自己破産するサラリーマンが続出する「不動産投資」のヤバすぎる真実 Xデーはもうすぐそこ
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2019.06.21 沖 有人 スタイルアクト(株)代表取締役 現代ビジネス
自己破産者続出の「Xデー」
不動産投資はからくりに満ちている。誰でも儲かるように見せかけることができるので、騙される人が後を絶たない。
例えば不動産投資のキャッシュフローは、誰でも初年度が最も儲かるようにできている。しかし、おおむね翌年からはマイナスになり、やがてローン返済にも困るようになる。
そうなってからでは、もう遅い。
悪夢のスパイラルに陥り、売りたくても、ローン返済が進んでいないので、借金だけが残ってしまう。自分の口から「儲かっていない」とは誰にも相談できないから、じわじわと真綿で首を絞められるような苦しみを味わうことになる。
いまは相当な数の人が不動産投資をやっているので、これから自己破産者が続出することになるだろう。すでに時限爆弾は時を刻み始めており、最近もそのXデーをかなり早めた事件が起こってしまった。スルガ銀行の不正融資事件である。
この事件以降、銀行は個人の不動産投資への融資をほとんどストップしてしまったのだ。
選ばれし民は誰か?
不動産投資のように20世紀にはなかった投資商品が、いま脚光を浴びているのには訳がある。
不動産投資をすれば、事業上の優遇を受けられることで利回りを確保できる仕組みができたからだ。法人ファンドは利益の90%を投資家に配当すれば、法人税が免除されるので、不動産投資を積極的におこなうインセンティブを持っている。
また固定資産税や相続税が重くのしかかる地主たちも、不動産投資をする一定のインセンティブを持っている。もともと持っている土地を有効に活用し、賃貸アパートを立てれば税務上の特例を受けることができるし、そもそも土地は自分のものだから高い利回りが得られる可能性がある。
逆に言えば、不動産投資をすることで積極的に利益が出せるのは法人ファンドか地主くらいなのである。
たとえ地主であっても、立地が悪ければ入居者が入らず失敗することもある。ましてや土地を持たない一般の個人投資家が、いちから土地を購入し、不動産投資をしようというのは、リスクの極めて高いことだ。
唯一成功できるとすれば、それは賃貸収入で利益を出すことではなく、地価が上昇し、キャピタルゲインが得られるときだけだと心得たほうがいいだろう。
たとえ悪質なセールストークに騙されたとしても、この世界は騙されるほうが悪いのだ。なぜなら、不動産投資はやる前から事業収支がはっきりしているからだ。失敗のシグナルは買う前からすでに明確に表れているのである。
新築ワンルーム投資が危ない理由
不動産投資で最も損をする新築ワンルーム投資の実態を説明しておこう。
不動産投資の手残りは簡易な方程式だと以下の様になる。
手残り=賃料収入−借入金利−税金−値下がり額
たとえば年間の賃料収入が物件価格の5%を得られる新築ワンルームマンションを買ったとしよう。その際、銀行から借り入れたローンの金利は3.5%。固定資産税などの税金が2%、さらに毎年3%程度物件価格が下落すると仮定すれば、実は下記の通り、手元に利益が残るどころか、3.5%も毎年の持ち出しが多くなるのである。金利3.5%では大赤字になるのである。
賃料収入が5%であれば、やはり1%以下の金利か、物件価格の下落幅が小さい、好立地の物件を買うしかないが、こんな低金利、好条件の物件を買えるのはよほどの資産家でなければ無理だろう。一般の方に銀行はいい条件では貸してはくれないからだ。
さらに新築ワンルームは購入したその瞬間に価格が2割程度落ち、その後も毎年3%程度売却価格が落ちていくことを覚悟する必要がある。
たとえば築年の古い中古ワンルームの宣伝文句には、「価格200万円、表面利回り20%」などというものがあるが、これは新築時に比べ資産価値の下落が非常に大きかったことを意味している。売却価格が大幅に下がる割に、賃料は比較的緩やかにしか下がらないために、築年が進むに連れて利回りが高くなるのだ。新築ワンルームマンションがいかにババを引く行為かが分かるだろう。
損が出るカラクリ
新築が買うと同時に値が下がるのは、不動産価格の決まり方を知ればよく理解できる。
デベロッパーが新築物件を売る際には、土地を購入し、建物を建て、利益を乗せて販売をする。つまり建築物を建築、販売するための経費が丸ごと新築物件の価格には含まれているのである。この価格の算定法を「積算価格」と呼ぶ。
積算価格=土地代+建築費+事業利益
これに対して、中古マンションを売却する際の価格の算定には、あくまでそのマンションが稼ぎ出す収益性に重点が置かれる。「収益還元法」と呼ばれる算出法がとられ、これは賃貸に出した際の利回りで算出される。収益還元法では、建築費や販売費などの余計なコストは入ってこないので、その分、中古マンションは価格が、ぐっと安くなるのがお分かりいただけるだろう。
