4 月7 日・日曜討論:専門家が読み解く、英EU離脱・米中貿易摩擦について !
米中貿易摩擦について、他の識者の見解・詳報は ?
(tvtopic.goo.ne.jp:2019 年4月7日より抜粋・転載)
放送日 2019 年4月7日(日) 9:00〜10:00
放送局 NHK総合:
オープニング:09:00〜。太田真嗣と小郷知子が挨拶した。
○専門家が読み解く 英EU離脱・米中貿易摩擦
☆英国のEU離脱めぐる混乱について
スタジオでは英EU離脱めぐる混乱について解説された。2016年に国民投票で離脱派が勝利し、2019年1月15日に協定案の採決が行われたが国境管理問題などへの懸念から否決となった。その後、3月12日、3月29日でも否決となっている。
スタジオでは英EU離脱めぐる混乱について話題となった。専門家によると、中国はロンドンに不動産投資をしており、合意なき離脱によって受ける影響を気にしている人がいるという。また、トランプ大統領は統合に関してはネガティブに見ていると思われるとの見解が示された。
スタジオでは英EU離脱めぐる混乱について話題となった。専門家によるとEUは27カ国の結束を優先し、アイルランドを大事にすることで動いており、物理的な国境ができないようにというアイルランドの要望を優先してイギリス側に飲ませたというのが合意案の大枠であったという。
◆英国のEU離脱めぐる動きについて
スタジオでは英EU離脱めぐる動きについて解説された。EUは現在、28カ国が加盟し人口は5億人超となっている。第二次世界大戦の反省を踏まえて設立され1958年設立のEECが母体となっている。専門家によると現状は苦しく、ヨーロッパの統合に批判的な政権が生まれていく、統合の弱まりが強まっていったのは否定できない流れであるという。
スタジオでは英EU離脱めぐる動きについて話題となった。専門家によるとイギリスが離脱することによって今までのものとは違ったEUになってしまうという意味では、マイナスの要素も大きいという感じがするという。
◆英国のEU離脱めぐる動きと中国の戦略について
スタジオでは英EU離脱めぐる動きと中国の戦略について解説された。中国の習近平国家主席はイタリアのコンテ首相と会談し、一帯一路に関する覚書を交わしイタリアのインフラ整備の協力などで合意となった。その後、習近平国家主席はユンケル委員長、マクロン大統領、メルケル首相と会談し、地球温暖化やWTO改革などで連携を深めていくことで一致した。
スタジオでは英EU離脱めぐる動きと中国の戦略について解説された。専門家によると、トランプ政権の誕生はヨーロッパ側にとっては警戒心を呼び起こし、脅威とまで認識されていると思われるという。また、中国とロシアの接近について、EUを味方につけようとする動きがどこまで成功するか先が見えないとの意見が挙がった。
◆英国のEU離脱めぐる動きについて
スタジオでは英EU離脱めぐる動きについて解説された。EUの国内総生産は17兆3000億ドルで、このうちイギリスは2兆6000億ドルとなっており経済規模はEU内で第2位となっている。合意なき離脱によって関税復活と通関手続きが必要となり経済への影響も懸念されている。
スタジオでは英EU離脱めぐる動きについて解説された。専門家からは、EU全体で1つの国のようにして供給網のネットワークを構築してしまっているので、これを組み替えていくというのは至難の技であるとの意見が挙がった。
◆米中貿易摩擦について
スタジオでは米中貿易摩擦について解説された。アメリカと中国は、中国の知的財産権侵害をきっかけに関税上乗せを繰り返してきた。トランプ大統領は先月1日の交渉期限延期について、関税引き上げ措置を先送りし中国との交渉を続けてきた。
スタジオでは米中貿易摩擦について解説された。中国側の対応について専門家によると、中国は外圧を利用して国内の改革を推進しようとしているという。また中国が焦っているというのはアメリカが思いたいことであるという。
※キーワード:メイ首相・EU・トランプ大統領・ロンドン(イギリス・中国・アイルランド・イギリス・EEC・習近平国家主席・コンテ首相・マクロン大統領・メルケル首相・ユンケル委員長・プーチン大統領・ホンダ・パナソニック・アメリカ
エンディング (その他):09:59〜
太田真嗣らが挨拶した。
☆キャスト:藤原帰一(東京大学)・薮中三十二・細川昌彦・山崎加津子・瀬口清之
・遠藤乾
☆司会者:太田真嗣・・小郷知子
(参考資料)
2018 年3 月になると、トランプ大統領に
よって米中貿易戦争の火ぶたが切られた !
(「植草一秀の『知られざる真実』」:2019/04/05より抜粋・転載)
────────────────────────────────────
1)中国株価の急落後、昨年10月以降、
世界経済には大きな不安が広がった !
