投稿者 SP' 日時 2001 年 6 月 16 日 08:05:45:
回答先: A Mystery of UFO Secrecy & Invasion 投稿者 SP' 日時 2001 年 2 月 08 日 11:10:52:
『宇宙人究極の地球侵略計画』(コマンダー・エックス著、南山宏訳、大陸書房、1991)第3章。
中央突破で生々しいデータを得たジョン・リア
ジョン・リアという名前には、だれしも深い感慨を覚えずにはいられない。なにしろ、彼の父ウィリアムは有名な航空機産業のパイオニアで、現在、数多くの国防契約を維持し、何千人もの社員を抱えているリア・エアクラフト社の創立者なのだ。
息子のリアのほうも、航空業界では高く評価されている。というのも、百五十機以上のさまざまな試験機を操縦した経験があり、連邦航空局が発行するあらゆる飛行士免状を持っているからだ。
ほんの二、三年前まで、ジョン・リアはUFOなどにはほとんど、というよりまったく興味を持っていなかった──この問題を深く考えたことなどなかったのである。UFOなんて自分には“無縁”だと思っていた。その後、彼はひょんなことから、UFOがイギリスのウッドブリッジ空軍基地に着陸し、任務中の米軍兵士たちがそれを──小さな生き物どもやら何やらを含めて──目撃した一九八〇年当時その基地に配属されていた友人から、話を聞いた。
リアは興味をひかれてたずねまわりはじめた。すると、以前いっしょに仕事をしたCIA(中央情報局)局員たち──リアにはCIAの作戦で何度もパイロットを勤めた経験があった──の何人かが、政府高官たちはUFOと宇宙からきたエイリアンについて、大衆があたえられているよりはるかに多くの情報を握っていると断言してくれたのだ。
リアが仰天したことに、米軍は外宇宙から来た宇宙船をほんとうに複数所持していた。しかも、なかには部分的に装置が作動する機体まであったのだ。どうやらアメリカは、早くも一九四〇年代末には、そのような地球外の円盤型飛行物体を手に入れていたらしい。第二次世界大戦中にナチが捕獲した墜落円盤の残骸を入手していたのである。その後に開発された恐ろしい“死の兵器”のなかには、この惑星間テクノロジーを応用したものもあるらしい。
さらにリアは、一九四〇年代後半から一九五〇年代前半にかけてアメリカ南西部に墜落した空飛ぶ円盤のうち、かなりの数が政府の手に“落ちた”と確信している。各地の墜落現場には、小柄な人間型生物──EBE──の死体が散らばっていた。少なくとも一人のエイリアンが生きたまま発見された。そしてその生存者は、黒焦げになった仲間といっしょに、悪名高い“第十八格納庫”の所在地、オハイオ州デイトンのライト・パターソン空軍基地に飛行機で運ばれた。
この最終目的地、いわゆる“ブルー・ルーム”には、バリー・ゴールドウォーター上院議員のような有力者ですら立ち入りを許可されていないのだ。
またリアの仮説によれば、政府はエイリアンと秘密協定を結び、高度に進んだ技術データと人間を交換しているのだという。おそらく、誘拐された人間のリストを提出させて、実験台にされたあとも、被害者がいかなる危害も受けないように、政府が監視できるはずだったのだろう。
残念ながら、エイリアンはこの機会に乗じて、万単位の人間を未知の目的のためにさらった。そして彼らの脳に、将来の予定された時点で作動を開始してなんらかの邪悪な“使命”を果たさせる小さな送信機を埋めこんだらしいのだ。
以下に紹介するリアの“概況説明書”が述べているように、エイリアンはネヴァダ州とニューメキシコ州の軍事基地の地下施設を乗っ取っている。そしてそこで一種のフランケンシュタインの怪物──半分エイリアンで半分人間の兵士──からなる軍団をせっせと創っているのだ。軍は何度か反撃を試みたが、そのたびに惨敗を繰り返している。噂では、そうした基地のひとつを“奪還”しようとして、およそ六十五名のCIA局員が撃ち殺されたらしい。
最近の“冷戦”終結ですら、リアの仮説にぴたりと符合する。つまり、ソ連とアメリカの軍隊はひそかに同盟を結んでおり、それまでの対立を水に流して、宇宙からの脅威と戦うために“手を結んだ”らしいのだ。
“スター・ウォーズ計画”も、この地球の支配権をめぐる戦いの一部なのだという。攻撃対象として想定されているのは、ソ連ではなく、近い将来、EBEが地球の完全支配をもくろんだときの円盤軍なのだ。
論敵に対しても味方に対しても、ジョン・リアはさまざまな仮面をつける。リアの仮説はときに与太話としか思えないこともあるだろうが、いったん彼が正直にすべてをさらけ出したのだという考え方に立ってみれば、その主張もまんざら突飛ではないかもしれないと思わせる証拠が、けっこう飛び出してくる。たとえば、軍とコネのあるほかの人たちも、最近、リアの驚くべき物語の一部を裏づける証言をしはじめているのだ。なにはともあれ、地球がエイリアンの侵略にさらされているという、この当惑せざるをえない状況についてのリアの説明に耳を傾けるべきだろう(以下、私とあるのはリアのこと)。
ジョン・リアの仮説と究明
そのときトルーマン大統領が判断を下した
