投稿者 1984 日時 2001 年 5 月 31 日 22:23:33:
■ 全国会議員への「個人情報保護法案」公開質問
質問1
あなたは上程された「個人情報保護法案」に
A.賛成する B.反対する C.保留する
質問2
上記のご回答の理由を条文・エピソード・ご体験などをもとに、わかりやすく書いてください。
質問3
では、そのお考えを実現するために、どのような活動を予定されていますか。
質問4
共同アピールでも触れたことですが私たちは「取材源の秘匿」が確保されなければジャーナリズムや評論は成り立たず、したがって民主主義の充実もないと思います。今回の「個人情報保護法案」はこの原理を危うくする、というのが私たちの考えですが、あたなは報道メディアにおける「取材源の秘匿」について、どうお考えでしょうか。
質問5
その他、この質問について、またメディア一般について、お考えのところをご自由にお書きください。 ■鈴木恒夫(自民党・衆議院)
日頃のご活動に心より敬意を表します。
さて、今回アンケートをお送りいただきましたが、現在思うところを率直に記し御回答に代えさせて頂きます。
急速に進む社会のIT化に、現在の法制は十分に対応しきれておりません。データベース化され「商品」となっている個人情報についても法的に保護されるべき利益であると考えております。「情報」の価値が比較にならないほど大きくなった今日、個人情報に法的な保護を与えることが必要と思います。
ご懸念の「報道の自由を侵害する恐れ」については、基本的にその心配はないと考えます。個人情報が適正に取り扱われるべきことは言を待たず、それは取り扱い主体が報道機関であっても例外ではありません。本法案においても、第5章の個人情報取扱事業者の義務については報道機関は適用除外とされており、また第40条では報道機関や情報提供者側の行為についての配慮義務が記されています。なお、報道の自由、取材源の秘匿の権利はすでに法的、社会的に確立されているところであり、これらの権利は「適正さ」を判断する上で十分に尊重されるものと思います。
私自身も毎日新聞の記者出身であり、表現の自由等の権利については国政上可能な限り尊重すべきと思います。今後の法の運用に当たり、法目的を逸脱し、表現の自由、報道の自由等の基本的人権が侵害されることのないよう、十分に配慮すべきだと思いますし、不当な侵害が顕在化するようであれば、法の見直しも必要となるケースもあり得ると思います。
以上
■大野松茂(自民党・衆議院)
1. A 賛成する
2. IT革命によりインターネットを通じ、個人情報が取引対象にまでなりました。しかし、プライバシー等の人権は青少年保護その他諸法によりすでに一部は護られてはいるものの、侵害が大きな問題になっています。社会全体が個人情報に敬意を払って扱うことを明文化する時期ではないかと思います。
3. 個人情報保護法を制定し、社会全体で適正に運用されるように体制を整えることが大切です。
4. 第五十五条は一人の個人情報取扱事業者も適用除外の対象であると理解しておりますので、この法律で取材源の秘匿が狭められるとは考えておりません。
報道はこの法律により正々堂々とご活動されることが良いのではと思います。
5. 報道活動の社会における役割の重要性については申し上げるまでもありません。報道倫理を重んじ、真実を報道して頂きたいと思います。個人情報保護の扱いは、社会的責任を持って正々堂々と取材活動を推進して頂きたいと思います。
■阪上善秀(自民党・衆議院)
1. A 賛成する
2. 個人情報取扱事業者がその情報を提供するに当っては利用目的・安全管理措置等により個人の情報を保護することが担保されている事が必要である。
3. 法案審議にあたり、充分精査し万遺漏なきを期す。
4. 適確な報道をするものには適用除外の考え方となっている。
■山口泰明 担当秘書 小松信(自民党・衆議院)
1. A 賛成する
【前書き】先ず基本的認識として、出版社やフリーな言論人・表現者の皆さんは、法五十五条の中で、「その他の報道機関」として適用除外の対象となっていると理解しております。
法五十五条の中に「出版社やフリーな言論人」という呼称が法律に明記されないから直ちに除外されないというものではありません。いわゆる報道機関とは、会社等、法人格を有するものだけではなく、一人の個人情報取扱事業者でも適用されると理解しております。但し、出版社といっても出版物等にも多種多様なものがあります。例えば、報道以外の出版を行うものとして、フィクションの小説、アイドル写真集、マンガ、地図、趣味(ファッション、旅行)等まで、含むものとは解しておりません。
2. プライバシー等、人権の問題は、最大限に尊重されなければなりません。近年、特にインターネットを通じ、個人情報を含め様々な情報を容易に手にすることができることからプライバシーの侵害が大きな問題となっております。
プライバシーの侵害は、特定の誰かが気をつければ良いという問題ではなく、社会全体が、また国民の一人一人が個人情報の自己管理に努めるとともに、他人の個人情報にも敬意を払って扱うことが大切であります。
