ケネディも知らなかったアポロ計画の真の目的(『UFOS & SPACE』81年8月号)

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投稿者 SP' 日時 2001 年 6 月 26 日 08:15:49:

回答先: A Mystery of UFO Secrecy & Invasion 投稿者 SP' 日時 2001 年 2 月 08 日 11:10:52:

「UFOの対地球戦略・総合分析」5
日本の見えない大学情報部

 地球外生物たちは、執拗に示威行為を繰り返した。そんな警告を尻目に人類はまたもや、彼らの神経を逆撫でするような計画を打ち出した、アメリカの月面探査計画がそれである。そして、その裏には、重大な秘密が隠されていた。

 地球を大混乱に陥れたニセ月ロケット
 ソ連の月面探査ロケットが発射される3ヵ月前、つまり1958年10月、宇宙の支配者たちは、今度はこのロケットの「予言的ものまね」を演じ、西欧側の人工衛星追跡網を大混乱に陥れ、ソ連政府を当惑させた。
 まず、アメリカのケープ・カナベラル宇宙基地にある追跡装置が、大気圏外からやって来る強力な信号電波をキャッチした。電波は、地球から5000キロメートルのところを、時速1万5000キロメートル以上の速度で、月に向かう物体から発信されていることがわかった。
 送信は、毎日3時間以上続けられたので、世界各国のすべての人工衛星追跡ステーションが、次々にこの電波を捕捉していった。アメリカだけでも、少なくとも2つの大型電波望遠鏡が、発信源の位置をつきとめ、マップに記入を開始したのである。
 アメリカの衛星追跡センターは、“ソ連のものと思しき電波発信源を捕捉。物体は月に向かいつつある”と発表。興奮した報道機関は、これを全世界に伝えた。観測データに異常が発見されたのは、その後のことだった。物体は、いったん速度を落としてから、2倍の速度にまで加速するという芸当をやってのけたうえ、月に向かうコースから離れはじめたのだ。モスクワの公式声明がこれに追い打ちをかけた。問題の物体について、ソ連は何ら関知してはいない──と。
 全世界の驚きとアメリカ追跡センターの困惑を尻目に、謎の物体は、相変わらずソ連のスプートニク1号そっくりの信号を発信しつづけながら月を離れ、かなたの宇宙空間に消え去っていった。
 これが地球外に起源をもつ、未知の宇宙飛行物体であったことは、次のいくつかの理由から明らかであった。
 (1) これは、ちょうど1年前、軌道に乗ったスプートニク1号の誤認ではない。1号は、これより数ヵ月前に電源がつきて沈黙してしまい、しかも、その後も大西洋上を大気圏に再突入するまで、これとは別に、引き続き追跡されていたのである。
 (2) これは、実際に打ち上げたが失敗に終わったので、ソ連が秘匿している月ロケットを捕捉したのではない。なぜなら、地球上で作られる月ロケットは、途中で人為的に急激な減速を行なったり、2倍に増速したりする必要はないし、また、そのような能力も持っていない。
 地球製月探査機が、ロケットを噴射させて推進力を発揮させるのは、パーキング軌道と呼ばれる衛星軌道に乗るまでと、この軌道を離れて、月に向かう軌道に入るため増速する合計20分以下と、月の大気圏内に入る場合に、そのための軌道修正を行なう、ごく短い時間のみに限られている。
 その間、全航程の大部分は、軌道修正のため以外、推進力はまったく使わない惰力飛行である。したがって、地球の引力の影響を主として受ける途中の点までは、徐々に減速してゆき、月の引力の影響を主に受ける後の航程では、徐々に増速するという形での速度変化しか示さないのである。
 (3) ソ連が月に向かう軌道に、月面探査ロケットを乗せることに初めて成功したのは、前述したように、約3ヵ月後の1959年1月2日だったことは間違いなさそうである。もし、これ以前に秘匿の、もしくは失敗に終わったため秘匿された月ロケットが、月に向かう軌道ないしはそれに近い軌道に乗ったという事実があったとすれば、西側はとっくに気付いていたはずだ。以後20年間の今日まで隠しとおせるものではないし、隠す理由もない。
 極軌道上に出現した謎の大型人工衛星