約二十年間、合衆国政府は小柄で灰色の地球外生物と取り引きしてきた。真実を最初に真実だと公言したために、西暦一六〇〇年、哲学者ジョルダーノ・ブルーノは火刑に処せられた。彼につづいて真実を訴えようとしたために、数え切れないほど大勢の人びとが命を落とした。それでも真実は語られねばならない。教会は、地球が太陽のまわりを回っているという事実の抑圧に、二百年以上もの長きにわたって成功しつづけた。だが最後には、宗教、政治、そして思想は大変動に見舞われた。社会的・伝統的価値観がひっくり返ってしまったのである。
これは十九世紀の出来事だ。真実が最初に表明されてからおよそ四百年後のいま、われわれはふたたび衝撃的な真実に直面しなければならない。政府がわれわれの目から四十年以上もひた隠しにしてきた“恐ろしい真実”に。残念ながら、この“恐ろしい真実”は政府が想像していたよりはるかに恐ろしいものだ。民主主義を守っているつもりで、合衆国政府は国民をエイリアンに売り渡してしまった。そして、そのせいで現在のようなありさまになってしまったのである。
だが、説明を始める前に、ひと言、われわれを売り飛ばした人たちを弁護しておきたい。彼らに悪意はなかったのだ。ドイツは、早くも一九三九年に空飛ぶ円盤を回収していたらしい。一九四六年、ジェームズ・H・ドゥーリトル将軍は、スピッツベルゲン諸島に墜落した空飛ぶ円盤を調査するためスウェーデンに飛んだ。この恐ろしい真実を知っているのは、ごく少数の関係者だけだった。
エイリアンはひどく醜い、カマキリに似た小さな化け物で、人類よりおそらく十億年も進んだ生物だった。
最初に“恐ろしい真実”を知った人びとのなかから、自殺者が何人も出た。もっとも有名だったのは、病院の十六階か
ら飛び下り自殺した国防長官ジェームズ・V・フォレスタル将軍だろう。フォレスタル将軍のカルテは、今日にいたるまで封印されている。トルーマン大統領がすばやく秘密に蓋をし、かたく栓をしてしまったので、一般大衆はいまだに、UFOをお笑いぐさだと考えている。その大衆を目覚めさせるのが私の使命なのだ。
一九四七年、トルーマン大統領は、当代きっての軍人と科学者十二人からなるグループを結成した。彼らはMJ─12と呼ばれていた。このグループはいまでも存在しているが、創立メンバーはもうだれも生きていない。最後の一人、元陸軍長官ゴードン・グレイが死亡したのは一九八四年だった。一人欠けるごとに、グループが新メンバーを選任して欠員を補充しつづけているのだ。
どうやら、MJ─12と呼ばれているグループのメンバーは、少なくともあと数人多くなっているフシもある。一九四〇年代後半には、さらに数件の墜落事件があった。現場はニューメキシコ州ロズウェル、ニューメキシコ州アズテック、そしてメキシコとの国境から五十キロほど内側に位置するテキサス州ラレドである。
当時のアメリカの立場を考えてみていただきたい。世界最強の大国という誇りがあったし、原子爆弾を開発したばかりでもあった。この壮挙に追いつくのにソ連は四年を要したし、それも民主主義への裏切り者の助けがあればこそだった。アメリカはまた、音速を超えるジェット機を開発していた。すさまじい破壊力を持つ爆弾を搭載して大陸間を飛行できるジェット爆撃機も完成していた。アメリカの戦後は、そして未来はバラ色に思えた。
パニックを恐れて米政府は隠蔽作戦と“密約”に走った
それでは次に、そのアメリカの指導者たちの胸の内を思い描いていただきたい。彼らはみな、一九三八年にオーソン・ウェルズのラジオ番組『宇宙戦争』が引き起こした騒動を体験していた。火星人による地球侵略の迫真的ドラマを聞いて、大勢のアメリカ市民がパニックにおちいったアメリカ史上有名な事件だ。そんな指導者たちが、ばかでかい目、爬虫類のような肌、鉤爪のような指というおぞましい姿の小さな化け物の死体を実際に目のあたりにしたとき、彼らはどれほど恐怖したことだろう。回収した奇妙な“円盤”の動力源を解明しようとしたら、慣れ親しんだ部品とは似ても似つかぬ部品ばかりだったとき、彼らはどんなに驚いたことだろう。シリンダーもピストンもなければ、真空管もタービンも、油圧アクチュエーターもなかったのだ。
四〇年代末ごろ政府が直面していた圧倒的な無力感をすっかり理解しなければ、指導者たちが水も漏らさぬ大規模な隠蔽作戦を徹底させる気になった理由はわからない。彼らは“破壊工作部隊”を用いることすら辞さなかったのだ。隠蔽作戦は完璧な成功をおさめた。だから一九八五年になっても、カリフォルニア州パサディナのジェット推進研究所の首席科学者アル・ヒブス博士が、巨大な空飛ぶ円盤のビデオを見て、「この(UFO)現象については、もっとずっと多くのデータがそろわないかぎり、論評するつもりはない」と公式に述べるほどだった。ヒブス博士は、裸の王様を見て、「たしかに裸のように見える。だが、だからといって裸だと証明されたわけではない」と言っているようなものだ。
一九五二年七月、ワシントンDC上空に飛来した“空飛ぶ円盤”の大編隊は、パニックにおちいった政府がなすすべもなく見守るなか、ホワイトハウスや国会議事堂や国防総省をかすめて飛び去った。政府はあらゆる機略を尽くし、脅迫してまわって、事件が大衆の記憶から消えるようにしむけた。朝鮮戦争中には数え切れないほど目撃事件が発生し、空軍はさらに数機の円盤を回収した。ライト・パターソン空軍基地に保管されたものもあるし、墜落現場近くの空軍基地に運ばれたものもある。ある円盤などは、あまりにも巨大だったせいで、移送作業がとてつもなく大がかりになってしまうため、墜落現場に埋められて、今日までそのままになっている。
