息子が重役の会社を調査していたウクライナ検察のトップを解任させたバイデン
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2019.09.27 櫻井ジャーナル
アメリカの下院情報委員会はドナルド・トランプ大統領とウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との会話に関する「内部告発者」の訴えを公表した。この人物は自分が直接的な情報を持っているわけではないものの、10名近い政府高官から適切なルートを通じて知ったとしている。 訴えの中心は7月25日朝の電話。それをアメリカの政府機関が傍受、その内容を知った人物がトランプ大統領の発言に政治的な思惑があると判断、告発したというのだが、先入観の強い判断に思える。 NSAやCIAなどアメリカの情報機関がイギリスやイスラエルの機関と手を組み、世界規模で通信を傍受、記録、分析していることは広く知られている。 トランプの電話が監視されていることはトランプ自身も認識していたはずで、注意して話しているはずだが、その中からスキャンダルを作り出すのもプロの仕事だ。 本ブログでもすでに書いたことだが、問題の電話でトランプはジョー・バイデンが2018年1月23日にCFR(外交問題評議会)で行った発言に触れている。 バラク・オバマ政権は2014年2月、ネオ・ナチを使ってウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。工作の最前線ではネオコンのビクトリア・ヌランド国務次官補が指揮していたが、ジョー・バイデン副大統領も参加していた。 このクーデターに到達するまで、準備開始から20年以上の年月が経過している。ヌランドが2013年12月に米国ウクライナ基金の大会で行った演説によると、アメリカは1991年からウクライナを支援するために50億ドルを投資したと発言している。巨大資本がカネ儲けしやすい体制に作り上げることが目的だ。 クーデター直後の3月7日午前2時、ポリスポリ空港に4輌のトラックと2輌の貨物用のミニバスが現れ、そこから40個以上の箱をマークのない航空機へ運び込まれたと伝えられている。車両はいずれもナンバー・プレートが外され、黒い制服を着て武装した15名が警戒する中での作業だった。作業が終わるとすぐに航空機は飛び立ち、車両も走り去ったという。その箱の中身は金塊だという情報がある。当時、ウクライナ政府が保有していた金塊は42.3トンだとされている。 その一方、相場が下落したウクライナ国債をロスチャイルドのファンド、フランクリン・テンプルトンは買い占めていた。安値で国債を買いあさり、満額で買い取らせようとしたと見られている。買い取るための資金はIMFが融資する。 ここで債権者になったIMFはウクライナ政府に対して緊縮財政を命令、庶民へ回るカネを減し、規制緩和や私有化の促進で巨大資本を大儲けさるというシナリオだったはずだ。これは世界各国で実行されてきた。破綻国家にIMFがルールを無視して融資するのはそのためだ。こうした仕組みを西側の有力メディアは「支援」と表現する。 本ブログでも繰り返し書いてきたが、クーデターの際、主力のネオ・ナチは広場で無差別狙撃を実行、攻撃的な行動が禁止されていた治安部隊の少なからぬ隊員は拉致され、拷問の上で殺害されている。目を潰された状態で発見された隊員の死体もあった。 そうしたこともあり、クーデター後にネオ・ナチの配下に入ることを嫌がり、反クーデター派に参加した軍や治安機関のメンバーは少なくないと言われている。そうした中、検察事務所をネオ・ナチは襲撃していた。クーデター派の不正行為を取り締まるなという恫喝だ。 そして4月にはジョー・バイデンの息子、ハンター・バイデンは天然ガス会社ブリスマ・ホールディングス(本社はキプロス)の重役になったことが発表された。月給は5万ドル以上だという。ガス産業についてもウクライナについても知識のないハンターになぜ会社が高給を支払うのか疑問に思う人がいても不思議ではない。この会社はウクライナ検察の捜査対象になっていたと言われている。 バイデン副大統領は2016年5月にキエフを訪問した。ペトロ・ポロシェンコに対して10億ドルの融資保証が認められたことを伝えるのが目的だったが、その際にバイデンは条件をつけた。6時間以外に検事総長を解任しなければ融資保証を認めないで帰国すると脅したのだ。この時のやりとりをジョー・バイデンは2018年1月23日にCFR(外交問題評議会)で自慢している。 今年7月25日にドナルド・トランプ米大統領はこの自慢話についてウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との会話の中で触れ、バイデンの発言は恐ろしく思えると口にしたのだが、これを民主党はスキャンダルにしようとしている。 |