CTBT発効不可能に 「米離脱」報道 推進役の日本、対応苦慮

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投稿者 sankei 日時 2001 年 7 月 10 日 09:36:36:

回答先: 米大統領、包括的核実験禁止条約の消滅望む 投稿者 reuters 日時 2001 年 7 月 09 日 10:07:51:

2001.07.10

■CTBT発効不可能に 「米離脱」報道

推進役の日本、対応苦慮

 【ワシントン9日=西田令一】ブッシュ米政権が京都議定書に続き
包括的核実験禁止条約(CTBT)からも事実上離脱することを決定し
たと、七日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じ、報道通りなら欧
州同盟諸国の反発が予想され、条約発効を推進する日本も対応に苦慮
しそうだ。「核疑惑国」のCTBT反対姿勢を強固にし、条約の息の
根を完全に止めることにもなりかねない。

 米政府当局者の話として同紙が伝えたところによると、同大統領は
同盟国にCTBTが死文化していることを説得する方針で、結果的に
代案の提示を迫ることになりそうだ。今月下旬の主要国首脳会議(ジェ
ノバ・サミット)でもこの問題を取り上げる可能性もある。

 クリントン前米政権はCTBTを核不拡散政策の柱の一つにすえて
条約に調印したものの、約二年前に上院に五十一対四十八の反対多数
で否決されて批准に失敗した。その後、シャリカシビリ前統合参謀本
部議長を責任者に立てて上院での多数派工作に当たらせてきたが、状
況を転換できずに任期切れを迎えており、上院による批准承認の見通
しは立っていない。

 米国は中国、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルなどととも
に条約が発効するため批准が必要とされている国の一つで、このまま
では条約発効の可能性はなく、CTBTへの反対を掲げて登場したブ
ッシュ政権は死文化をねらっていた。

 同政権がCTBT離脱理由に上げるのは、(1)守られているかどう
か検証できない(2)核不拡散にもつながらない−などで、核実験凍結
政策は条約離脱とは関係なしに従来通り進めていくという。

 だが、米国がCTBT放棄を公然と宣言するとなれば、インドやパ
キスタンなどが条約に完全に背を向けるばかりか、米国をはじめ国際
社会がこれらの諸国にはめてきた核実験凍結のたがまで緩む恐れすら
出てくる。

 シャリカシビリ前議長は前政権への報告で、条約批准に伴う安全保
障上の利益は不利益を上回ると結論付け、そうしないことは核不拡散
での指導的役割の投げ出しになりかねないと警告した。

 日本は昨秋、国連総会・第一委員会(軍縮)にCTBTの二〇〇三年
までの発効などをうたう決議案を提出して採択に導くなど条約の旗振
り役を務めており、京都議定書に続いてCTBTでもジレンマに陥り
そうだ。

         ◇

 ≪CTBT≫ 核爆発実験を包括的に禁止する条約。ただし核爆発
を伴わない未臨界実験などの核実験は禁止されていない。米上院は
1999年、批准承認を拒否。中国なども未批准で発効していない。署
名国は161。



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