横浜に帰港した際に、乗員・乗客全員に
対する、PCR検査を実施するべきだった !
新型コロナ対策への他の識者の見解・詳報は ?
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2020/02/20より抜粋・転載)
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1)安倍内閣は、失政をごまかす ための、情報統制に懸命だ !
新型コロナウイルスの感染症が、集団発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客で、感染が確認されて入院中だった、80代の男女2人が、死亡したことが明らかにされた。
人災による犠牲者である。
安倍内閣は、失政を糊塗(こと:ごまかす)するための、情報統制に懸命である。
「安倍内閣の対応は、正しかった」とする言説の流布に、全力を挙げている。
しかし、客観的に評価して、安倍内閣の対応は、最悪である。
2)最善の対応策は、安倍内閣の即刻退場である !
新型コロナウイルスの感染症について、安倍内閣の最悪の対応で、重大な被害がもたらされてことは、隠しようがない。最大の対応策は、安倍内閣の即刻退場である。
危機に直面した場合、的確な判断力と迅速な行動力が最重要になる。
このいずれの点においても安倍内閣の対応は最悪であり、そのために重大な影響が発生している。
日本政府は、2月1日に、沖縄県那覇港で、ダイヤモンド・プリンセスに対する検疫を行い、入国手続きを完了させている。
この時点でダイヤモンド・プリンセスの乗員・乗客は、入国手続きを完了している。
3)横浜に帰港した際に、乗員・乗客全員に
対する、PCR検査を実施するべきだった !
その後、1月30日に、香港でダイヤモンド・プリンセスを下船した、男性の感染が明らかになり、2月4日にダイヤモンド・プリンセスが、横浜に帰港した際に、再度検疫が実施されることになった。
この段階で、乗員・乗客全員に対する、PCR検査を実施するべきであった。
その結果を踏まえて感染者と非感染者を区分する措置を採るべきであった。
感染者を下船させ、医療を受けさせることは、当然のことである。
4)感染者を下船させ、医療を受けさせる
べきだったが、安倍内閣の対応は最悪だった !
ところが、安倍内閣の対応は最悪だった。
安倍内閣が実施した、PCR検査は、3711人の乗員・乗客のなかの、273人(約7%)だけだった。
ところが、2月19日時点で、ダイヤモンド・プリンセスの乗員・乗客で、感染が確認された人数は、621人に達したにである。
安倍内閣が乗員・乗客全員に対する、PCR検査を実施しない間に、感染が拡大し、ダイヤモンド・プリンセスを、「第二の武漢」と呼ばれる状況に、してしまった。
5)3711人の全員に対する検査結果は、まだ判明していない !
PCR検査は、五月雨(さみだれ)式に実施され、2月20日時点でも、乗員・乗客・3711人の全員に対する検査結果は、まだ判明していない。まずは全員に対する検査の実施。陽性反応者の下船、隔離、治療。
陰性反応者の隔離、経過観察の措置が必要だった。
基本方針が明確に定められれば、対応は加速する。
6)検査能力をフルに活用すれば、全員に
対する検査結果は、数日の間で明確になる !
検査能力をフルに活用すれば、全員に対する検査結果は、数日の間に明らかになる。
乗員・乗客を隔離する施設についても、さまざまなアイデアが、浮上するはずなのである。
安倍内閣は乗員・乗客全員に対するPCR検査を迅速に実施しなかった。
しかし、結果的には全員検査に追い込まれている。
この判断力の欠如、行動力の欠如が、危機に直面した際の結果を大きく変化させる。
―この続きは次回投稿しますー
(参考資料)
○米山元知事(医師)が斬る:新型コロナ対策の穴 !
感染拡大を招いた、無知な官邸と「総ヒラメ」 状態の霞が関 !
(www.nikkan-gendai.com:2020/02/19 14:50より抜粋・転載)
新型コロナウイルスの感染が、2月19日午前8時現在で61人を数え国内の感染は新たなフェーズに入っています。
◆政府の対応は、失態続き !
ここまでの政府の対応は「後手後手」というより「失態続き」といっていいものだったと言えます。まずもって昨年の12月30日に武漢市衛生当局が「原因不明の肺炎に対する緊急通知」を出し、1月15日には国内初の感染者が見つかった。
27日には、武漢市が、海外団体旅行を禁止していたにもかかわらず、日本が、新型コロナウイルス感染症を指定感染症に指定し、湖北省に滞在歴のある、外国人の入国拒否を決めたのは、中国の感染者数が、1万人を超え、WHOが緊急事態を宣言した、31日の翌2月1日になってからでした。1月初めとは言わないまでも、下旬には対応ができたはずで、遅きに失したのは明らかです。
◆542人の感染が確認された !
