投稿者 yomiuri 日時 2001 年 12 月 06 日 18:14:43:
米の外交暗号電文を日本は開戦前に解読?
1941年12月8日の真珠湾攻撃直前、日本が米国の外交暗号を解読していたこ
とを示す日米両国の文書が見つかったと、簑原俊洋・神戸大助教授(日本外交史)ら
が5日、発表した。米国立公文書館と外務省外交史料館の文書を照合した結果で、当
時、日本側の暗号が筒抜けだったことは知られているが、米側の重要機密も日本側に
漏れていたことを裏付ける貴重な史料としている。
簑原助教授らが今年7月発見したのは、1941年8―12月、日本との交渉にあ
たったハル米国務長官と、東京のグルー駐日大使が交わした暗号電文の原文。日本側
は、94年に外交史料館で見つかった「特殊情報綴(つづ)り」。
このうち、11月27日の電文は、米側が戦争回避のため、対日石油禁輸の一時解
除などを認める「暫定協定案」を検討したが、この事実を「日本側に通告しない」な
どとした内容。外務省の文書は、この米側電文が解読され、旧日本陸軍高官が12月
1日に回覧していた。
電文の日付は、ハル長官が、日本側に占領地放棄などを突き付けた提案書「ハル・
ノート」を提示した翌日。日本側は12月1日、開戦を正式に決定する。
簑原助教授らは、日本側は協定案の存在を知っていたが、裏腹な内容のハル・ノー
トが出たため、米国に不信感を募らせ、開戦に至ったのではないかとしている。
94年に外交史料館で文書を発見した杉原誠四郎・武蔵野女子大教授の話「米側の
文書が見つかったことで、日本が外交暗号を解読していたことがはっきり裏付けられ
た。日米交渉史に新たな解釈が必要になる」