墜落した円盤の長距離移送は、想像を絶する大事業だ。農場をそっくり買いあげ、森を切り開き、幹線ハイウェイを通行止めにし、ときには二、三台の平床トレーラーを縦につないで直径三十メートルもある地球外の荷物を乗せながら、夜間に限って移動するのだ。
一九六四年四月三十日、ニューメキシコ州のホロマン空軍基地で、このエイリアンたちと合衆国政府とのあいだに、最初のコミュニケーションが成立した。三機の円盤が事前に決められた区域に着陸し、エイリアンと合衆国政府の情報将校が会見したのである。
一九六九年から一九七一年の期間に、MJ─12が合衆国政府を代表して、EBE(地球外生物学的存在。命名者はMJ─12の創設メンバーで、ジョンズ・ホプキンズ大学の六代目学長デトリー・ブロンク博士)と呼ばれているこの生き物と協定を結んだ。
“協定”の内容は、エイリアンから“科学技術”を教えてもらう代わりに、誘拐に“目をつぶり”、キャトル・ミューティレーションに関する情報を抑えることに同意する、というものだった。
EBEがMJ─12に請けあったところによれば、誘拐(たいていは二時間で終了する)は、発展途上文明を監視する一手段にすぎないはずだった。ところが実際には、誘拐の真の目的は次のようなものだったのだ。
1 誘拐した人間の鼻腔から脳に、三ミリの球形装置を挿入すること。この装置の目的は、誘拐した人間の生物学的監視、追跡、そしてコントロールである。
2 後催眠暗示をかけて、特定の時期に特定の行動をとるようにさせること。暗示は二年から五年後に効果を現わす。
3 一部の人を殺害して、生きのいい生物的材料源にすること。
4 エイリアンの活動継続に障害となる個人を殺害すること。
5 遺伝学的実験の実施。
6 人間の女性を受胎させ、人工的に早産させて混血の赤ん坊を奪うこと。
エイリアンはなぜ人間の犠牲を必要とするのか
最初のうち、合衆国政府は“協定”が由々しい結果をもたらすことに気づいていなかった。指導者たちは、誘拐が基本的に善意に基づくものだと信じさせられていたし、同意しようがしまいが誘拐はつづけられるだろうと考えたので、最新の被誘拐者名簿をMJ─12と国家安全保障会議へ定期的に提出するよう要請するだけにとどめたのだ。
信じられないとお思いだろうか? 実際に被誘拐者名簿が国家安全保障会議に提出されたのだろうか? ぜひこのまま読み進んでいただきたい。なぜなら、みなさんをびっくりさせる情報があるからだ。
遺伝子異常のため、EBEたちの消化器官は退化してうまく機能しなくなっている。なんらかの事故または核戦争に巻きこまれたのか、それとも種として進化の下り坂にかかっているのだろうという説もある。いずれにしろ、自分たちの生命を維持するために、彼らは人間と動物
から摘出した組織を精製して得られる酵素やホルモン分泌物を用いるのだ(注:牛と人間は遺伝的によく似ている。全国的な災害が発生したときには、牛の血液を人間に輸血することもできるほどである)。
得られた分泌物は過酸化水素と混合し、肌に塗ったり、溶液に体の各部を浸したりして用いる。体は皮膚を通じて溶液を吸収し、老廃物を排出するという仕組みである。キャトル・ミューティレーションは一九七三年から一九八三年にかけて多発した。新聞がそれを報道し、雑誌が特集を組み、さらにはプロデューサーで研究家のリンダ・ハウが、デンヴァーのCBS系列局KMGHテレビのためにドキュメンタリー『不思議な収穫』を制作した。
エイリアンにとって、キャトル・ミューティレーションは生体組織を収集するための手段なのだ。ミューティレーションに遭った牛は、生殖器をくりぬかれ、直腸を結腸から切除され、目、舌、喉を非常な正確さで摘出されていた。細胞と細胞の境界を切開されていた例まである。そんなことは、現在の医療技術水準では不可能である。多くのミューティレーションで、死体からすっかり血がなくなっていたというのに、内臓の血管虚脱は認められなかったのだ。
この特徴は、ヒューマン・ミューティレーションでも観察されている。もっとも初期の事件の一つ、一九五六年にホワイトサンズ・ミサイル試射場で犠牲者となったジョナサン・P・ルーエット軍曹は、落下したミサイルの残骸を捜索中、〇三〇〇時に円盤型物体に誘拐されるところをある空軍少佐に目撃され、その三日後、死体で発見された。ルーエット軍曹は生殖器を切除され、直腸を外科的な正確さで“すっぱり”と結腸から切り取られ、目をえぐりだされ、血をすっかり抜かれていたにもかかわらず、またしても血管虚脱症状は起こしていなかったのである。
証拠からすると、どうやらこの手術は、ほとんどのケースで、犠牲になる動物や人間がまだ生きているうちにおこなわれるらしい。体のさまざまな部分は、各地の地下研究所に運ばれる。場所がわかっているのは、ニューメキシコ州の小さな町ダルシーの近くにある研究所である。この共同使用(CIAとエイリアンの)されている施設は、“永遠につづく”かのような長大なタイル張りの壁に囲まれた、すこぶる巨大なものらしい。
