投稿者 asahi 日時 2001 年 7 月 08 日 12:28:26:
米、CTBTの「死文化」主張か ジェノバ・サミット
米ニューヨーク・タイムズ紙は7日、ブッシュ米政権が、今月20日からの主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)などを通じ、あらゆる核爆発を追放する包括的核実験禁止条約(CTBT)について、日本、欧州などに対し、「同条約が事実上死文化していると認めるよう説得する」可能性が出てきたと報じた。米側の働きかけの結果、首脳宣言草案には、これまでの首脳宣言には盛り込まれていた「CTBTの早期発効」をめざす文言が現時点でなくなっているという。
同紙によると、こうした動きはブッシュ政権がCTBTからの離脱を検討していることに基づくもの。現在米上院で批准のめどが立たないままでいるCTBTについて、同政権は条約案の撤回を検討したという。これが手続き上不可能なため、事実上死文化しているという国際世論醸成に動き始めたとみられる。
同紙はまた、こうした動きの結果として、ジェノバ・サミットでは長年のサミットで初めてCTBTが議題に上らない可能性さえあるという複数の米政府高官の見方も伝えた。ただ、核実験の凍結は当面続けるという。
地球温暖化防止の京都議定書からの離脱に続き、核不拡散を支えるCTBT体制を空洞化させるブッシュ政権の姿勢に対し国際社会の反発が広がりそうだ。(01:07)