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◎アンボン暴動死者155人
波及の恐れも=差替
【ジャカルタ3日共同】インドネシアのハルヨノ調整相(公共福
祉担当)は3日、東部アンボン島周辺で起きた暴動の死者は計15
5人となったと発表した。死者はさらに増える見通し。また宗教施
設、民家、商店など計2775の建物が焼かれたり破壊されたとい
う。
同島周辺ではキリスト教徒とイスラム教徒の抗争が1月19日か
ら続いている。当初1週間は激化の一途をたどり、ハビビ政権下で
最大の暴動となった。ハルヨノ調整相ら6閣僚が現地を視察した2
日もアンボン市内で住民の衝突が再燃、負傷者が出て緊張が続いて
おり、他地域への波及の恐れもある。
国営アンタラ通信によると、ルスマンハディ警察軍参謀長は3日
「アンボン暴動は高位の政治家が関与したとの情報があり、陰に政
治的狙いがあったとみている」と述べた。
2日には北スマトラ州で副知事が「第2のアンボン事件を起こそ
うと約200人が潜入したとの情報がある」と住民に警告した。ス
ハルト前政権下で体制擁護のため各種の大衆動員組織がつくられた
が、最近の変革で既得権を失いつつある一部集団が混乱を狙って宗
教抗争をあおっているとの見方もある。
スハルト前大統領退陣につながった昨年5月のジャカルタ暴動で
は1000人以上が死亡したが、同国で多数の死者が出た暴動は政
治・経済的要因によるものが主で、宗教抗争で100人以上が犠牲
となった例はほとんどなかった。
(了)
[共同 2月 4日] ( 1999-02-04-00:29 )