証人によると、琥珀色の液体が満たされた特大の水槽があって、そのなかで人間の死体の各部分がゆらゆら揺れていたという。
最初の合意のあと、アメリカでもっとも極秘の実験場の一つであるグルーム・レークが、およそ一年間、一九七二年から一九七四年にかけて閉鎖された。そしてEBEの協力によってEBEのための巨大地下施設が建設されたのだ。“取り引き条件”になっていたテクノロジーは備えつけられたが、それを操作できるのはEBEだけだった。言うまでもなく、危急の際でも、その進んだ科学技術がEBE自身に危害をおよぼすことがないようになっていた。
一九七九年から一九八三年までのあいだに、事態が当初考えていたのとは違っていることが、MJ─12にもしだいにわかってきた。公式の誘拐名簿に記載されているよりずっと多くの人びと(千人単位)が誘拐されている事実が判明したのだ。さらに、アメリカ国内で行方不明になっている子供たちの一部、全部ではないにしろその一部が、エイリアンが必要とする分泌物やそのほかの器官の材料にされていることも明らかになった。
一九七九年、ダルシー研究所でなんらかの争いが発生した。特殊部隊が呼び寄せられ、研究所に捕らわれていた人たちを解放しようとした。監禁されていたのは真相に気づいた人びとだった。ある情報源によれば、六十六名の兵士が死亡したが、捕虜は解放できなかったという。一九八四年ごろには、EBEと協定を結んだのは間違いだったと気づいて、MJ─12は恐怖におののいたにちがいない。
それまでMJ─12はSF映画『未知との遭遇』と『E.T.』を使って、エイリアンは“おかしな姿”はしているが、情け深く善意に満ちた、まさに“宇宙の兄弟”なのだと大衆に思いこませる巧妙な宣伝活動をおこなっていた。MJ─12はいわばEBEを大衆に“売りこんだ”のだが、いまやその正反対の事実に直面したのだ。このほかにも、一九六八年、向こう二十年でエイリアンが地球にいることを大衆に知らせる計画が作成され、一九八五年から八七年に数本のドキュメンタリーが放送される手はずになっていた。
そのドキュメンタリーでは、EBEの歴史と意図が説明されるはずだった。ところが“大謀略”の発覚によって、MJ─12の計画も希望も夢も、すべてが完全な混乱とパニックに一変した。“カントリークラブ”で開かれた会議では、今後の方針をめぐって内輪もめまで起きたのである。そこはMJ─12のメンバーのためだけに建設された人里離れた山荘で、専用ゴルフコース、居心地のよい寝室や執務室、さらに専用の滑走路まで完備している。
MJ─12の一部は、陰謀の全貌と現在の窮状を洗いざらい大衆の前にさらけだし、許しを乞い、協力を求めようと主張した。残り(多数派)のMJ─12は、そんなことは不可能だと反論した。現状が手づまりである以上、“恐るべき真実”を明かして大衆を動揺させてもなんの益もない、むしろSDI(戦略防衛構想)という名目で、EBEに対抗できる兵器の開発をつづけるのが最善の策だというのである。SDIすなわち“スター・ウォーズ計画”は、じつのところ、ソ連の核ミサイルに対する防衛とはまったく無関係なのだ。
割れてきたMJ─12の実体と極秘プロジェクト
本稿を執筆している時点で、“水爆の父”エドワード・テラー博士は、みずからネヴァダ実験場のテスト用トンネルに入って、作業員や同僚を、ある人によれば「何かにとり憑かれたよう」に駆りたてている。それももっともだ。なにしろテラー博士は、何人か実例をあげるならキッシンジャー博士、ボビー・インマン提督、それにおそらくポインデクスター提督などと並んで、MJ─12の現役メンバーなのだから。“大謀略”が発覚する以前には、大衆に少しずつ情報を漏らすという周到な計画に基づいて、数本のドキュメンタリーとビデオテープが製作されていたのだが。
カリフォルニア州バーバンクを本拠とするUFO研究家で、墜落したUFOならびにエイリアンの死体四体の回収、そしてその後の隠蔽工作を詳述した一九八〇年出版の『ロズウェルUFO回収事件』(邦訳・二見書房刊)の著者ウィリアム・ムーアは、二人の記者がMJ─12に関わりのある軍の将校にインタビューしている様子が記録されたビデオテープを所持している。その将校は質問に答えて、MJ─12の歴史と隠蔽工作、多数の空飛ぶ円盤の回収、エイリアン生存者の存在(捕らえられてEBE─1、EBE─2、EBE─3と呼称もしくは命名
された三人の一人)などについて語っている。このエイリアンたちは、ニューメキシコ州ロスアラモスにあるYY─IIと呼ばれている施設に、現在も拘禁されているらしい。電磁的な保安設備が設けられているこの種の施設は、ほかにはあと一カ所、カリフォルニア州モハーヴェのエドワーズ空軍基地にあるだけだ。
この将校は、前述した名前に加えて、そのほか数人の名前を明かしている。ハロルド・ブラウン、リチャード・ヘルムズ、ヴァーノン・ウォルターズ将軍、ジェット推進研究所のルー・アレン博士とシオドア・フォン・カーマン博士などが、現在および過去のMJ─12メンバーに含まれているというのである。またこの将校は、キリストを創造したのは自分たちだとEBEが主張していることにも触れている。