3. 国民のプライバシーを守るために一刻も早く、個人情報保護法を制定し、社会全体で取り組む体制を整えることが大切であります。
4. アンケートの【前書き】に書きましたように、この法律で取材源の秘匿が狭められているとは理解しておりません。例え、出版社であろうとフリーのメディアであろうと「報道」活動を行っているのであれば、義務規定は適用除外になりますので、むしろ正々堂々とご活動されることが良いと思われます。
5. 報道活動の重要性については申し上げるまでもありません。従って報道に関しては、報道倫理を重んじ、いたずらに曲解することなく、真実の報道をして頂きたい。また個人情報保護の扱いには、社会的責任を持ち正々堂々と取材活動を行って頂きたいと思います。
■仲道俊哉(自民党・参議院)
1. A 賛成する
2. 高度情報化時代においては、個人のプライバシーが侵害されやすく、法的制度においても、個人情報の保護は最大限に配慮されなければならない。
よって、本件のような立法措置が必要である。
3. 法案について鋭意検討・議論中である。
4. 憲法第二十一条の「表現の自由」は、民主主義の根幹原理であり、報道機関の「取材の自由」も最大限に尊重されなければならない。
しかし、すべてのものに優先するとは考えられず、他の基本的人権と調和のもとに理解されるべきである。本法案は、表現の自由や取材の自由には十分配慮している。
■桝屋敬悟(公明党)
1. A 賛成する
2. 平成11年 の通常国会において、住民基本台帳法の改正作業に携わりました。その際、住民基本台帳ネットワークシステムの構築の前提条件として包括的な個人情報保護法を制定することを強く求めてきた経緯があります。
3. その後、政府の個人情報保護法制化専門委員会の作業を見守りながら、与党の個人情報保護システム検討会に参画し、内容の検討に努めてきました。
当初、基本法ということでしたが、政府のIT戦略本部の取り組みもあり、個人情報の保護についてより実効性のある法案になったことを評価しています。
4. ご指摘のとおり、報道メディアにとって「取材源の秘匿」は、報道機関の取材活動を確保する上で重要なポイントと考えられます。今回の法律案の目的は、あくまでも高度情報通信社会の中で個人情報を保護することが目的であり、報道機関の取材活動等を制限するものであってはならないと考えます。
具体的には、第5章の個人情報取扱事業者の義務等については、報道関係は適用除外とされていますし、第2章の基本原則は、自らの適正な取り扱いの努力義務を課しているものです。
したがって、報道機関が取材活動などを行うに当たっては、その目的に照らして、取材の方法などを自らの判断で適切に選択し、個人情報を守るために努めていただければいいわけで、報道機関の取材活動などに対し、不当な制限になるものではないと考えます。
5. 個人情報保護に関して先進諸外国に比べて法整備が遅れている我が国の実態を勘案すると、今回の法案は成立させるべきであると考えます。共同アピールにも触れられていますが、各省庁が1988年法律公布以降の法制についても、今回の法案に併せて点検することを求めているわけで、公権力の所有する個人情報の取り扱いの適正化を図るためにも前に進めるべきであると考えます。
なお、共同アピールで危惧されている記者やカメラマン等の個人の取り扱いや、雑誌の取り扱いについても、法文上の表現として整理できない部分もあるかもしれませんが、国会審議などで憲法上の表現の自由を侵すことがないよう確認できるものと考えています。
■丸谷佳織(公明党)
1. A 賛成する
2. 「公権力から個人情報の漏洩を防ぐ」との視点から必要である。
3. 個人情報の保護について実効性のある法案であり、この成立を目指す。
4. 「報道・表現の自由」は、民主主義の根幹である。ご指摘の「取材源の秘匿」は報道機関の取材活動を確保するにあたり重要であると考える。
第2章の基本原則は、個人情報の適正な取扱いの努力義務であり、取材活動に対する不当な制限とはならないと考えるが、懸念される「取材活動の萎縮」につながることのないよう、適用については慎重に対処すべきと考える。
5. これまで、報道による人権侵害を受けた一般市民もいることは事実であり、人々の人権をどうやって守るかということも重要である。 この問題に対する報道機関による自主的な対応を求めたい。
■続訓弘(公明党)
1. A 賛成する
■扇千景(保守党・参議院)
1.A 賛成
■柿澤弘治(無所属・衆議院)
1. A 賛成する
2. 情報化社会の中で個人の多様な情報が大量に蓄積され、濫用の懸念が強まっている以上、基本的に賛成。
皆さんが指摘されている諸点については、引き続き議論していく必要があると考えています。
3. 関心を持つ国会議員が超党派で集まって、法案の修正案について議論を重ねてはどうかと思います。
4. 「取材源秘匿」の重要性は認めますが、取材される立場の一人としては「取材源の秘匿」が無責任な記事のかくれみのにならないよう、プライバシーの侵害にならないよう関係者の良識に期待したいと思います。
http://kodansha.cplaza.ne.jp/broadcast/special/2001_05_30/index.html