投稿者 asahi.com/0306 日時 2001 年 3 月 06 日 14:04:12:
中国の国防費が17%増 装備ハイテク化に力点
全国人民代表大会に項懐誠財政相が6日提出する20
01年の予算案が明らかになった。中央政府財政の国防
費としては前年当初比で17.0%増の1410億40
0万元(約2兆円)を計上し、13年連続で前年比2け
た増となる。中央財政支出全体の伸び率19.8%を下
回るが、15%台だった昨年度の伸び率を超えた。
予算案では、増額の理由として「世界の軍事情勢の変
化」「ハイテクによる防衛作戦準備の必要」が挙げられ
る。中国は軍装備のハイテク化に力を入れているが、大
きな理由の1つは台湾との装備力の差を逆転させ、「台
湾独立」の意欲をそぐことだ。日米の戦域ミサイル防衛
(TMD)の研究が進められ、米国から台湾へのTMD
やイージス艦の配備が検討される中、ハイテク防衛に力
を入れようという狙いが国防費大幅増の背景にありそう
だ。
中国の国防費の内実については欧米諸国が不透明さを
指摘する。兵器の関連装備を実際の国防費の枠外で調達
し、公開された予算を実際は大きく上回るとの見方もあ
る。
一方で西側からの批判にも配慮し、「党の軍」から
「国家の軍」への改革を進め、これまで「枠外」で処理
していた費用が公開予算に組み込まれつつあると、西側
軍事関係者はにらむ。こうした面も国防費の高い伸びの
背景にありそうだ。
中国政府は1998年、軍が傘下の関連企業を使って
不透明なビジネスにかかわっていることを問題視し、一
切の商業活動を禁止。その一方で資金源をなくした見返
りとして予算を手厚くしてきた経緯もある。現役軍人の
待遇改善を図る必要があり、退役者の生活保障費もかさ
んでいる。
しかし、こうした事情を背負っていた99年、200
0年とも伸び率は15%台。今年は13%前後にまで伸
び率が低下するという予測もあったが、逆の結果になっ
た。
国防費の2けた増が続く状況への各国の懸念に対し、
中国政府は「軍事支出が米国の5%、日本の30%にす
ぎない(2000年予算)」と、「脅威論」に一貫して
反論している。