 鈍感で頭の悪い劣等な知的生物、地球人のエリートどもが、このニセ月ロケット事件の意味をも理解できないことを考慮してか、あるいは半信半疑の状態にあると見て、ダメ押しの必要性を感じたのか、宇宙の支配者たちは、この事件からさらに1年後、3度目の「予言的ものまね」を演ずるという念の入った行動を見せた。
 1960年1月、地球の南北両極上空を通過する、いわゆる極軌道上に、“国籍不明”の2個の大型人工衛星が出現した。アメリカのグラマン航空機製造会社の人工衛星追跡ステーションがこれを撮影し、世界各地の追跡ステーションや天文台でも観察、研究された。2つの物体は技術工学の産物であり、知的制御を受けて、地球の極軌道に入り込んだものと考えられたが、一方、地球人の打ち上げたものではないことも明らかだった。
 アメリカの一流週刊誌『ニューズ・ウィーク』は、半年後の7月、この物体についての記事を掲載し、次のように述べた。
「人工衛星追跡システムは、アメリカのものでもなく、ソ連のものでもない地球外、というよりはむしろ、太陽系外に起源を持つと推定される、いまひとつの宇宙船を追跡中なのだ、と確信するにいたった科学者の数が急激に増加しつつある。
 彼らの推論によれば、物体は、わが銀河系内にある星々の共同体──ある種の惑星連合組織を形成している、われわれよりはるかに進歩した知的種族群が、太陽系内外で起こっていることに関心を抱き、調査するために送りこんできた訪問者なのだ」
 この推論は、物体の起源についてはほぼ正確につかんでいるが、その具体的目的については、いささかピンボケ気味で、焦点をつかみそこなっている。
 単なる“考古学的、人類学的観点”からの学術調査団、もしくは科学的探査機だったとしたら、ワシントン上空で執拗な威嚇を繰り返したり、ニューヨーク市のド真ん中にジェット機を突っこませて市民を殺傷したりするだろうか。
 さらに、フランスで集中豪雨的な着陸を、数ヵ月にもわたって 延々と続けたり、ブラジルで陸軍の要塞を襲って哨兵に大火傷を負わせたり、ソ連の月ロケットの「予言的ものまね」を入念に演じて見せたり、戦略ロケット配備上空を24時間も制圧してパニックを発生させたりするだろうか。
 戦前や遠い昔に発生した目撃事例はさておくとしても、戦後からこの時点までの十数年間に、地球大気圏内外に出現した数千個以上のぼう大な数の未確認飛行物体のすべてが、この種の学術的探査に必要だったのだろうか。
『ニューズ・ウィーク』の記者が、問題の記事を書くに先立ってインタビューした、国立宇宙探査管制センターの科学者たちは、たぶん、これらのもっとも重大なUFO情報群の全容を知らなかったために、この極軌道大型人工衛星事件の意味を、充分につかんでいなかった。
 確かに極軌道衛星は、地球全表面のあらゆる地点の真上を通過する特性を持っているので、調査目的の人工衛星としては最適である。したがって、人類もこの種の地表探査用人工衛星を打ち上げるようになった。
 しかし、だからといって、“知的宇宙生物”たちが、単に学術調査の目的で、“人”工衛星を極軌道に乗せたとは限らない。むしろこれも、例の無言劇の一幕としての「予言的ものまね」と見るべきだろう。すなわち人類が、この種の探査衛星の実用化を計画してその開発を始めた時期を、きわめてタイミングよく狙っている点に注目する必要がある。
 このことによって、宇宙の支配者たちは、人類に地球の調査を行なっていることを意識させることが、狙いの1つであったと考えられる。とどのつまり、彼らは、人類の宇宙への発展がある段階に達したときは、宇宙の支配者による全面的な武力行使を含む、実力による阻止の壁にぶつかることを、各国の支配層に覚らせようとしていた。
 軍関係者たちによる物騒な発言の意味
 アメリカ軍関係の科学者たちやエリートたちは、この無言劇の“幕”や“場”について、基本的情報を受け取っていた。それゆえ、地球外の知的生物たちの企図をツンボさじきから、ピンボケの“観測”をした宇宙管制センターの科学者たちなどより、はるかに正確な理解を示していたのは当然である。たとえば、米陸軍宇宙開発部局の、地球外生命問題学術顧問を務めていたカール・セーガン博士は1962年12月、ロスアンゼルスで開催されたアメリカロケット学会における講演で、そのものズバリ、次のように述べている。
「われわれは、知能を持った地球外生物の訪問を受けているかもしれない。知的生物たちは、月の裏側に中継基地を作り、これを利用してやって来たと考えられる。われわれは、この問題に正面から立ち向かう覚悟をしなければならない」
