東京・池袋の暴走事故:運転の元官僚、 87歳が退院 !
「申し訳ありません」、 子供の交通事故を防ぐ !
元官僚の加害者・刑事司法制度への識者の見解・詳報は ?
(www.asahi.com:2019 年5月18日16時14分より抜粋・転載)
両手で杖をつきながら、目白署を出る旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長。事故で胸の骨が折れる、けがを負って、病院に入院していたが、この日退院し、事情聴取を受けた。
4月19日、東京・池袋で車が暴走し、母子2人が死亡、10人が負傷した事故で、運転していた、旧通産省工業技術院の飯塚幸三・元院長(87歳)が、5月18日、入院先の都内の病院を退院した。
警視庁は、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)容疑での立件に向け、目白署(東京都豊島区)で、任意で事情を聴いた。
◆池袋暴走、遺族の夫「まるで生き地獄」 今も仕事行けず !
元院長は、同日午後3時半前、署の正面出入り口に姿を見せた。帽子をかぶり、サングラスにマスク姿。両手で杖をつき、おぼつかない足取りで横付けにされたタクシーに乗り込んだ。この際、報道陣の問いかけに「申し訳ありません」と被害者への謝罪の言葉を述べた。
◆4月19日の暴走事故 !
事故は、4 月19 日午後0時25分ごろ、東京都豊島区東池袋4丁目の都道で発生。飯塚元院長の車が赤信号の交差点二つを含む区間を暴走して通行人らをはね、母子が死亡し、元院長と同乗の妻を含む10人が重軽傷を負った。元院長はこれまでの調べに「アクセルが戻らなかった。ブレーキが利かなかった」と話している。
(参考資料)
自民党政権・自公政権下、日本では、
刑事司法制度が、前近代に取り残されたままだ !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2019/05/15より抜粋・転載)
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1)車の暴走で、松永真菜さんと、莉子ちゃんを殺害する事件が発生した !
4月19日、池袋でトヨタ製乗用車プリウスが暴走し、自転車で、横断歩道を渡っていた、松永真菜さんと、娘の莉子ちゃんを殺害する事件が発生した。
加害者は、87 歳の無職・飯塚幸三氏(元キャリア官僚)である。
この事件の加害者は、いまなお逮捕されていない。
歩行者をはねて殺害する事故が多発しているが、基本的に、加害者の運転者が逮捕されている。
2)元キャリア官僚の飯塚幸三氏・加害者は、今なお逮捕されていない !
下級国民は逮捕され、上級国民は、逮捕されないとの批判が広がったが、説得力のある説明が示されないまま現在に至っている。
刑事司法の取り扱いは、国家の根幹に関わる重要事項である。
1789 年に制定されたフランス人権宣言は、最重要の規定は、自由権を奪う、刑事司法の行使に対する、明確な規制だった。
罪刑法定主義、適法手続き、無罪推定原則、などの規定が明記された。
国家権力が、身体の自由を奪うのが、刑事司法である。
その刑事司法行使に対して、厳重なチェックが、加えられなければならない。
3)自民党政権・自公政権下、日本では、
この刑事司法制度が、前近代に取り残されたままだ !
ところが、自民党政権・自公政権下、日本では、この刑事司法制度が、前近代に取り残されたままなのだ。これを象徴する事件が、池袋暴走殺人事件に対する、刑事司法当局の対応である。
事件を起こした車は、左側面をガードパイプに接触した後、速度を上げて、約70メートル先の交差点に進入して、自転車で横断中の70 代男性を、はねた。
さらにその先の交差点で、松永さん親子をはねた。
4)飯塚氏の車は、時速100キロを超すスピード
で、横断歩道に侵入、赤信号だった !
車は、時速100キロを超すスピードで、横断歩道に侵入したが、信号機は、いずれも赤信号であったと見られている。トヨタ製自動車プリウスの構造上の問題が、原因との可能性が、指摘されたが、その後の捜査によって、自動車に、異常は確認されていない。
通常、警察当局は、この種の事件の加害者を、逮捕して取り調べを行う。
ところが、今回の事件では、加害者が逮捕されておらず、メディアは、加害者に敬称をつけて報道した。同様の奇怪な対応が示された、重大事件があった。
5)2018 年2 月、元名古屋高検検事長の
加害者が、暴走して、歩行者を殺害した !