昨年10月以降、世界経済には大きな不安が広がった。
きっかけは、中国株価の急落だった。
中国の国慶節の連休明けに、中国人民銀行が、預金準備率を引き下げた。
金融緩和措置であり、通常なら金融市場は、これを景気支援要因として受け止める。
ところが、中国株価が、4%近くも急落した。
理由は、いよいよ中国経済の底割れが生じる、との警戒感が広がったことにある。
中国株価は、昨年1月末までは、順調に推移していた。
2)2015 年後半に、中国株価が急落し、
2018 年1月末に、NY株価が急落した !
2015 年後半に、中国株価が急落して、2016年、中国経済が崩落するのではないかとのリスクが警戒されたが、このときは、中国政策当局が、政策を総動員して危機を封じた。
2016 年2月に中国上海で、G20会合が開かれ、主要国の政策総動員が確認された。
中国経済は、緩やかながらも底入れを実現し、2018 年1月には、株価も反発傾向を強めていた。
ところが、2018年1月末に、NY株価が急落して、中国株価も影響を受けた。
3)2018 年3 月になると、トランプ大統領に
よって米中貿易戦争の火ぶたが切られた !
さらに、3月になると、トランプ大統領によって米中貿易戦争の火ぶたが切られた。
トランプ大統領が中国の対米輸出に制裁関税をかける方針を明示したのだ。
実際に7月以降、制裁関税が発動され、順次拡大してきた。
米中貿易戦争の拡大を受けて中国株価が下落を続けた。
10月初旬に中国株価が急落すると、これを契機に史上最高値を記録していたNYダウが急落した。
中国株価は、年初からの下落率が、3割を超えた。
主要国の株価も2割の急落を演じた。
4)世界的な株価下落のもう一つの背景
は、米国の金融引締め政策である !
世界的な株価下落のもう一つの背景は、米国の金融引締め政策だった。
2018 年に、米国FRBは、4度の利上げを実行した。
12 月に利上げを決定した際には、その利上げを、2019 年にさらに2回、2020 年に1回実施する見通しが示された。
米国の強力な金融引締め政策方針が世界経済の先行きに対する警戒感を一気に高めることになった。
2018 年末に向けて、グローバルな株価下落が加速したのである。
ところが、ここから事態は急変する。
5)2019年1月、パウエル議長が、
金融政策運営の路線転換を明言した !
1月4日、米国FRBのパウエル議長が金融政策運営の路線転換を明言した。
FRBの金融引締めをもっとも強く批判してきたのはトランプ大統領だったが、大統領府が利上げ禁止命令を出せば出すほど、FRBは利上げをせざるを得ないというジレンマに追い込まれた。
中央銀行が政治権力の支配下に置かれるという図式が金融政策に対する信認を失わせる原因になるからだ。FRBのパウエル議長は、ワンテンポずらして、金融政策の路線転換を示した。
6)米国FRBは、2019 年の利上げ
見通し回数を0回に変更した !
その後、FRBは、実際に政策運営を変更し、3月のFOMCでは、2019 年の利上げ見通し回数を0回に変更した。
他方、中国政策当局は、中国経済の悪化に対応して、再び政策を総動員する方針を明示し始めた。
3月に開催された全人代で、2019 年の実質GDP成長率見通しを6%台前半に設定した。
2018 年と比較して、中国経済が減速する見通しを明示した。
しかし、中国当局は、33兆円規模の減税ならびに、30兆円規模のインフラ整備の方針を打ち出した。
政策を総動員して中国経済の底割れを回避するスタンスを明示したのである。
7)米中通商協議の妥結に向けて、
中国が譲歩を重ねる姿勢を鮮明にした !
同時に、米中通商協議の妥結に向けて、中国が譲歩を重ねる姿勢を鮮明に示し始めた。
こうした政策対応を受けて、主要国の株価が大幅に反発している。
主要国の政策協調が世界経済の危機を回避する重要な要因になる。
そのなかで、ひとり日本だけが逆方向の政策を示している。
2019 年10 月に、消費税率を、10%に引き上げる方針を堅持しているのだ。
このことについて、4月4日付けのウォール・ストリート・ジャーナルが、「不安出ずる国、日本の消費増税」と題する社説を掲載した。
8)日本の消費税増税政策は、国際政策協調
の視点からも批判を浴びる !
日本の消費税10 %増税政策は、国際政策協調の視点からも批判を浴びるものになる。
安倍内閣は最終的に消費税増税を再々延期する可能性がある。
その場合には、7月21日の選挙が衆参ダブルになる可能性が高い。
このことを前提に選挙対応を構築する必要がある。
現状で野党の選挙対策は、ボロボロの状態にある。
安倍政治に、終止符を打つことへの意気込みが見られない。
―以下省略します―