【香港発】「香港人権法」集会前夜200人逮捕 法の支配なき中国
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2019年10月15日 04:23 田中龍作ジャーナル
女性は警察車両の前に立ちはだかって抗議した。中国化が進めばこうした光景はなくなる。=14日夜、セントラル 撮影:田中龍作=
中国で「法の支配」はありえない。それを見せつけた一夜だった。
14日夜、米国議会に共和、民主両党の合意で審議されている「香港人権法」の早期成立を求める集会が、東京の大手町にあたるセントラルで開かれた。主催者発表で13万人が参加した。
集会は米国国歌「星条旗」の演奏で始まった。「香港人権法」に対する期待の高さがうかがえる。
参加者に聞いた。40代の女性(職業マーケティングリサーチ)は「香港の絶望的な状況を香港だけの力で救うことはできない」と望みを託す。
天安門事件(1989年)の時のように米中貿易に翻弄されたあげく、米国に見捨てられたりはしないだろうか? こう女性に問うと「大きい悪魔(中国)より小さい悪魔(米国)を取った」と答えた。
若者は何の容疑かも分からないまま逮捕された。=14日夜、セントラル 撮影:田中龍作=
中国共産党は「香港人権法」を内政干渉だとして敵視しており、同法を支持する民主派勢力への弾圧を強めている。
香港警察の発表によると、11日〜13日の3日間で201人を逮捕した。覆面法違反や破壊活動などのカドである。14日も集会やデモ参加者を容赦なく逮捕した。
田中の目の前で1人の若者が逮捕された。民主派議員(立法会)の歐諾軒氏が現場で機動隊に抗議した。
「逮捕理由を説明して下さい。さもなくば違法です、人権にも反しています」と。歐氏は最初に広東語で、次に英語で言った。海外のメディアを意識してのことである。
機動隊は歐氏の抗議に耳を傾ける そぶり も見せなかった。背景を説明しよう―
中国による香港支配の拠点である中聯弁(中央政府駐香港連絡弁公室)に、デモが掛けられる8月31日の直前に一斉逮捕劇があった。
黄之鋒氏や周庭氏が逮捕された、あの一斉逮捕劇である。民主派の立法会議員ら議員8人も逮捕された。歐氏はその一人だった。
民主派議員(写真左)は「若者の逮捕は不当である」と警察に抗議した。=14日夜、セントラル 撮影:田中龍作=
今回の反政府デモが鎮圧されてしまえば、香港の中国化は一気に進む。立法会議員といえども警察に抗議さえできなくなるだろう。
法の支配がなくなれば、為政者に不都合な人物は理由も告げられずに逮捕される。法治国家でなくなった日本の近未来を見る思いだった。
〜終わり〜
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米中関係に翻弄されるかもしれない。それでも希望を失わずに抵抗し続ける香港人には勇気づけられます。
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— 二太郎 (@2tarou) 2019年10月15日