投稿者 DC 日時 2001 年 9 月 29 日 01:41:46:
回答先: ちょっと?(だいぶんかな)、ずれてんだよなぁ、社民党は 投稿者 DC 日時 2001 年 9 月 28 日 01:23:26:
http://www.mainichi.co.jp/eye/kishanome/200109/28.html
タリバンは悪か? 善悪二元論に潜む危うさ
◇窮鼠にしたのは誰だ
「タリバンは悪か?」――過去3年間のアフガニスタン取材で、私が持ち続けてきた命題だ。米同時
多発テロを機に、タリバン政権は「絶対悪」とも言えるらく印を押された。米国がテロ首謀者とみなすウサ
マ・ビンラディン氏を保護し、身柄引き渡しを断固として拒否しているからだ。事実上の「テロ支援勢力」と
いう汚名を着せられ、米国の軍事報復にさらされようとしている。「タリバンは戦乱の世に咲いたアダ花に
終わる」。昨年、アフガンを一緒に訪れた友人のパキスタン人記者は、タリバンの行く末をそう予測した。
「タリバンの石頭には自分たちの主義、主張しか存在しない。彼らのイスラム原理主義は、原点に返る
という意味での本来の原理主義とは似て非なるものだ。極端主義はいずれ滅びる」
そう解説した友人は、アフガン訪問を機にタリバン支持から反タリバンに立場を変えた。
アフガン和平工作を進めてきた国連スタッフは、政権崩壊の危機に直面しても国際社会から同情の声さ
え出てこない状況を前に「自業自得だ」と言い捨てた。
私もタリバンの行状を肯定するつもりはないが、タリバン悪玉論、正確には、タリバンはそもそも悪だと
の原罪論には異論がある。
今年3月、私はバーミヤンの大石仏破壊の取材に際し、スパイ容疑でタリバンに拘束され、危うく銃殺さ
れかかった。そんな体験を経ても、一方的なタリバン批判にはくみしたくない。
大石仏破壊は、昨年12月の国連制裁強化が大きな契機になったであろうことは想像に難くない。制裁
は、ビンラディン氏の身柄引き渡しを拒否し続けたことに対するもので、武器禁輸やタリバン幹部の海外
渡航禁止など、国連を主導する米国が進めてきたタリバン封じ込め(孤立化)の総仕上げの感さえあっ
た。
当時、タリバン政権内には、米国と妥協して同氏を追放すべきだと主張する穏健派も一定の勢力を保っ
ていた。しかし、制裁強化を引き金に、対外強硬論を唱える強硬派とビンラディン氏配下のアラブ人グル
ープが、穏健派を追い落とす形で強固な支配権を確立したとみられている。
タリバンは、国際社会から完全に見限られたことを認識し、米国がテロリストとみなすグループへの依存
をいっそう強め、もはや同氏を制御できなくなったようだ。大石仏破壊はそうした延長線上で起きた。
「お前は悪だ」と決めつけられ、追いつめられ、行き場を失った末に「窮鼠(きゅうそ)ネコをかむ」状況に
至ったのではないか。孤立化政策が何をもたらすのか、歴史が多くの教訓を残している。
タリバンが結成されたのは94年夏。当時、アフガン戦争(79〜89年)でソ連軍に抗戦した旧ゲリラ勢
力同士が内戦を続け、無政府状態に陥っていた。殺人、レイプ、強盗、汚職がまん延した。「イスラム神学
生」を意味するタリバンは、そうした惨状の下で「世直し運動」から出発した。
96年に首都カブールを制圧し、98年には全土の9割を支配する。しかし、公開処刑や女性・民族差別
などで、国際社会から「人権侵害」と非難を浴び、政権承認のチャンスを逸した。
98年当時のアフガン取材で、あるタリバン幹部はこう語った。「罪なき人々が殺りくされる乱世こそが、
最大の人権侵害ではないのか」。治安維持のためには厳格な統治システムの導入も、やむを得ないとい
う主張だった。
この時の一連の取材を基に「タリバンは悪か?」と題する連載記事を書いた。すでに「タリバン・イコール
悪」のイメージが定着しつつあったことへのアンチテーゼのつもりだった。
今、この命題は、アフガン攻撃を前にして「米国は善か?」という問いかけにつながると思う。
今回のテロ事件後、ブッシュ米大統領は演説で、テロとの戦いを「善対悪の歴史に残る戦い」と語った。
大統領の言葉を借りるまでもなく、米国は自らの世界にこそ「善」があると信じて疑わないようにみえる。
国連難民高等弁務官事務所カブール事務所の山本芳幸所長は「外部との融和の道を閉ざしているとい
う意味で、米国とタリバンの根は同じだ」と指摘した。
自らに真理があると信じ込んでいるのは、むろんタリバンとて同じである。タリバン原理主義対アメリカ
原理主義。「非妥協」を貫く両者の姿勢を見ると、善悪二元論に潜む危うさを、つい考えずにはいられな
い。
#社民党の原理主義の危うさを指摘しているんですけど・・・・。
#たしかにアメリカ人は自身の危うさはわからない人がおおいようですし、タリバンもしかり。
#ついでに、アングリの住民も自身の危うさはわからないようですし。
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200109/28-2.html
テロと9条 憲法の想定にない脅威に新たな発想を
http://jmm.cogen.co.jp/recent.html (移設前)
http://www.ryumurakami.com/jmmarchive/r009020.html (移設後)
■ 『オランダ・ハーグより』 春 具 第20回目