2018年2月に、東京都港区白金で発生した、自動車による、歩行者殺害事件である。
トヨタの高級車「レクサス」を運転していた、元名古屋高検検事長の加害者が道路の路肩でいったん停車し、知人を乗せようとした際に車が急発進して暴走した。
歩道を歩いていた、37 歳の男性がはねられて死亡した。
車は道路脇の金物店に突っ込んで建物の柱やシャッターなどをめちゃくちゃに壊した。
これも自動車による殺害事件である。
実はこの重大事件でも加害者が逮捕されなかった。
6)政官業癒着・安倍政権下、元高級官僚
の加害者は、いずれも逮捕されなかった !
池袋の歩行者殺害事件加害者の飯塚幸三氏の経歴は、以下のものである。
東京大学卒、経済産業省工業技術院長、株式会社クボタ副社長、2015年瑞宝重光章受章
元キャリア官僚で、トヨタを所管する、経済産業省出身者である。
2018年の白金事件の加害者は、石川達紘氏(79 歳、事件当時78歳)である。
石川氏の経歴は以下のものだ。
中央大学法学部卒、東京地検特捜部長、名古屋高検検事長、2009年瑞宝重光章受章、こちらも官僚出身で検察高官を務めた人物である。自動車運転の過失で歩行者を殺害している。
7)警察は通常、車の暴走・殺害事件の
加害者を、逮捕・取り調べ・起訴している !
警察は通常、この種の事件の加害者を逮捕して取り調べを行い起訴している。
ところが、池袋事件の飯塚氏、高輪事件の石川氏を逮捕していない。明らかに不正な対応である。
重要なことは、このような不正を主権者である国民が容認しないことだ。
主権者の代表者である国会議員は国会で徹底追及するべきだ。
国会会期中であるのに、国会が閉会しているような状況にあること自体がおかしい。
8)21 世紀の日本は、本来、腐敗し切った日本
の刑事司法の前近代性を是正すべきである !
腐敗し切った日本の刑事司法の前近代性が是正されなければ、日本は暗黒社会と呼ぶほかない。
刑事司法が腐敗しきっているのに、これが放置されているのが現代日本の現状だ。
権力の手先か、権力に媚びを売ろうとする者が、飯塚氏を逮捕しなかった理由を述べるがまったく説得力を持たない。権力の手先に成り下がろうとする者が存在することも見苦しいものだ。
9)自民党政権・自公政権下、日本の
刑事司法には、重大な三つの問題がある !
日本の刑事司法には重大な三つの問題がある。
第一は、警察、検察に不当に巨大な裁量権が付与されていること。
その裁量権とは、1.犯罪が存在するのに無罪放免にする裁量権と、
2.犯罪が存在しないのに無実の人間を犯罪者に仕立て上げる裁量権である。
第一の裁量権が警察、検察の巨大天下り利権の最大の背景になっている。飯塚氏が副社長を務めていたクボタに警察天下りが存在しないのかどうかをチェックすることも重要だ。
10 )第二の裁量権が、改革者への
人物破壊工作の背景になっている !
11 )小沢一郎氏の強制起訴を決定した、
捜査報告書は、「完全な虚偽調書」だった !
12 )検察は、石川氏への事情聴取内容とは、
全く異なる内容を、捜査報告書に記載した !
13 )基本的人権を尊重する、刑事司法の鉄則
は、「無辜の不処罰」だが、検察の実態は、違背だ !
14 )裁判所裁判官の人事権を内閣が握っている
ため、裁判所は、権力へ従属してきた !
15 )欧州の民主国家並みに、政権交代して、
日本の刑事司法制度を近代化すべきだ !
この日本の刑事司法制度を近代化しない限り、日本は近代国家にも現代国家にもなれない。
前近代に取り残された暗黒国家というのが日本の現状なのである。