投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 12 日 22:01:37:
【エルサレム12日海保真人】
パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラで12日、イスラエル軍の兵士4人がパレスチナ人群衆にリンチされ、2人が死亡した。中東を訪問中のアナン国連事務総長はこれに先立ち、イスラエルとパレスチナが、米国を交えた治安当局者協議を同日中にも開くことで合意に達したと発表、議長役のテネット米中央情報局(CIA)長官も現地入りしたが、開催は微妙になっている。事態は再び泥沼化の方向へ向かっている。
現地報道によると、私服姿の軍特殊部隊員4人が近郊でパレスチナ警官に拘束され、ラマラのパレスチナ警察署に連行されたところ、興奮した若者ら数百人がなだれ込み、リンチを加えた。兵士1人は窓から屋外に投げ出された。リンチを受けて死亡した兵士が、焼かれたとの情報もある。
一方、ニューヨークの国連本部で発表された声明によると、アナン事務総長は3者協議開催に「騒動を停止し、和平プロセス再開へ導くための重要な一歩になる」と期待を寄せていた。12日未明の段階では、バラク・イスラエル首相とアラファト・パレスチナ自治政府議長も協議開催に合意していたという。
しかし、兵士2人が殺害されたことで、イスラエルとパレスチナの衝突が再燃する恐れが出始め、イスラエル側が治安を強化する可能性が強まっている。双方の治安当局者同士の確執が深まることも予想され、予断を許さない情勢になっている。
[毎日新聞10月12日] ( 2000-10-12-20:52 )