Tweet |
回答先: 電磁波の異常観測で地震を予知 12日の亀岡の地震 研究者ら茨木市に警告 投稿者 倉田佳典 日時 1999 年 2 月 19 日 17:39:01:
http://cgi.jp.osakanews.com/cgi-bin/osknews/articles/showarticle.cgi/news/1999022201
大阪新聞
亀岡の震度4地震、茨木で電磁波異常
3ヵ月前からキャッチ、予知できた
電磁波異常で、地震予知が可能になる! 今月12日に京都府亀岡市を襲った震度4の地震で、愛知県立大などの研究グループが隣接する大阪府茨木市で3カ月前から、地中からの強い電磁波をキャッチしていたことが、22日わかった。研究グループでは観測の結果を地震の予兆現象ととらえ茨木市に報告。これを受け、同市も災害時の即応態勢を整えた。阪神大震災以後、地震の研究が多方面で進んでいるが、電磁波の観測は、難しいとされる地震予知の手段として注目されそうだ。
電磁波を観測したのは、愛知県立大の畑雅恭教授(電磁波情報学)と、名古屋工大の内匠逸助教授(情報処理学)らの研究グループ。
グループでは高感度の電磁波観測アンテナを全国40カ所に設置し、磁界の変化を観測しているが、茨木市北部の公共施設内に設けたアンテナで昨年11月4日、通常レベルの20倍にあたる電磁波を観測した。このため翌5日、茨木市に「地殻に異常現象が見られる」と電話で連絡し、電磁波の波形のデータなどもファクスで送った。
電磁波の異常は約20日間続き、その後も断続的に観測されたため、畑教授らは数回にわたって同市に異常を通告、注意を喚起した。これを受け市ではポケットベルの確認など職員への伝達態勢をチェックし、速やかに災害時の初動態勢が取れるように警戒していた。
大阪管区気象台によると、12日の地震はマグニチュード4・4。震源は電磁波の観測場所の北約8キロの亀岡市内で、活断層が通っているところ。震源の深さは約20キロ。亀岡市で震度4、京都市中京区や京都府園部町、大阪府能勢町で震度3を記録し、茨木市は震度1だった。
幸い大きな被害はなかったが、茨木市は「電磁波の観測データは今後も地震の判断材料の1つとしてみたい。ただし、国のレベルでもまだ研究段階なので、参考情報として慎重に対応してたい」(総務課防災係)としている。
電磁波は、地殻のひずみが高まることで岩石が摩擦や溶解を起こし、高温になった水やガスが地上に飛び出して空気中の酸素に触れ発生するとされる。
このため電磁波の発生は、地殻変動=地震の予兆現象として注目されており、静岡県の群発地震でも事前に異常な電磁波が何度も観測されている。平成7年1月の阪神大震災でも、カーラジオが地震の直前に雑音で聴こえなくなるなどの現象が起きたが、これも電磁波の影響とみられている。
畑教授は「今回、観測された電磁波は亀岡での地震に関係していると見てほぼ間違いない。伊東(静岡県)の群発地震と同様の現象だったので、人的被害に及ばない程度の中規模の地震が予測されたが、その通りになった。電磁波を研究していくことは地震予知にかなり有効で、事前の情報として自治体などの対応にも役立つと思う」と話す。
地震予知は現在、電磁波以外にも他方面で研究が行われている。前震、地盤の変形、井戸水の化学成分、地下水の流出量…などの観測に加え、生物や自然の予兆現象に注目する研究も盛んだ。
地震予知連絡会会長の茂木清夫・日大教授は「電磁波の研究も予知の重要な分野で、データや経験を積み重ねていくことが大切。精度のいい予知を可能にするには、他のさまざまな研究とデータを突き合わせることも考えていかねばならない」と話している。