(回答先: あなたのことがずっと気になっていた 投稿者 風見みずほ 日時 2002 年 2 月 13 日 20:30:59)
風見みずほさん、初めまして。
ベルギーの話が出てきたので、ベルギー貴族の娘と言われている故オードリー・ヘップバンさんについて一言。
まず、女優としての彼女は、他に代替できるような雰囲気の人も出てこないし、けっこう好きな女優であることを予め断っておきます。
彼女は、亡くなる前、「子供救済運動」に尽力していると伝えられてきました。
日曜日(2・10)午後にテレビ朝日で放送された「スイス取材番組」で、レマン湖畔にある彼女の博物館みたいな場所を訪れた財前直見さんも、飢餓症状が出ているアフリカの子供を抱いている写真などを見て感動し、涙を頬に伝わせていました。
故ダイアナ元妃についてもそうですが、いわゆる高貴な人が貧困・病気・殺戮などの“悪”に救済の手をさしのべるような行為を見せると、メディアがそれを報じ、ある程度の人たちも「高貴な人たちはやっぱり優しく思いやり深いんだ」と感じているようです。
しかし、アフリカの貧困・エイズの蔓延・正当性のない殺戮的戦争というものの歴史的経緯を考えれば、周辺を含む英国王室やベルギー王室の犯罪性は歴然としています。
欧州の高貴な人々は、そのようなものを是正すべき“悪”だと考えているのなら、自らの資産をすべて喜捨し、政府及び国民に歴史に対する反省と償いを呼び掛けるべきでしょう。
故ダイアナ元妃は、恋愛に励んだことは別として、リゾート好きで世界各地を旅し、買い物にいそしみ、パーティーを楽しみました。ある1年間の生活振りを隠しカメラで実況中継していたら、おそらく、慈善的な活動はほんの数日分しかないでしょう。そして、その1年間の生活振りを見た多くの人は、うらやましいと思うか、クソったれと思うのではないでしょうか。それでもなお、「高貴な人たちはやはり優しく思いやり深いんだ」と思う人はごくごくわずかだと思います。
ゴディヴァ(米語ではゴダイヴァになりますが)をはじめとするベルギーのチョコレート産業隆盛は、コンゴなどを植民地化してカカオ栽培に特化させたという歴史的経緯に負うものです。(もちろん、他の西欧諸国も同じです)
欧州の金持ちの味覚を満足させ自分たちの金銭的利益を増大させるために、アフリカの人たちの生活様式をズタズタにしたのです。(農地や鉱物資源も分捕りましたが)
こういう問題にほおかむりしたまま、ひとときの慈善活動で人々から敬意を集め贖罪もできると考えているのなら、それこそ“悪魔崇拝者”の仲間と言えるでしょう。
故ダイアナ元妃の「反対人地雷キャンペーン」も、今となってみれば、米英の「対イスラム虐殺戦争」をスムーズに進めるための露払いでしかなかったと言えるかも知れません。