EBEたちは地球の全歴史をおさめたある種の記録装置を持っていて、ホログラムの形でその内容を表示できるという。そのホログラムを撮影することは可能だが、ホログラムの性質上、映画フィルムやビデオテープにはそれほど鮮明に写らない。オリーブ山上のキリストの磔刑の様子もフィルムにおさめられ、大衆に公開されることになっていたらしい。
自分たちがキリストを創造したのだというEBEの主張は、“大謀略”を考えに入れると、なんらかの理由で伝統的価値観を破壊したいからかもしれない。もう一本あるというテープの内容は、一人のEBEとのインタビューである。EBEはテレパシーで会話するので、空軍大佐が通訳をつとめている。
先頃、一九八七年十月に起きた株価大暴落の直前、ウィリアム・ムーアを含む数人の新聞記者がワシントンDCに招かれた。同様なインタビューでEBEをじかに撮影させ、その写真を大衆に公開させるのが政府の目的だった。ところがどうやら、株式市場の大暴落のため、タイミングが悪いということになったらしい。いずれにしろ、地球外生物の存在をそのような方法で一般に知らせるというのも奇妙な話だが、この時点ですっかり周章狼狽し、パニックにおちいっていた組織の行動だと考えれば納得できる。
ムーアはまた、数年前に数ページ分が明らかになった“アクエリアス文書”の残りも所持している。これはごく最近までNSA(国家安全保障局)が存在を否定していたこの超極秘プロジェクトについて詳細に記されている文書だ。ジョン・グレン上院議員に宛てた手紙の中で、NSA政策局長ジュリア・B・ウェトセルは次のように書いている。
「UFOを対象とするその名称(アクエリアス)のプロジェクトが空軍にもあった、あるいは現在でもあるようです。偶然の一致ですが、NSAのプロジェクト名と同じなのです」
NSAのプロジェクト・アクエリアスの目的は、厳密に言えば“エイリアン(EBE)とのコミュニケーション”である。アクエリアス計画には、プロジェクト・スノーバードも含まれている。これはネヴァダ州グルーム・レークで、回収したエイリアン宇宙機の試験飛行をしようという計画だ。この計画はいまも同じ場所でつづけられている。
グルーム・レークで働いているある人物によれば、「俺たちは、物を組み立てるより、分解するほうがずっと得意なんだ」そうである。MJ─12とコネがあると主張するムーアは、自分はMJ─12にだまされていたのではないかと疑っているらしい。MJ─12は彼にわざと文書を流してヒントをあたえ、一九八七年末まで地球外生物に関する情報の一部を公にさせてきたというのだ。だがムーアの主張には、彼自身MJ─12のために働いている政府の諜報部員なのではないかと疑わざるを得ない部分がある。だまされているのではなく、もう少しで真実を手に入れられるだろうと期待するUFO研究家たちをだましているのではないだろうか?
理由は、以下のとおりいくつかある。
1 ムーアは自分は政府の諜報員ではないと断言している。だが、リー・グラハム(カリフォルニア南部を本拠とするUFO研究家)がムーアから提供された機密文書を所持しているかどでDIS(国防調査局)に捜査されたのに、ムーアはされなかった。
2 一九七三〜八三年のキャトル・ミューティレーションは、リンダ・ハウ(『不思議な収穫』のプロデューサー)による宣伝目的のでっちあげだったとムーアは断言する。でっちあげの根拠として、ムーアは『無言の証拠』という本をあげる。同書は政府のバックアップで書かれた、ミューティレーションを既知の科学知識で説明する本である。
3 もっとも頻繁に目撃される四種類のエイリアン(EBEを含む)が説明されている空軍士官学校の物理学教科書『宇宙科学入門』の第二巻十三章「未確認飛行物体」を執筆した空軍軍人エドワード・R・セリオマス中佐とドナルド・B・カーペンター少佐は、エイリアンについて何も知らず、“常軌を逸した”たわごとを記しているだけだ、とムーアが批判していること。ムーアによれば、この教科書はその章を削除するために回収されたという。
ヴァージニア州ウィスヴィルで十月と十一月に起きた目撃事件などの圧倒的な証拠、それに『夜襲』(J・アレン・ハイネック、フィリップ・J・インブログノ、ボブ・プラット共著、バランタイン・ブックス。日本では未訳)のような最近出版された本のせいで、エイリアンが地球にいることは認めざるをえないともしも政府が考えているなら、そして“大謀略”とEBEの明らかな悪意を考えに入れるなら、MJ─12にとっては、たとえEBEの存在は認めても、ミューティレーションと誘拐についての情報は抑えておくほうが好都合だろう。
もしMJ─12とムーアのあいだになんらかの合意があるなら、ムーアにとってもMJ─12の方針にそって行動するほうが有利なはずだ。たとえば、MJ─12はこう言う……「この文書はまずまちがいなく本物だ……だが、忘れてはいけない……ミューティレーションだの誘拐だのは存在しないのだ」
このような方針は、地球外生物の存在は認めるが地球外生物についての真実は否定するムーアの主張の裏づけになるから、彼にとって好都合だ。だが、もしムーアがほんとうにMJ─12のために働いているのなら、いずれにしろ彼はこの方針に従うだろう……そして、地球外生物は認めても、ミューティレーションと誘拐については一笑に付すわけだ。
だれもが知らぬ振りを装うのはなぜか?
