投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 23 日 00:21:30:
回答先: 日本機械学会 投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 9 月 23 日 00:19:10:
迷子のペット探しを助けるマイクロチップ
PCの頭脳を司っている技術,マイクロチップ。それがいまや,迷子になった犬,猫,鳥などのペットを探すのに,動物収容施設や動物病院で使われている。
マイクロチップをペットの皮膚の下に埋め込むというアイデアは,何年も前からあった。あるメーカーは'91年に「アニマルチップ」の設計で米国特許を取っている。しかし,ボストンの動物収容所の話によると,こうしたチップが広範囲に使われ始めたのはごく最近のことだという。同収容施設では1カ月前から,施設内にいる犬と猫にチップを埋め込むための注射をさせている。
動物の飼い主の中には,こういう異物を自分のペットの体内に埋め込むのを忌み嫌う人もいるだろう。だがチップ開発企業によれば,これが動物たちに危害を与えることは全くないという。
ペット追跡チップのメーカーの1社によると,システムはこんなふうになっている。個々にID番号を備えたマイクロチップは,「バイオ・コンパチブル」なプロテイン層にくるまれている。これを皮下注射器で動物の肩胛骨の間の皮膚に埋め込む。そしてID番号は,無線信号を利用したスキャナで,数分の1秒でペットの皮膚から読み取ることができる。
米国内の1万8000の動物収容所,動物病院,動物監視事務所が,スキャナを保有している。これらスキャナは,複数の異なるメーカー製のペット追跡チップからID番号の読み取りができるように設計されている。このシステムの普及を望むメーカーが,米国各地の動物収容所や動物病院の多くに,無料でスキャナを提供した。
チップをくるんでいるプロテインのケースは,動いたり,体外に出たり,その部位に病菌が入ったりしないように,動物の皮膚の下に固着される。いくつかあるチップ製造元の1社,American Veterinary Identification Devices(AVID)の説明によると,このチップには動きによって磨耗する部品や取り替えの必要なパワーサプライなどは使われていないので,理論上,数十年間にわたって使用が可能だという。
ID番号は,AVIDやその他のメーカーのコンピュータデータベースに保管されている。AVIDの説明では,動物収容所や動物病院にチップを組み込んだ動物が入ると,収容所・病院はフリーダイヤルでメーカーに連絡を取り,メーカーがID番号と飼い主を照会する。
このシステムは,近く大きなお墨付きが得られそうだ。AVIDのチップ製造部門プロダクトマネジャーのJay Yocum氏によれば,ロサンゼルス市では数カ月以内に,ペットへのチップ埋め込みを義務づけるべく準備を進めているという。
ペット以外の用途も
AVIDのYocm氏はこう語る。「これは理にかなったことだと思っている。ペットに卵巣除去や去勢の手術を受けさせるのなら,もう一歩先に進んで,迷子になった場合の手はずを取っておいてもおかしくないはずだ」
Yocum氏によれば,AVIDではこのチップとスキャナを,盗難品の追跡に役立つとして,博物館や芸術作品収集家にも販売している。'90年代初頭に商業出荷を開始して以来,チップを埋め込んだペット8万頭が,飼い主との再会を果たしたとのことだ。
ボストンの動物収容所,Animal Rescue Leagueのマネジャー,Sharon Krogh氏は,この追跡システムはペットの飼い主,特に動物を外に出すことの多い飼い主に,新たな安心感を与えるものだと説明した。
「当収容所に収容される動物を見る限り,ペットに首輪をつけない飼い主は非常に多い」とKrogh氏。したがって,ID番号のない動物が収容された場合,飼い主のいる動物なのかそうでないのかを,判断する材料がない。Krogh氏によると,追跡チップを埋め込んだペットには,首輪に貼るチップID番号のタグも提供される。
このシステムへの参加は,動物収容施設にとってはけっして安くない。チップ1個当たり,およそ40ドルのコストがかかる。ワクチン接種や虚勢手術にかかる料金と比べれば少ないが,それでもKrogh氏によれば,この額は収容所にかかる費用に見合ったものではないという。
「ここから利益を得ることよりも,迷子の動物が見つかって,飼い主と再会できることが重要だと考えている」とKrogh氏は語った。
AVIDによれば,動物病院や動物収容所が,ペットの飼い主に請求する実際の金額は,地域や発見にかかる作業負荷に応じて,25ドルから75ドル程度となっている。