 また、米陸海空三軍統合参謀本部・通信電子工学部長の要職にあったジョン・A・マクダヴィッド准将は、1963年初頭、ミリキン大学の校友年次大会における講演で、次のように述べている。
「われわれは将来に備えて、地球外の知的生物と人類との関係の問題を解決しなければならない。われわれはいつの日か、宇宙空間で、地球人類よりも賢い種族と接触するであろうことを疑ってはならない。
 そしてまた、近い将来、人類は宇宙に存在する数多くの生命の諸形態の1つにすぎず、われわれよりも、はるかに進歩した別の世界があることに気付き、それを事実として受けとめなければならない。もし、それが事実となったとすれば、われわれが、地球外に生息する、地球人類とは別の知的生物と遭遇することは、紛争の要因を増加させることにつながるかもしれないのである。
 このことは、これからの若い世代の人々に、大きな重荷を課すことになるという見通しを意味する点を、ここにはっきり申し上げておきたい」
 同じ問題を、さらにはっきりとした言葉で語ったのは、当時、米陸軍の元老格だったダグラス・マッカーサー将軍である。第2次大戦前、フィリピン総督、大戦中、中部太平洋における米3軍の司令官を務めた将軍は、1962年の陸軍士官学校卒業生たちに対する講演で次のように述べている。
「われわれはいま、宇宙の無限の距離、そしてそこにひそむ、測り知れない謎と取り組みつつあるのだ。われわれは現在、過去のあらゆる時代にも増して、人生をもっとも活気あるものとする課題についての討論を展開しつつある。すなわち、宇宙のエネルギーを制御すること、そしてさらに、どこか他の惑星集団からやって来た、いまわしい諸種族との闘争について検討を行なっているのだ。
 次の戦争は、地球内の国と国による第3次世界大戦になるとは考えられない。もし起こるとすれば、それは星と星との間の戦争になると思われる。したがって地球世界のすべての国民は、団結してこれに対処しなければならなくなるであろう」
 そして当時、米陸軍のトップ級のロケット専門家であり、陸軍宇宙開発計画局の責任者であったパトリック・パワーズ少佐は、もっと具体的に、地球人類の直面している緊迫した軍事情勢について、雑誌『ファミリー・サークル』に書いている。
「地球人類が、月に着陸しようとするとき、これをはばみ、追い払おうとする行動に出る、他の天体からきた知的生物に遭遇する可能性がある。これに備えるため、われわれの宇宙船は武装しなければならないのかもしれない」
 専門家が、かかる衝撃的な見解を公表する場合には、少なくともこれを裏づける、確かな情報を握っているものとみなければならない。彼らは、単なる空想や作り話しを売りものにしているSF作家や、イエロー・ジャーナリストとはまったく異なった立場にあるのである。彼らは、現実に自分の同僚たちが命がけで、40万キロメートルかなたの月まで飛んで行くのを、ハード・ウェアー専門家として支援するという、実践的作業の第一線で活動することでメシを食っている男たちなのだ。確かな根拠もなしに、この種の人騒がせな発言をすれば、たちまちクビが飛ぶだけでなく、専門家としての社会的生命も失ってしまうのである。
 そればかりではない。パワーズ少佐は、“許可なく、UFO関係情報を一般国民に流す”ことを、すべての米国関係者たちに対して厳禁した『陸海空3軍共同布告第146号』の拘束を受けている立場にあったのだ。にもかかわらず、このような明確で決定的なUFO問題に関する“情報”を、一般家庭向けの大衆雑誌上に公表したのはなぜだったのか。パワーズは、この布告に対する反乱を行なったのだろうか。
 彼1人が発言したのだったら、その可能性もないわけではない。だが、セーガン博士やマクダヴィッド准将などもパワーズ少佐と同様に、この布告によって拘束されており、宇宙技術開発の各現場責任者たる人々が、いっせいに同趣旨の発言をしているのである。
 しかも、同時期に軍の大御所的存在であるマッカーサー将軍が、あからさまな発言──“われわれは……他の惑星 集団からやって来た、いまわしい諸種族との闘争について検討している”という演説を、ところもあろうことに、陸軍士官学校の卒業生たちを前にブチあげたのだ。