読者は疑問に思うだろう。「どうしてだれもそんな話をしないんだ?」と。だれがすると思う? ダン・ラザー、トム・ブロコウ、サム・ドナルドソンといった有名なニュースキャスター連中はどうだ? だめ。彼らはニュースを読みあげるだけだ。ニュースを探りあてるわけではない。彼らには、電話して目撃者から話を聞き、(APやUPIから)配信されてきた事件報道を確認してくれる女性スタッフがついている。ダン・ラザーは、わざわざヴァージニア州ウィスヴィルまで出向いて、なぜ一九八七年十月と十一月に四千件もの目撃事件が報告されたのか探ったりはしない。トム・ブロコウでもだれでもいい、この種の話をして信用を落としてくれたらいいのに、とは思うだろうが。トム・ブロコウ自身は? トムはトムでサム・ドナルドソンに信用を落とす危険を冒してもらいたがるのだ。だがけっしてだれも、そのような常識はずれのネタに命を賭けたりはしない。たとえどれほどたくさんの人たちが、三百メートルの物体を目撃して道路から車を飛び出させても。
ウィスヴィルの目撃事件では、サイドにNASA(米航空宇宙局)のロゴをつけた何十台ものヴァンにも、記者たちは関心を示さなかった。そして問い合わせた記者には、NASAは気象調査をしているのだという答えが返ってきた。それなら、と読者は疑問に思うだろう。科学者はどうなんだ? カール・セーガンや、アイザック・アシモフや、アーサー・C・クラークは? 彼らは気づいていないのだろうか? もしカール・セーガンが知っているなら、“地球外知的生物を探す”ことを目的とする組織、宇宙旅行協会の会員を裏切って大陰謀に加担していることになる。
合衆国政府が毎年何百万ドルもの予算をドブに捨てているもうひとつの茶番は、プエルトリコのアレシボにある電波望遠鏡だ。運営しているのはコーネル大学。そしてそこには──なんと──カール・セーガンが所属しているのだ。コーネル大学は表向き、外宇宙からの信号を、異星人が存在する可能性を示す徴候を探し求めていることになっている。セーガンのようなそれなりに知的な天文学者たちがこれほど愚かになれるとは、ちょっと信じられない。
アイザック・アシモフは? 文句なしに世界一多作なこのSF作家は、広範囲な隠蔽工作の存在を、すでに察しているのではないだろうか? そうかもしれないが、たとえ知っていても、彼はなにも発言しない。自作の『ファウンデーション』や『ファウンデーションと帝国』があまりにも的はずれになってしまうのを恐れているのかもしれない。
アーサー・C・クラークは? NASAと緊密なつながりのある、文句なしにもっとも科学的に正確なこのSF作家は、実際には何が起こっているかを、少なくともうすうす感づいているはずだ。そうだとしても、彼もやはり本心を語ってはいない。最近のSFアンケートで、地球外知的生物とのコンタクトは二十一世紀まで起きないだろう、とクラークは答えているのだ。政府が国民に真実を告げようとしなければ、三大テレビ・ネットワークが真剣に考えようとしなければ、いったいどうして全体の構図がつかめるだろうか。
何十万人(ひょっとしたら全世界では何百万人)もの人間を誘拐し、数え切れないほど(いくつか実例をあげるなら、ネヴァダ州グルーム・レーク、ニューメキシコ州サンスポット、デーティル、ロズウェル、パイン・タウンなど)の地下秘密基地を建設したEBEは、いずことも知れない母星に帰る準備をしているのだろうか? それとも、あからさまな準備が示しているとおり、大攻勢に出ようとしているのだろうか? それどころか、もっと救いがなく、もっとも可能性が高い状況、つまり侵略は事実上すでに成功してしまっており、あとは阿鼻叫喚が待っているだけなのだろうか?
地球の資源と恵みを狙って巧みに仕組まれた侵略は、光線銃で武装した無数のエイリアンの着陸から始まったりはしないだろう。人類より何千年も、いやおそらく何十万年も進んだ文明によって考えぬかれ、実行される侵略は、ほんのひと握りの人びと(たとえば十二人?)ですら真相に気がつかないうちに完了してしまっているだろう。騒動も混乱もなしに。私が読者にあたえられる最高の助言はこうだ。今度あなたが空飛ぶ円盤を目撃して、これ見よがしのテクノロジーと燦然たる輝きに圧倒されたら──死に物狂いで逃げなさい!
リア氏の洞察の信憑性
“スター・ウォーズ計画”も本当の目標はEBEにある
要するにリア氏は、EBE(地球外生物学的存在)による“地球侵略”に関わる“恐るべき真実”を、合衆国政府は四十年以上ものあいだ大衆から隠しつづけている、と主張しているのである。彼の断言によれば、合衆国政府は“およそ二十年にわたって小柄な灰色の地球外生物と取り引きをしている”、つまり高度の科学技術と引き換えにするため、そして民主主義を守るために、MJ─12はわれわれをエイリアンに“売った”のだ。また彼の主張によると、政府は人間/牛の誘拐とミューティレーションに目をつぶることに同意した。だが、MJ─12がこうした活動の邪悪きわまりない目的をすっかりさとったのは、一九八四年ごろになってからだったというのである。
第三世界でならだれにも気づかれずにこっそり活動をつづけられるのに、どうしてEBEは世界最強の国家と取り引きしたのか、またそれほど進んだ強力なエイリアンが、そもそもなぜ活動をつづけるために人類の“合意”を欲しがったり必要としたりするのか、その理由(複数の理由があるかもしれない)については説明しないまま、リア氏は、誘拐の目的は以下のとおりだと主張するのだ。
@誘拐した人間の鼻腔から脳に三ミリの球形装置を挿入すること。この装置の目的は、誘拐した人間の生物学的監視、追跡、そしてコントロールである。A後催眠暗示をかけて、特定の時期に特定の行動をとるようにさせること。暗示は二年から五年後に効果をあらわす。B一部の人間を殺害して、生きのいい生物的材料源にすること。Cエイリアンの活動継続に障害となる個人を殺害すること。D遺伝学的実験の実施。E人間の女性を受胎させ、人工的に早産させて、混血の赤ん坊を奪うこと。
彼は四〇年代、五〇年代のUFO研究史を引用して、政府は多くの墜落UFOと少なくとも三人のエイリアン生存者を回収し、隠していると主張している。だが、それほど強力な敵が、人類に墜落した円盤を保有させ、研究させ、ひょっとしたら複製まで許し、エイリアンを捕らえたままにさせておくだろうか? あっさり奪還してしまうのではないだろうか?