その後の大型客船ダイヤモンド・プリンセス号についてはさらにひどい。
乗客の感染が分かった2月5日に検疫のために2週間の船内待機を命じたのはやむを得ないとして、密閉された船内に、4000人近くをとどめ置く、検疫でありながら、船内では、手洗いの徹底等以外には、特段の感染予防措置を講じることはなく、7日には、41人、10日には、65人と新たな感染者が増え続けたにもかかわらずこれを放置し、結局、きのうまでに検査を受けた、2404人のうち542人の感染が確認されるに至っています。
◆感染率は、22.5%という異様な高値 !
感染率は、22.5%という異様な高値で、しかもこの際、検疫官が防護服を着用することなく検査に臨み、自ら感染してしまうという「とほほ」以外の何物でもないおまけまでついています。
政府の無策で感染を拡大してしまったのは明らかでしょう。きょう以降順次下船となりますが、多くの人は治療・待機は日本で行うことになります。
◆霞が関が、完全に上ばかり見る状態 !
何故これほど失態が続いたかについては、正直合理的な説明は難しく、霞が関が完全に上ばかり見る「総ヒラメ」状態になっているにもかかわらず、官邸幹部に感染症対策が分かる人がおらず、誰ひとり指示を出せずに上下お見合い状態になったとしか考えられません。
日本国内でここまで感染を拡大してしまったことについて、政府の責任は極めて大きいものと言わざるをえず、その危機管理能力に重大な疑問を呈するとともに猛省が求められます。
○コロナウイルス拡大は、安倍政権の人災 !
国立感染研大リストラの大罪 !
(www.nikkan-gendai.com:2020/02/1316:42より抜粋・転載)
ようやく、安倍政権が重い腰を上げる。ついに4人が重症。新型コロナの感染が加速度的に広がる中、ウイルス検査の態勢強化など緊急対策に乗り出すが、しょせんは付け焼き刃の対応だ。これまで、感染症対策をおろそかにしてヒトやカネをバッサリ削ってきた“人災”のツケが回ってきた。
◇ ◇ ◇
現在、ウイルス検査や分析などの対応に追われているのは国立感染症研究所だ。米国では、感染症について「情報収集と発生時の対応」はCDC(疾病予防管理センター)、「研究・開発」はNIH(国立衛生研究所)、「ワクチンの品質評価」はFDA(食品医薬品局)と、3つの機関が分業している。この3つの役割を感染研は一手に担っている。
近年、インフルエンザ、麻疹、風疹、梅毒などの流行が見られ、感染症の脅威は高まっている。しかし、感染研はすさまじい大リストラを食らってきた。
2009年度に61億円あった、研究費と経費の合計額は、18年度はなんと41億円。
3分の1に当たる20億円も減らされてしまった。
研究者も2009年の322人から、現在は、307人に減少した。
組織はスカスカにされている。
理由は十把一絡げの国家公務員の削減だ。山野美容芸術短大客員教授の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「感染研が担う役割や仕事量からして、300人余の研究者は極めて少人数です。10年間でさらに人も金も減らしているのは、安倍政権が感染症対策を軽視している表れといえます」
◆10年で20億円カット !
感染研の大リストラには、有識者からも強い異議が起こっていた。11年に医学の有識者らでつくる「国立感染症研究所研究評価委員会」が報告書をまとめている。
<人員や経費が削減される中、研究所の業務や研究の範囲は拡大し続けており、個々の職員の努力に依存した運営には限界がきている><予算・人員の裏付けをつけることが重要であり、研究所は、その国民に対する使命の質と大きさに鑑み、「国家公務員削減計画」からの除外対象とすべきである>
悲鳴のような報告書が出されても、安倍政権は、予算・人員を削り続けた。
さらに昨年4月9日、共産党の田村智子参院議員が内閣委員会で、感染研のリストラ問題を取り上げた。政府は「(感染研は)重要な機能を有していることは認識しています。新規増員を措置してきている」(宮腰光寛内閣府特命相=当時)と答弁。感染研によれば、「国会で予算が通れば、新年度は1人増えて、308人になります」(総務課)という。増員幅はスズメの涙だ。
安倍政権が評価委や田村議員の指摘に耳を傾けていれば、新型コロナウイルスはここまで感染が拡大しなかったのではないか。
「予算、人員削減のツケが回ってきました。例えば、クルーズ船の約3700人全員のウイルス検査は、マンパワー不足の問題で決断が遅れました。感染が確認された検疫官が防護服を着ていなかったのは、金がない証拠です。
安倍首相のいう国防は、高額の軍艦や飛行機を買うことですが、感染症から国民の命を守ることの方が大事な『国防』です」(中原英臣氏) 安倍政権は新年度予算案に過去最高となる防衛費5・3兆円を盛り込んだ。政権発足後、8年連続アップで、6000億円も増やしている。
いくらかでも、感染症対策に回したらどうだ。