対イラン方針で後退するバイデン
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2021年3月 4日 マスコミに載らない海外記事
2021年2月27日
Finian Cunningham
イスラム・タイムズ
ジョー・バイデン大統領は、イランや他の世界列強との核合意にアメリカを戻すという以前の約束から後退しているように見える。そこで疑問が生じる。一体誰がバイデンを操っているのか?
今週バイデンが命じた、イランが支援するシリア民兵に対する空爆は、残った核合意を救い出すのに必要なワシントン・テヘラン間の関係修復の助けには決してならない。
選挙運動中、民主党候補は、選出されたら、イランに対するトランプの敵意の「最大圧力」政策を反転させ、アメリカを2015年に署名された核合意遵守に戻すと言っていた。
トランプは、アメリカや他の列強諸国が署名した核合意から離脱し、壊滅的打撃を与える制裁をイランに再び課した。
だが新たに就任したバイデン政権は、イランに対して条件をこっそり変えている。大統領と補佐官は、JCPOA遵守を減らすためにとった逐次的措置を、テヘランが最初に反転させる動きをした後に、アメリカは包括的共同作業計画に戻ると言っているのだ。
もっともなことだが、イランはアメリカの要求にいら立っている。イランのモハマド・ジャバード・ザリフ外務大臣は、そもそも、2018年、トランプ下で一方的に離脱して、核合意に違反したのはアメリカ側だと指摘している。イランは、制裁をキャンセルし、署名した協定を遵守する責任はワシントンにあると断言している。その後、テヘランは全ての条項遵守を再開するのだ。
今週イランは、国際原子力機関による核施設抜き打ち検査の三カ月暫定停止を発表した。イランはこの期間までに、制裁を終わらせるのはワシントン次第で、さもなければ、JCPOAの運命もこれまでとなりかねないと言っている。
バイデン大統領が何をするかに向かって、今、時計がカチカチいっている。彼は以前、すると言った通りに、一方的制裁の終わり意味するアメリカJCPOA復帰をするだろうか?それとも彼は最初に動くようイランに圧力をかけることを無駄に主張するのだろうか?
シリア国内のイラン要員に対するアメリカ空爆は、バイデン政権がイランとの外交提案から手を引く用意を調えていることを示唆している。
なぜバイデンは、彼が副大統領だったオバマ政権が交渉した国際協定から後退しているように見えるのだろう?バイデンは2020年選挙運動中、トランプの対イラン政策を非難しているように見えた。すると今彼はなぜイランに対して進めていた外交から後退しているように見えるのだろう?
二つの要素が考えられる。一つ目は、バイデンとアントニー・ブリンケン国務長官が公的に、この政権は、中東政策について、イスラエルとしっかり相談すると述べていることだ。イスラエルは、アメリカの核合意再参加に激しく反対しており、一部イスラエル軍幹部は、それは軍事行動の原因になるとまで言っている。
二つ目の要因は、テヘランとの、いかなる正常化も、この地域でライバルの、イランの影響力を強化するだけだと信じて執念深くイラン合意に反対するサウジアラビアだ。
バイデンは、最近、サウジアラビアとイスラエルの指導者となごやかな電話会話をし、アメリカ大統領はアメリカ有志連盟の「戦略的重要性」を称賛した。このメッセージを強調するのを狙ったかのように、今週バイデンのサウジアラビア・サルマン国王への電話は、イランが支援する民兵に対するアメリカのシリア空爆から僅か数時間後だった。
イスラエルとサウジアラビアとの関係から生じるアメリカにとっての「戦略上の重要性」は多様だ。それは中東でのアメリカ覇権維持、アメリカ軍産複合体にとって儲かる武器販売の永続、無数の基地からの戦力投影、そして極めて重要なのは、アメリカの経済力が致命的に依存しているオイルダラー体制の強化だ。
イスラエルとサウジアラビアのご機嫌とりをするアメリカ政府にとっての戦略上の重要性は、この二つの地域大国にアメリカ政策に対する拒否権を与える。それはバイデン大統領がなぜ、イランとの核合意を再開する以前の提案から後退しているかの説明になる。
だが究極的に中東におけるアメリカの威力は不安定で持続不可能だ。この威力は緊張と対立を引き起こすことに依存している。バイデンについて全ての人々が知るべきだ。彼はアメリカ帝国の致命的権益を促進する政治家として、中東でほぼ50年生きてきたのだ。
記事原文のurl:https://www.islamtimes.org/en/article/918671/biden-backslides-on-iran
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