消化器官の退化に苦しんでいるEBEは、生命を維持するために、おぞましいミューティレーションによって集めた牛や人間の組織から抽出した酵素/ホルモン分泌液を原料とする溶液を、皮膚を通して吸収しなければならないという。そのようにして入手したさまざまな生体器官は、アメリカ南西部に点在するエイリアンとCIA共同管理の秘密研究所に運ばれて処理されるらしい。
リア氏の主張によれば、(EBEの歴史と意図を含む)UFO情報を一九八七〜八八年までに二十
年がかりで大衆に明かす計画は、“恐るべき真実”が明らかになったため急拠中止されたという。実際、カーター政権の一年目(一九七七年)、ウォルター・クロンカイトがキャスターをつとめる〈CBSイブニング・ニュース〉や〈USニューズ・アンド・ワールド・リポート〉誌を含むさまざまなマスコミは、政府が年末までに“驚くべき”性格のUFO情報を公開するだろうと報じた。だが、情報は公開されなかった。
リア氏の主張によれば、“スター・ウォーズ計画”はじつのところEBEに対する防衛構想であって、ソ連の核ミサイルに対するものではないという。だが、なぜEBEが、自分たちにとって脅威となる戦略防衛構想の研究を妨害しないのかについては説明していない。
電子伝言板で明かされたリア氏の持論と本音
次に紹介するのは、リアと〈全国周辺科学ブレティン・ボード〉(コンピュータ・ネットワーク上の電子伝言板)とのやりとりをそのまま書き写したものである。
質問 いまあなたは、ほかにも七十の種族が地球とコンタクトしている……そのうち四種族は確実だ、とおっしゃいました……政府はこうしたエイリアンの存在に気づいているのでしょうか?
リア 気がついてます。私が述べる種族は、合衆国空軍士官学校の物理学教科書『宇宙科学入門』に列挙されています。その第十三章の八ページ目には、もっとも頻繁に目撃される種族があげられているのです。その種族がEBEであり、また“金髪族”(北方人種族とも呼ばれるが)です。ブロンド族は人間そっくりですが、全員が金髪で青い目です。母星は判明していませんが、ときたま誘拐するのを別にすれば、人間とは関わりあいません。
また、外見は人間に似ていますが、身長が約二・一メートルあり、おもな特徴として目と目のあいだが人間よりいくらか離れている種族がいます。もう一種族、身長一・二メートルで非常に毛深く、体の大きさからは考えられないくらい力が強い種族もあげられています。この二種族の母星もわかっていません。
以上のすべては前述の箇所に記載されていたのですが、空軍は七〇年代初めに教科書からその部分を削除してしまいました。ですが、オリジナルの教科書を所持している人が何人もいます。母星がはっきり判明しているのはEBEだけです。その母星とは南半球だけで見ることのできる連星系のレティクル座ゼータ1&2で、スペクトル分類はG2、地球からの距離は三十八光年です。地球に来るのに彼らが使った航法は、アインシュタイン=ローゼン橋仮説(宇宙の虫食い穴)を応用したものかもしれません。
こうした事実がわかったのは、七〇年代初めのUFO研究家マージョリー・フィッシュの研究のおかげです。これについては、〈アストロノミー・マガジン〉一九七四年十二月号にすぐれた記事が掲載されています。この記事は一九七六年にも、カール・セーガンやボブ・シェイファーらによるコメントや反論や再反論付きで同誌に再録されました。
質問 あなたがおっしゃった地球外生物の特徴が述べられている文章を、二十五年ほど前に読んだ記憶があります。それにジョージ・アダムスキーの本にも、金髪のエイリアンが登場していましたね。名ジャーナリスト、ジョン・G・フラーのUFOドキュメンタリー『宇宙誘拐』(邦訳・角川文庫)の中では、被害者のベティ・ヒルが催眠状態で、誘拐された人間がさまざまな手段で体をいじりまわされる様子を明らかにしています。それから、たしかレティクル座ゼータ事件に関する研究論文の中で、まるでコンピュータで作成したような、ほかの星々との相対関係をあらわしているゼータ星系の立体モデルを、どこかの女性が復元していました。
しかし、地球への来訪と人類との接触、その両方かまたは片方をほかの種族もおこなっているのなら、彼らはEBEが政府につきつけた“協定”をなんとも思っていないのだろうか、という疑問が非常に重大だと思うのですが。
リア にわかには信じられない話かもしれませんが、政府部内の情報源から得た情報によれば、ブロンド族は不干渉という宇宙の法則を遵守していて、たとえEBEが人類のためにならない行動に出ても、それが宇宙のほかの地域に影響をおよぼさないかぎり、彼ら、つまりブロンド族はいっさい手出ししないつもりらしいのです。
アダムスキーに話を戻しましょう。彼はペテン師というレッテルを貼られています。しかし、何ごとも単純に白か黒かに割り切ることは不可能です。彼の主張の一部は真実なのです。といっても、どこが真実かを見きわめるのは困難です。ブロンド族は金星または火星からやってきた、と彼は主張しましたが、これはとうてい真実とは思えません。星系の地図に関していえば、ベティ・ヒルが催眠状態で描いたのは平面地図です。それをマージョリー・フィッシュが立体化したのです。
質問 EBEの一斉蜂起に備えて、政府はどんな計画を立てているのか、もし立てていればですが、その点を知りたい……それとも、科学技術の差が大きすぎて、そんな努力をしても無駄なのでしょうか?
