2021.09.17
米国の私的権力は各国の選挙へ介入、今回の露下院選挙では露政府から厳しい抗議
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202109170000/
ロシア外務省は9月10日にアメリカ大使のジョン・サリバンを召喚、アメリカを拠点とするハイテク企業が9月19日に予定されているロシアの下院議員選挙へ不当に介入していると抗議、その際に具体的な証拠を示したという。アメリカ側は調査を約束したと伝えられている。
ロシアで選挙期間中に禁止されているコンテンツをブロックしないとして、グーグル、アップル、クラウドフレア、シスコを含む10企業に対して通信、情報技術、マスメディアの監督官庁「ロスコムナゾール」が警告している。
今回、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は記者団に対し、選挙への介入を証明する文書をサリバン大使へ渡し、回答を待っていると語った。ジョー・バイデン政権に対する姿勢が厳しくなっていることを示している。
こうしたアメリカのハイテク企業がNSAやCIAのような情報機関、また捜査機関のFBIと緊密な関係にあることは広く知られている。通信内容や国際機関や各国政府の機密情報を盗むために協力し合っている可能性が高い。
そのためにさまざまな仕掛けが作られているが、例えばニッコ・ファン・ソメーレンは1998年、ウィンドウズのセキュリティ機能をコントロールするソフトウェアに2種類のカギが存在していることを発見している。ひとつはマイクロソフトが作業に使う合法的なカギのようだが、もうひとつが謎だと指摘していた。
その後、アンドリュー・フェルナンデスはマイクロソフトの開発者が削除を忘れたカギのラベルを発見している。ひとつには「KEY」、もうひとつには「NSAKEY」と書かれていた。素直に読めば、NSAのカギということになる。
ファン・ソメーレンはウィンドウズ2000の中に3種類のカギを発見した。第1のカギはマイクロソフト用。第2のカギはアメリカ政府の「合法的合い鍵」だという可能性があるが、第3のカギは不明だ。(Duncan Campbell, "Development of Surveillance Technology and Risk of Abuse of Economic Information Part 4/4: Interception Capabilities 2000," April 1999)
そもそもインターネットはアメリカ主導で築かれてきた。その前身はアメリカ国防省の研究機関、ARPA(後のDARPA)が1969年に開発したARPANET(高等研究計画局ネットワーク)だ。その2年前、MIT(マサチューセッツ工科大学)では人間とコンピュータとの間の情報伝達について研究するMAGが作られたが、その資金はARPAから出ていた。ネットワーク局NBCのフォード・ローワンはARPANETがアメリカ人を監視するために使われていると伝えている。(Yasha Levine, “Surveillance Valley,” Hachette Book Group, 2018)
ツイッター、ユーチューブ、フェイスブックをはじめとするシリコンバレーのハイテク企業はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)の情報操作でも活発に動いている。その恐怖を煽り、「ワクチン」の接種を促進するために人びとを欺き、私的権力にとって都合の悪い事実をブロックしたり消去したりしている。
アメリカのビベク・マーシー公衆衛生局医務長官は7月15日に「健康に関する偽情報」の脅威を警告したが、ホワイトハウスのジェン・サキ広報官は「COVID-19ワクチン」に関する「偽情報」を広めているアカウントのリストをフェイスブックへ提供したことを認めた。政府による検閲という形を避けるため、「民間企業」に検閲させている。
アメリカの私的権力は軍や情報機関のような国家機関を利用し、自分たちの利権にとって好ましくない人物、組織、政府を抹殺してきたが、選挙へも介入している。
第2次世界大戦後、アメリカが初めて行った大規模な内政干渉の対象は1948年のイタリア総選挙だと考えられている。本ブログでは繰り返し書いてきたように、この大戦でドイツは軍隊の主力をソ連へ向けた。西ヨーロッパでドイツ軍と戦ったのは事実上、レジスタンスだ。その中心はコミュニストだったことから、イタリアやフランスではコミュニストの人気が高く、1948年の選挙ではコミュニストが勝利すると見られていたのだ。そこでアメリカの戦時情報機関OSSの人脈が動き、工作資金としてドイツが大戦中にヨーロッパ各国で略奪した金塊、いわゆる「ナチ・ゴールド」が使われたと言われている。(クリストファー・シンプソン著、松尾弌之訳『冷戦に憑かれた亡者たち』時事通信社、1994年)
「ナチ・ゴールド」は日本軍が「金の百合」作戦で略奪した中国など東アジアの財宝と一体化しているとも言われている。
ロシアで2012年3月に実施された大統領選挙にアメリカが介入したことも知られている。ロシアで工作を指揮するため、同年1月にマイケル・マクフォールがアメリカ大使としてモスクワへ入り、その3日後にロシアの反プーチン/親アメリカ(親ウォール街)派のリーダーがアメリカ大使館を訪れている。その様子は撮影され、伝えられた。
この工作でロシア人を踊らせることに失敗したが、「反プーチン」の象徴はしつらえられていた。アレクセイ・ナバーリヌイだ。この人物は2010年にアメリカのエール大学で行われているエール・ワールド・フェローズに参加しているが、その手配をしたのはマクフォールにほかならない。
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