収益還元価格=年間賃料収入÷利回り
この新築と中古価格のギャップが、新築マンションを購入した矢先に損が出るカラクリである。新築投資用マンションは最初から「大損の負けいくさ」と決まっているのだ。
例えば、年間賃料収入120万円、物件価格(積算価格)3000万円の場合の表面利回りは4%(=120万円÷3000万円)である。これが中古マンションで販売しようとすれば、それ以上の利回りを設定しないと買い手がつかない。例えば利回りを5%として販売するなら、120万円÷5%=2400万円。新築価格から600万円下げないとならなくなる。利回り6%でないと売れないとなると、(120万円÷6%=2000万円)で、新築価格に比べて1000万円も下落することになる。
早く逃げろ
このような新築ワンルームマンションを持っている人は、損切を覚悟ですぐにも売却するべきだろう。
いま、スルガ銀行の不正融資問題に端を発し、金融庁は全銀行に対して不動産投資の引き締めを行っている。
これにいち早く対応しているのは不動産投資を勧める業者だった。このまま自社で持っていたらローン条件が厳しくなって売れなくなるのは目に見えているので在庫処分を始めている。ローンの条件も悪くなる一方だ。頭金もこれまで無しで買えたものが、2割、3割、4割と求められるようになっており、融資が付きにくくなると、投資不動産価格は値下がりを迎える。
住宅ローンの残高の返済に見合う価格で売れなくなると、そのまま持っていようと考える人も多いだろう。一方で、持っていても賃料収入が返済額を下回るようでは、キャッシュアウトが年々膨らむ無限地獄″に陥ることになる。
では、どうすればいいのか。こんな「不動産投資」はいますぐにやめて、「自宅投資」に切り替えることをお勧めしたい。
自宅はいつでも住宅ローンが史上最低金利で付くので値下がりしにくい。現在ならば、0.5%でローンが組めるのである。
また、税金も優遇されていて、住宅ローン控除で金利以上の還付金が10年間ついてくる。総額400万〜500万円還付金でもらえることになる。
物件価格の値下がり幅が投資用不動産より小さいのもポイントだ。
買う前に決着はついている
また住宅ローンは月々の返済で、元本の減り方の方が大きいので、売却した際に返済していた元本が物件の売却益として手もとに戻ってくる。しかも売却した際に値上がり益が出ても自宅なら3000万円まで譲渡所得税はかからない。
それだけではない。
自宅投資なら空室に悩まされることもなくなることも、理にかなっている。経費などの持ち出しも、不動産投資に比べて格段に安く抑えられるのだ。
物件毎に下げ幅が分かるように住まいサーフィンという無料会員制サイトで開示している。実はこれを使って不動産投資で儲けている人もいる。私自身は1億円以上儲けており、会員の平均含み益も2200万円である。だから私は「自宅投資」を勧めているのだ。
不動産投資で儲かるかどうかは、買う前にほぼ決着はついている。それは知っているか、知らないかだけの問題であり、どん欲にその方法を学ぶことは、住まいサーフィンを使えば可能だ。住まいサーフィンの会員には沖レクという動画コンテンツで教えている。
自宅は誰にでも必要だし、実に手軽な投資方法でもある。まずはそこから成功体験を積み上げてほしい。
不動産投資のキャッシュフローは、誰でも初年度が最も儲かるようにできている。しかし、おおむね翌年からはマイナスになり、やがてローン返済にも困るようになる。 そうなってからでは、もう遅い…https://t.co/XsbDGCSzOb #マネー現代
— マネー現代 (@moneygendai) 2019年6月20日
>スルガ銀行の不正融資事件である。
— 株汁㌠☀日足&月の暦 (@kabujiru) 2019年6月21日
この事件以降、銀行は個人の不動産投資への融資をほとんどストップしてしまったのだ。
>金融庁は全銀行に対して不動産投資の引き締めを行っている。
自己破産するサラリーマンが続出する「不動産投資」のヤバすぎる真実 https://t.co/TIjsvz0kzB #マネー現代
土地活用なんて嘘っぱちですよね。
— 空飛ぶキツネ (@flyingfox1968) 2019年6月21日
基本的に不動産はキャピタルゲインで儲けないとね。
所詮ババ抜きと同じ。https://t.co/gBMvw3Hw3S
契約してしまってから相談では遅いです。
— 終活人 (@shukatsubito) 2019年6月21日
相続対策でもみかけの節税ではなく、築後10年の時、空室5割でもペイできるのか?
自分でちゃんと計算おすすめします。https://t.co/7HMMQUMJCI
J-REITでええやんって話ですね。本当に利益が出る物件は業者が直接運用するか大口顧客に売って、その残りかすが一般庶民にあてがわれると考えた方がよさそう。/自己破産するサラリーマンが続出する「不動産投資」のヤバすぎる真実 https://t.co/Z7Vw8LU4ic
— フォーキー (@folkycarnival) 2019年6月21日