 この点から見ても、他の3人の物騒な声明は、個々人が別々に、勝手にやった反乱などではなく、むしろ、しかるべき上司、ないしペンタゴンそのものの暗黙の許可のもとに行なった“合法的”発言であったと推定されるのである。というより、むしろ、ペンタゴン上層部の指示によって行なわれた軍の計画的な、心理作戦・世論操作キャンペーンの、それぞれ一環だったとみなすべきであろう。
 アポロ計画の目的はUFO基地の偵察
 そもそも、アポロ計画の主な目的は、表看板どおりの、天文学的調査などではなかった。“どこか他の惑星集団からやって来た、いまわしい種族”が、地球侵略のために、前進基地として利用している疑いの濃い月面に対する強行偵察という、軍事的なものだったのである。
 15トンのアポロ着陸船を月面に軟着陸させるために、出発重量3000トン、全長110メートルの巨大な3段ロケットが建造され、数百億ドルに達する巨費が注ぎこまれた。これは、人間を月面に立たせようという、はなはだぜいたくな課題を実現しようとした結果だった。
 もし、単なる天文学的な目的──月面から若干の標本を採取し、景観を写真におさめ、太陽風の測定および地質学的調査──を、ただ、学術的角度から行なうだけのことだったのなら、無人自動探査機で代行できるのであり、人間を直接月面に送り込む必要などなかったはずだ。
 同時に、サターンなどという、ばかでかいアポロ宇宙船専用ロケットを、わざわざ特別に開発する必要もなく、できあいの大陸間弾道弾用ロケットで充分ことたりたはずだ。したがって、所要費用は100万分の1もあれば、たっぷりオツリがきたはずである。
 同計画が提唱されたとき、多くの科学者たちが、その非合理性をはっきり指摘して厳しい批判を浴びせ、もっと着実で長期的な展望の上に立った、手堅い探査計画の実施を要求したのは当然のことであった。だがもし、アポロ計画にとって、純自然科学的な探査というふれ込みは、実はカモフラージュであり、本当はUFOの前進基地として使われている可能性がある月面を、強行偵察するというのが主な目標であったとするならば、少なくとも目的合理性だけは、明確に貫かれた現実的な計画だったということになる。
 このような目的のためには、自動探査機より有人宇宙船を送り込むことの方が、はるかに適切な方法だからだ。どのような形態と状況および経過のもとで、地球外知性体との接触、あるいはその痕跡の発見が行なわれるか、まったくわからないという見通しのもとで実行されるこの種の偵察には、文字通り機械的な探索しか実施する能力を持たない、自動探査機はまったく不向きな手段なのだ。
 現在のところ、地球製のあらゆる機械装置は、設計者やオペレーターが、あらかじめプログラム化した課題以外は処理できない。これに対して、人間の脳みそは、はるかに複雑な広い範囲の、しかも、あらかじめ予測されなかったような状況に、柔軟に対応できるし、これらについての、一定の情報を識別、収集し得るのである。送信ないしは記憶することができる能力を持っているのだ。
 アポロ計画は、実は、“衛星捜索計画”という看板のもとに、地球衛星軌道および、その付近の宇宙空間における、知的生物たちの活動状況を探査した、秘密作戦だったのである。
 ペンタゴンは、この真の目的を議会や国民に告げることをしなかった。しかも数百億ドルの出費に対する承認を取りつけるという、大がかりな詐欺を実行するために、またもや国民とその代弁者たる報道関係者の科学技術的無知を、徹底的に利用したのである。加えて、対ソ競争意識や国民的誇りなどという非合理的で泥臭い、盲目的感情をあおりたてた。
 政権維持のためには、たとえ悪魔とでも同盟を結びかねない、大統領病患者ジョン・F・ケネディのマキャベリスティックな政治野心までも充分に利用した。
 国防総省のスポークスマンたちが、議会や報道関係者の前に、おごそかな口ぶりで、まず持ち出したアポロ計画実施の必要性の第1理由は、“月を制するものは、世界を制す”という、バカげた“軍事理論”であった。
 当時、アメリカの雑誌には、月面に設営された基地から、地球上の目標に向かって多数の核弾頭ミサイルが発射される光景の想像図が掲載され、この“理論”を真面目くさって解説する記事が出現した。月面に核ミサイル基地を作って、地球上の別の国を攻撃するという構想は、多少ともロケット工学や軍事科学の素養のある人々にとっては、マンガ的な計画に見えたはずだ。