リア 人類はすでに敗北した、と私は理解しています。だからこそ、MJ─12がこんなにあわてふためいているのです。彼らは、大衆に情報をあたえるための巧妙な計画を数多く立案していましたが、一九八四年ごろにEBE側の謀略がはっきりしたとき、そのすべてをご破算にしたのです。ちょっとベティ・ヒルに話を戻しましょう……彼女は催眠状態で、妊娠テストされたことを思い出しました……針を腹部に挿入されたのです。彼女の記憶では、こんな妊娠テストは地球にはないと言われたそうです(一九六二年の当時は)。
一九七二年か七三年ごろに開発された羊水穿刺は、これとまったく同じようにしておこなわれます。一九八六年、イギリスの医師がある女性に羊水穿刺をおこなって、羊水を顕微鏡で調べました。医師は小片を見つけて、拡大しはじめました。倍率を充分にあげた彼の目に飛びこんできたのは、染色体のひとつに取りつけられたコンピュータ・チップのような物体でした。この医者は六人の同僚と共同で、そのチップの写真を添えて、イギリスの権威ある科学雑誌〈ネイチャー〉に公開質問状を送りました。そして医者か科学者のなかに、彼らが見たものを説明できる者はいないだろうかと問い合わせたのです。
質問 最近、中距離核戦力制限交渉の席で、ゴルバチョフは従来の主張をくつがえして、ソ連も戦略防衛構想に取り組んでいると述べました……米ソのSDIには関連があるのでしょうか。そして、もし人類が敗
北したのなら、なぜこのような試みが進行しているのでしょうか?
リア 残念ながら私にもわかりません。しかし、最近、ミサイル試射場からいくつかの噂が流れ出てきています。そのひとつによれば、今年おこなわれた試射はどれも、地下に巨大な空間を作るためだったというのです。ミサイルは非常にクリーンで、すべてが鎮まると、たちまち彼らがやってきて、壁や天井や床を備えつけて、何層もある施設を作ってしまうのだそうです。
質問 原形質の合成という医療技術に関して、EBEは人類よりはるかに進んでいるはずだ、と何人かの評論家は強調しています。また、われわれの文明との技術水準の差を考えれば、彼らが自分たちの企てに地球人類の協力を求めるのは、チンパンジーに助けを求めるようなものです……これは私の譬えですが……この点に関してはいかがでしょう?
リア そういう疑問がわくのも当然だし、示唆に富んだ指摘だと思います。私にわかっていることはすべて述べました。人類よりほとんど十億年も古い種族が、何かをする理由、しない理由を推測するのは非常に困難です。これは逃げ口上ではありません……私にはわからないし、あてずっぽうは言いたくないのです。
“事情通”から(それもほんの数週間前に)得た情報によれば、状況は“悲観的”なようです。
ロズウェルの墜落事件は、合衆国では初めて空飛ぶ円盤を回収した事件です。研究家ムーアは九十人もの重要な証人を探しあてました。現場はニューメキシコ州コロナ付近でした。そして数カ月前、私はこの墜落現場近くの農場に住むプロクター夫人にインタビューしました。当時、四体の死体が回収されたそうです。それに、主要証人のマック・ブレーゼルが残骸の一部を小屋に持ち帰るのを手伝った人たちの一人が、いまも生きています。当時、エイリアンが彼とブレーゼルに近づいてきて(信じがたい話かもしれませんが、この男はまもなく公に証言するはずです)、二人にこのことはだれにも言ってはいけないと命じました。この回収に直接関係した人たちのうち、いまも存命中なのはこの人物だけです。
最後に死亡した関係者は、現場におもむいて残骸の回収を手伝ったロズウェル基地の情報将校ジェシー・マーセル少佐です。亡くなる数年前、マーセル少佐は公の場で、墜落したのは気象観測気球でもレーダー反射器でも飛行機でもなかったと証言しました。何々だったとは述べませんでしたが、地球のものではなかったと断言しました。私は、彼が残骸の回収について記憶を語ったときのカセットテープのコピーを所持しています。
質問 もちろん、あなたが持っている情報はどれも役に立つでしょう……でも、あなた自身にとってはどうです? なぜ、いま公然と語りはじめたのですか、それもあなた自身が注目されるような形で……現在すでにかもしている、あるいはこれからかもす物議に対処するために、政府がなんらかの行動に出るのではないかと心配しないのですか?
リア たしかに、五年前ならそうだったでしょう。こんなことを言ったら、とても無事ではすまなかったはずです。しかし、いまでは何もかもがめちゃくちゃになっているので、一人が……そう、五十人や百人に語りかけてもなんの違いもなくなっているのです。それに、何かが起こるとしたら、数週間前に起こっているはずです。ジェット推進研究所の所長でMJ─12のメンバーであるルー・アレン博士に手紙を書いて、とりわけJPLが南カリフォルニアで八千人以上を雇用している事実を重く見て、博士がMJ─12の一員なのを暴露すると通告したからです。その手紙には、私の仮説のコピーも同封しておきました。
アレン博士は、どんな手紙にもすぐ返事を書くので有名な人だそうです。ですが私には、なんの連絡もありません。「ジョン・リア、君は狂ってる」という返事すらね。博士は十二月十八日付でロサンゼルスのマックス・フィーブルマンに手紙を書きました。マックスはハドソン・ヴァレーでUFOを撮影したビデオを博士に送って、ぜひ見てほしいと頼んだのです。アレン博士の返事は、いちおう見させてもらったが、それ以上の分析をするひまはないし、見たところ飛行船のようだ、というものでした。博士はマックスに、メリー・クリスマスとも言っています。いやはや……これでも世界的に有名な科学者なのでしょうか? あのハドソン・ヴァレーのUFOビデオにさえ関心を示さないなんて? どうしようもありません。
これから一年以内、たぶん半年以内、ひょっとしたらもっと早く、政府からなんらかの声明が発表されるだろう、と私は確信しています……私が得ている情報から推測できるのは、それだけです。