投稿者 IT趣味者同盟革命的茶会派 日時 2000 年 10 月 09 日 14:05:43:
回答先: IT革命論は搾取と投機の張りぼて 投稿者 IT趣味者同盟革命評議会葬送笛墓慰派 日時 2000 年 10 月 08 日 15:28:14:
IT革命カルト狂団の教義は、「現在のアメリカ経済は創造的破壊により成功している」という前提と、「日本的経営モデルよりアングロサクソン的経営モデルの方が優れている」というどちらもお目出度いアメリカ礼賛の前提があるようです。
今のアメリカのバブル経済があれで成功していると言うのなら、日本のバブルは大成功であったと言えそうですし、日本のバブルが土地価格上昇で成立していたのに対しアメリカのバブルは株上昇の夢で成立しているとも思えます。
そして、日本の土地価格の上昇が需要に基づいて始まり、都心に未使用の土地が圧倒的に少ないという市場の実状を反映する面が初期には見られたのに対し、アメリカの株バブルは最初から投機家の煽りに純情で単純な国民が乗せられて始った芝居がかったバブルであると言えるでしょう。
従って現在のアメリカ経済が成功しているとは言い難いし、それが創造的破壊によるという説も疑わしいと思われます。
次に経営モデルの優劣論を検討して見ましょう。
アジア経済が投機家の経済攻撃に敗れるまでの情勢を思い出していただきたいと思います。当時はアジア諸国の経済が発展し、特に様々な「ものづくり」をベースに韓国と台湾の躍進が目立ったものです。そして、この両国に共通しているのは日本の隣国であり、一時的に日本の旧植民地であったという点です。
もし、投機家による金融アヘン戦争が起きなかったなら、アジア経済は足踏みする事はなく、現在のアメリカの好景気もなかったかもしれません。つまり、金融投機による侵略に対抗する金融軍事力は弱かったものの、ものづくりの経営という点では劣っていたわけではないのです。
ここで、昔の植民地支配の構図で各国の経済性と安定性を見てみましょう。
現在、政治と経済がそこそこ安定している国は旧イギリス植民地で、かつ原住民の抹殺隔離政策を実施したアメリカ、カナダ、オーストラリア、そしておまけでニュージーランドといったエシェロン参加国、アングロサクソンの国です。これに対し、旧フランス植民地や旧スペイン植民地などのラテン系は陽気な性格が災いしたのかどちらかというと混乱したり腐敗している例が多いのです。
こうして見ると、ラテン系が侵略や略奪をして一時は大きな植民地を支配していたにも関わらず、現在では脳天気な明るい民族性が強くなってしまっているようなのに対し、アングロサクソン国家は依然としてアグレッシブな性格を保ちつつ軍事面でも経済金融でも世界侵略を続けていると言えそうです。
日本的経営やその基盤となる日本的精神性がアングロサクソン、特にアメリカ的なものに劣るというアメリカ側の主張は果たして本当でしょうか?
私にはそうは思えません。それどころか、自動車や電気、電子機器の製造で日本的経営がアメリカ的経営よりも安くて品質の良い製品を消費者に提供すると同時に社員の扱いでも遥かに人間的であった(アメリカ企業に比べればの話です)のは明らかですし、日本に近い韓国や台湾にもアメリカなどは全くかなわなかったのです。
そして、日本的経営を学ばねばならなくなったコンプレックスから自分達の方が優れていると主張しているように見えます。
だからこそ、IT革命カルトの宣教師が「ものづくり」の視点を嫌うのでしょう。
ここで注意しなければならないのは、幾ら日本的経営がアメリカなどに比べればマシであったとしても、もっとマシな形態は有り得るし、さらには幼稚で暴力的なアメリカ的経済金融侵略政策に今のところ負けているのも事実である点です。
第2次世界大戦でも日本とアメリカには圧倒的な軍事的暴力の総量の違いがありましたが、昨今の経済戦線でも経済金融暴力には違いがありすぎて力対力で戦えばかなわないのです。
戦争で負けて日本はアメリカの属国になり、結果的に国民は戦前よりものびのびと生きる事が出来るようになると同時に、アメリカに物と一緒に精神性も輸出しました。
ワンパク小僧が自分の間違いや愚かさをなかなか認めたがらないように、アメリカは自分達の稚拙な面は認めようとせずに他の国に責任をなすり付けたり、自分達が劣っていない事を力づくでも証明しようとしているように思えます。
そして、IT革命という破壊工作は、その巨大な赤子が日本に向かって繰り出した自己主張のこぶしであるとでも言えばよいのかもしれません。
たとえ幼児とは言え、身体だけはデカイですから、気を付けないと痛い思いをする事になるでしょう。カルト宗教やセミナーによる大衆操作と投機による経済金融市場の暴力的操作には、ためらいなく大きな予算を投じて来るのが普通です。
日本が総合的にどのように反応するのかこれからのお楽しみですが、相手の急所は一応知っておいた方が良いでしょう。
彼等の最大の弱点は驕りです。
実態に見合わないプライドを持っているのでコケさせるだけなら難しくありませんが、余計意固地になるかもしれません。
おまけに背後に控えているのが被害者意識でひねくれちゃった人達なので、彼等のリハビリに協力してあげようと思っても一筋縄ではいかないでしょう。
日本自体色んな問題を抱えているのですし、他の国の面倒を見てあげられる状態なのか疑わしいものですが、これでも現在の地球上では様々な点から見てとても恵まれた国であるのも確かです。精神文化的な層の厚さにおいても、アメリカのような新大陸の国とは比べ物にならない豊かさを秘めているのですが、勿体無い事にそれを十分使っているとは言えないようです。
正直なところ、私はIT革命カルト狂団の破壊工作は見た目はともかく結果的には失敗に終わると思ってますし、その点については全く疑いがありません。ただし、ひねくれた幼児の自我主張の拳骨をそのまま受け止める必要もないと思っています。かわすもよし、いなすもよし、どうにでもなるでしょう。もっと成長した相手なら負けてあげて、痛みを見せるのも良いのかもしれませんが、今はその段階ではないでしょう。