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【ワシントン=菱沼隆雄】米政府は1日、イラク復興と多国籍軍派遣に関する国連安保理決議の修正案をまとめ、ニューヨークの国連本部で安保理常任理事国に提示し、修正案提出に向けた最終調整を始めた。今月23日からスペインで開かれるイラク復興支援会議までの採択を目指す。
ただ、修正案は、国連の役割をより明確に定めているものの、イラク人への主権移譲の時期などについての原則は崩していない。関係国の反発を呼ぶ可能性もあり、決議案が採択されても、どこまで兵員派遣や資金協力につながるかは微妙だ。
バウチャー米国務省報道官は1日の会見で、修正案は9月3日に提示された原案と比較し、国連のイラク復興過程での政治的役割を明確にするとともに、イラク人への主権の移譲を可能な限り急ぐ姿勢を示したものであることを強調した。
修正案は国連の役割について、アナン事務総長が7月に提出した国連イラク支援団(UNAMI)設置に関する報告書に基づき、憲法の起草や選挙の実施をはじめ、司法や公務員制度改革、警察官の教育など幅広い関与を求めている。
フランスなどが強く主張するイラク人への早期権限移譲については、米軍の占領をあくまで「一時的な性格」と位置づけ、「統治の責務を、実行可能な限り速やかに」イラク人に移譲すべきだとして、早期移譲を目指す方針を明確にした。
ただ、主権移譲の具体的時期は示さず、多国籍軍の指揮権も米国が保持する姿勢を堅持した。
今回の修正案を米政府の歩み寄りととらえる見方は少ない。「採択には持ち込める」(外交筋)とは見られるものの、米国への反発がくすぶる可能性もあり、「復興費用やイラク駐留米軍の負担減を図るという米政府の思惑通りに事が運ぶかどうかは微妙」との声も出ている。
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【ニューヨーク=勝田誠】米国が1日、提示したイラク復興と多国籍軍派遣に関する修正決議案の要旨は以下の通り。
▽国連は、イラクにおける重要な役割をさらに強化し、経済復興の促進、国や地方政府機関の再建などを進める。
▽連合国暫定当局(CPA)が担う責任や義務は、イラク国民が国際的承認を得た政府を設立し、権限を担うまでの一時的な性格のものである。
▽イラク人による行政を徐々に拡大させ、CPAは統治の責務を、実行出来る限り速やかに移譲する。
▽イラク統治評議会に対し、新憲法起草と民主選挙実施までの行程表を提示するよう求める。
▽統合された指揮下にある多国籍軍が、イラクの安定と治安維持に貢献するため行うすべての必要な手段を承認する。国連イラク支援団やイラク統治評議会、人道・経済基盤などの安全確保を含む。
▽イラク国民によって国際的承認を得た政府が設立され、CPAの任務を引き継いだ時点で、国連安保理は多国籍軍の要件と役割を再検討する。
▽法秩序や治安を維持し、テロと戦うため、イラクに有効な警察・治安部隊を設けることが重要だ。国連加盟国に、警察・治安部隊の訓練や装備のため、貢献するよう要請する。
▽国連加盟国と国際金融機関に対し、イラク経済の復興・発展のための支援強化を求め、出来る限りの融資、財政支援を行うための手続きを速やかに取るよう促す。
▽国連加盟国と国際、地域組織は、マドリードで10月23、24日に開かれるイラク復興支援会議で実質的な約束を行うことなどを通じ、イラク復興のための支援を行う。
▽米国は多国籍軍参加国を代表し、国連安保理に情勢報告を少なくとも6か月に1回行う。
(2003/10/2/13:53 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031002it03.htm