 1キログラムの荷物を、いったん40万キロメートルかなたの月面にまで運んで、それから再び地球上のある地点に持って帰るためには、輸送手段だけで約1000キログラムの出発重量を必要とする。同じことを目標地点から、4000キロメートル離れた海にもぐった潜水艦から行なえば、出発重量は50分の1以下、費用は1000分の1以下ですみ、しかも命中精度と信頼性ははるかに高くなるのだ。
 さらに、月から発射されたミサイルに対する防御縦深──ミサイルの発射点から、このミサイルの攻撃に対して護るべき地点までの距離──は、潜水艦から発射されたミサイルに対する防御縦深より100倍も大きい。ということは、早期警報がきわめて早い時点で行ない得るばかりでなく、迎撃ミサイルその他の防御手段でこれを捕捉し、破壊もしくは無力化してしまうことがはるかに容易なのである。
 大統領ジョン・F・ケネディの思惑
 ペンタゴンが、アポロ計画の予算を通過させるために繰り返した次の“コマーシャル・ソング”は、学術研究上からの、決定的必要性というデマゴギーであった。これに“宇宙開発における競争で、米国はソ連に差をつけられている”という示唆が加わった。
 最初持ち出された月面ミサイル基地の必要性についての“理論”は、初めのうちは人々の意表をつき、鬼面人を脅すショッキング性のゆえに、無知な議員たちを大いに動かしたものだ。その結果“月に人間を送る”計画に対して、議会がゴー・サインを出すのに重要な役割を演じたのだが、やがて、そのマユツバ性が知れわたってしまう気配を察知したペンタゴンは、後にはもっぱらこの“コマーシャル・ソング”に宣伝の重点を切り換えた。
 学術上の目的から見れば、当面、月に有人宇宙船を送る計画は、ほとんどナンセンスに近い愚行である点については、すでに述べたとおりである。それだからこそ、ソ連はペンタゴンが脅かしたように 、アメリカより先に月面に到着して赤旗を立てるというようなことはしなかった。結局、いまだに有人宇宙船を月に送らず、無人自動探査機しか送っていない。
 彼らは、当時、対米戦略にとって、“月面基地”などという夢物語などより、はるかに現実的意味をもつ有人衛星の開発に力を注いでいたことが、最近明らかとなった。月面到達競争で、アメリカがソ連に“差をつけられる”恐れがあるというペンタゴンの警告は、結果としては1人相撲に終わったのである。
 ペンタゴンがとったアポロ計画のための、このような史上最大の予算詐取の成功に重大なひと役を演じたのは、当時の大統領ジョン・F・ケネディだった。1961年4月、CIAの後押しでキューバ上陸を企てた亡命キューバ人の反革命軍が、わずか72時間でカストロの革命軍に粉砕されてしまった結果、アメリカは大変な政府危機に見舞われた。
 これは、イラン人質救出作戦の失敗が、カーター前大統領の政治的支持層を離反させ、再選を不可能にした事実によっても示されている。負けず嫌いで大国意識過剰なヤンキーたちにとっては、この種の軍事的失敗に対するアレルギー反応はすさまじいものであり、大統領の1人や2人を倒すに充分な危機をもたらすのだ。
 こうした危機を乗り切るために、ワラをもつかむ思いで、有効な対応策を探していたケネディにとって、アポロ計画の推進は人心収攬のために、格好の派手でバカデカイ政治的打ち上げ花火を意味したのである。
 彼が、ペンタゴンの秘密の企図──異星人の前進基地となっている可能性の強い月面を、強行偵察するという真の目的──についてどれくらい理解していたかはわからない。アメリカの実権を握っている官僚上層部は、ことUFO情報に関していうなら、ケネディのみならず歴代大統領をも事実上“ツンボ桟敷”においてきた公算がきわめて大きい。
 かりに、情報の一部を知らされていたとしても、断片的なものである限り、ペンタゴンの企図の深い意味を充分に理解することは、多忙な大統領の地位にある人物にとって不可能だっただろう。
 とにかく、国民をわき立たせ、うるさい報道機関の論点を、キューバの大失敗からはずさせてしまうものであれば、何でもよかったというのが真相だったと思われる。
 かくて、1961年4月、ジョン・F・ケネディは、アポロ計画の達成をアメリカ合衆国の国家目標とすることを宣言し、60年代末までに人間を月面に送り込むことを誓った声明を発表することとなった。
 原子爆弾開発の突撃計画『マンハッタン』を上まわる巨大計画が、こうして実施に移されることとなったのである。





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