アメリカでは21世紀になってから
ハリウッド映画とドラマの力関係が完全に逆転した。
LOST
プリズンブレイク
フリンジ
ゲーム・オブ・スローンズ
ウェスト・ワールド他
巨額の投資で
それなりの回収が可能になった市場性を
見据え
様々な魅力的なドラマが製作されている。
私事で恐縮だが
年末年始に
海外ドラマを観たのは
以下の通りだが
いずれも力作ぞろいであった。
ブラックリスト
グッドドクター
スタートレック
ソルベーション
特にお勧めしたいのが
ブラックリストである。
主人公のお尋ね者レイモンドが、
FBIに情報提供しながら
間接的に己の欲望をFBIを利用しながら
「毒は毒を持って制す」手法で
実現させる。
FBIも
レイモンドに感化され
「毒は毒を持って制す」という
ルビコン川を渡ることになる。
しかし、
そのレイモンドの野望達成を
実現させたとしても結果的に
レイモンドやFBIは、
多くの代償を支払ことにもなるし
当たり前だがレイモンドが
愛してやまないリジーのハートをつかむ事が
できないばかりか、
リジーの心はどんどんレイモンドから
離れていく・・
まあ、物語の背骨はどこにでも
ある中年男、初老の男の
決して成就することのない
失恋の物語である。
ただ、単なる足長おじさんのドラマではないのは
やはり、
徹頭徹尾、勧善懲悪を排除し、
英雄崇拝、
ひたすら
レイモンドを悪の権化に描き続けることだろう。
夥しい数の悪人が登場し、
その悪人をその悪人たちより
はるかに悪人であり
はるかに頭がよく
はるかに決断力に優れ
はるかに勇気のある
はるかに残忍な
レイモンドが
極悪人を徹底的に
淡々と射殺する。
とてつもない悪人たちを
躊躇なく射殺する
レイモンド
見ている人は爽快感に浸れるはずである。
そして、そのレイモンドは
一番の悪人なのである。
現在、ブラック・リストは
シーズン6まで放送されたそうだが、
とりあえず、
この悪の世界の縮図を
レイモンドという悪人を通して
忠実に具現化している。
まあ、世の中、あんなものである。