ため、航空機によって打ち落とされる確率と、イージスなどの長距離対空ミサイルによって打ち落とされる確率が米軍に比べ低すぎたからです。
A弾道ミサイルに対する鉄壁防御はあるか
対空ミサイルで水平に飛ぶ航空機・巡航ミサイルを打ち落とすことは、発見さえできればかなりの確率で可能です。が、高速で垂直に降ってくる投射面積の小さい「点」にすぎない弾道ミサイルを落とすには、現在の技術ではロシアの首都モスクワ周辺に配備されているような「対空核ミサイル」をもってするしかありません。
一番効果的なのは、発射前の基地を先制攻撃することです。そのための巡航ミサイル発射台としてイージス艦は有効であるといえます。(その正確な位置を誘導コンピューターにインプットするための偵察衛星も要りますが)最近の政府高官の先制攻撃発言にはこうした背景があります。
B日本のイージス艦配備数
現在2隻。ゆくゆくは4隻配備される予定。最も世界情勢次第では増えることもあるでしょう。
艦名は予定も含めて「こんごう」「ひえい」「はるな」「きりしま」です。これらはいずれも太平洋戦争で無敵を誇った「南雲空母機動部隊」とともに歴戦を戦った高速戦艦の艦名と同じです。この名前に込められた意味は・・・はたして?
C日本も「空母」を持っている。だからイージス艦も併せて造った。
日本も空母を昨年就航させました。しかし公式には強襲揚陸母艦という扱いになっています(現在のところ搭載されているのは揚陸用ホバークラフトとヘリのみだから)。
しかしこのフネは海上自衛隊初の全通飛行甲板を備え、排水量も自衛艦一を誇っています。ですから、その気になればいつでもシーハリアーのようなVTOLジェット戦闘機を運用可能な「軽空母」となることが可能で、米国のイオウジマ級・イギリスのインビンシブル級・タイのチャクラベルナット級空母を上回る空母として護衛艦隊の中核となることが期待されています。
イージスは基本的に空母を守る為の兵器ですから、これと併せて導入が決定されたのでしょう。