ファーストリテイリング会長の柳井正は完全なアホだった
2019年10月17日
ファーストリテイリング会長の柳井正の思考停止
From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授
10月9日、ファーストリテイリング会長の柳井正氏が日経ビジネスのインタビューに答えています。
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/00357/?fbclid=IwAR0q2FElDohYtgGKOwaZE4OykqTNXOKN70joIMZ7zM0ypMj-U4AftKtixUk
このインタビューで、柳井氏は、日本はこのままでは滅びるから、大改革が必要だというのです。
ではその大改革とは何かといえば、次のようなトンデモ政策です。
《まずは国の歳出を半分にして、公務員などの人員数も半分にする。それを2年間で実行するぐらいの荒療治をしないと。今の延長線上では、この国は滅びます。
参議院も衆議院も機能していないので、一院制にした方がいい。もっと言えば、国会議員もあんなに必要ないでしょう。町会議員とか村会議員もそう。選挙制度から何から全部改革しないと、とんでもない国になります。》
これは、維新が掲げている政策と酷似していますね。
アメリカで盛んな(盛んだった)「小さな政府」論への盲従です。
柳井氏は、日本の公務員が人口比で世界一少ないということも知らないらしい。
これ以上公務員を減らしたら、公共サービスの劣化はますます進むでしょう。
災害時などの繁忙期に、公務員がいかに心身をすり減らして死にたくなるまで働いているか、氏は想像したことがあるのか。
公務員は少なくとも、いまの2割は増やさなくてはならないのです。
また、歳出を半分にして、デフレ脱却、社会福祉の充実、インフラ整備、教育、医療、防災、国防その他、いま日本にとってぜひ必要とされる案件をどうやって解決しようというのか。
何よりも、こういう「大改革」をすれば、どうして「滅びゆく日本」を少しでも食い止めることができるのか、その理路がまったく立っていません。
いまの日本の衰退のおおきな原因が、柳井氏のアイデアとは真逆の、緊縮財政路線にあるということも、彼はまるで分っていないようです。
要するに、ふだんから、「小さな政府」を実現して、自分たちのビジネス領域を拡大しようとしか考えていないので、何の根拠もない思い付きをフカしているだけなのです。
儲けることに専念して(それはそれで結構なことですが)経営に成功してきた者が、ちょいと偉くなって政治に口出しなど始めると、バカなことしか言えない、その無残な例がここに現れています。
日本の衰退を政治的に問題にするなら、もう少し政治について勉強してはどうでしょうか。
あなたのような人がいるから、日本は滅ぶのだと言いたい。
御用学者のたぐいにも無知をさらしている人はたくさんいますが、それはこのメルマガでも何度か取り上げてきましたので、今日は控えておきましょう。
いずれにしても、これら著名人の発言が、じつは私的利害や主観的信念や自己保身のためだけなのに、公共的な体裁のもとになされている例が氾濫しています。
こういう無責任な言論状況が積み重なることもまた、「滅びゆく日本」をいっそう前に進めるでしょう。
一国が滅んでゆく最大の原因は、その国の国民が、自国の滅亡過程を自覚しないことです。
https://38news.jp/economy/14775
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/673.html