経済指標・コメント2019年1月24日 / 17:23 / 24分前更新
日銀が輸出版ヒートマップ、減少の可能性を可視化 警戒示す指標も
Reuters Staff
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[東京 24日 ロイター] - 日銀はこのほど、日本の輸出が先行き大幅に減少する可能性を可視化した輸出版のヒートマップを作成し、1月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の全文に掲載した。それによると、現状は過去のITバブル崩壊やリーマンショックほどの強いシグナルは観察されないものの、海外経済を巡る不確実性が高まる中で、落ち込みを示唆する指標も増えている。
日銀作成のヒートマップは、金融活動の過熱と停滞を判断するために金融システムリポートで公表している「金融活動指標」が有名だが、今回はその輸出版といえる。
日本の実質輸出の落ち込みに対して予測可能性が高いとみられる18指標で構成されており、それぞれの指標の変動が一定範囲よりも下振れた場合を「青色」、範囲内にあるがトレンドとかい離している場合を「水色」、ほぼトレンドに沿っている場合を「緑色」で表記した。
18指標は地域間や企業・家計のバランスなども配慮し、約250種類の中から抽出。グローバル製造業PMIや世界自動車販売台数、日本製造業PMI、米国のISM製造業景況感指数、中国の金属加工機械生産台数などのほか、金融関連指標ではMSCI株価指数、VIX指数が含まれる。
過去の推移をみると、リーマンショックが発生した2008年には、大半の指標が先行きの大幅減少を示唆する「青色」となり、ITバブルが崩壊した2001年、欧州債務問題が深刻化した2012年も「青色」の割合が高まった。
足元では、米中貿易摩擦の激化などを背景に、世界経済の先行き不透明感が強まっているものの、2018年末時点では「青色」が世界自動車販売台数、中国金属加工機械生産台数、VIX指数の3指標となっており、日銀では「低い水準にとどまっている」と判断している。
もっとも、全指標が「緑色」だった2017年に対し、シグナル発生の手前となる「水色」を付けた指標も複数あり、警戒感は着実に高まりつつある。
日銀は同リポートで、海外経済について「下振れリスクは、このところ強まっているとみられ、わが国の企業や家計のマインドに与える影響も注視していく必要がある」と警戒感を一段と強めている。 (伊藤純夫)
https://jp.reuters.com/article/boj-export-idJPKCN1PI0V6
大手機関投資家が長期債に傾斜−「不適切な」利上げ欲求の沈静化予想
John Ainger、Cecile Gutscher
2019年1月24日 14:14 JST
• アクサとJPモルガンAM、ポートフォリオのデュレーション延ばす
• 利上げをしたいという金融当局の欲求は「不適切」だった−ダリオ氏
ヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエーツ創業者のレイ・ダリオ氏は22日ダボスで、利上げをしたいという米連邦準備制度の欲求は「不適切」だったと発言した。アクサ・インベストメント・マネジャーズやJPモルガン・アセット・マネジメント(AM)などの機関投資家は、こうした欲求が沈静化するとみている。
両社は長期債を買い増している。成長減速の中で当局者の今年の金融引き締めの決意が揺らぐと確信しているためだ。
アクサの最高投資責任者(CIO)、アレッサンドロ・テントリ氏は「成長とインフレ見通しの下方修正の環境では常に、デュレーションを長くするのが良策だ」とし、「投資家は昨年、金融政策正常化、特に量的緩和(QE)の縮小を恐れていたが、このリスクは今では希薄化した」と話した。
JPモルガンAMのEMEA市場チーフストラテジストのカレン・ウォード氏は「貿易協議がうまくいかなければ、デュレーションを延ばすのが確実にポートフォリオにプラスだ」と述べた。同社は米国債を通じてデュレーションを延ばしているという。
レイ・ダリオ氏
ソース:ブルームバーグ)
原題:Fed Pot Shots at Davos Met With Big Bets on Interest-Rate Limbo(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-24/PLTK8N6JIJUQ01?srnd=cojp-v2
超長期債が上昇、プラス利回りに資金シフトの流れ−20年債入札は順調
三浦和美
2019年1月24日 8:03 JST 更新日時 2019年1月24日 16:01 JST
債券市場では超長期債が上昇。長期金利がゼロ%付近で推移する中、比較的利回り水準の高い超長期債に資金がシフトする動きとなった。この日に実施された20年債入札が順調な結果となったことも超長期債相場の支えとなった。
20年物166回債利回りは、日本相互証券の前日午後3時の参照値より0.5bp低い0.445%、30年物61回債利回りは1bp低い0.66%と、いずれも4日以来の低水準
40年物11回債利回りは1.5bp低い0.75%、新発債として2016年12月以来の水準に低下
一方、長期国債先物3月物の終値は前日比2銭安の152円53銭。長期金利は小幅上昇
市場関係者の見方
SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジスト
10年債利回りがゼロ%に近い水準にあり、プラス利回りの超長期債を買いにいっている
日本銀行の物価見通し引き下げを受けて、しばらく出口の議論はないという見方が働いている
ただ、10年超の日銀オペが月内にあと1回しか実施されない上、40年債入札も控えて需給面で不安残る
金利の絶対水準もだいぶ低下しており、いったん小休止になってもおかしくない
20年利付国債(167回債)入札
最低落札価格100円55銭と市場予想の100円50銭を上回る
投資家需要の強さを反映する応札倍率は4.57倍に上昇
小さいと入札の好調さを示すテールは4銭に縮小
SBI証の道家氏
投資家の先回り買いが入り、ショートカバーが促される格好になった
過去の20年入札の結果
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 5年債 10年債 20年債 30年債 40年債
-0.165% -0.155% 0.005% 0.445% 0.660% 0.750%
前日比 +0.5bp +0.5bp +0.5bp -0.5bp -1.0bp -1.5bp
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-23/PLRVTO6TTDS701?srnd=cojp-v2
TOPIXは反発、割安感から金融や電機、素材に買い−内需一角重し
長谷川敏郎
2019年1月24日 7:45 JST 更新日時 2019年1月24日 15:22 JST
前日の米国株は悪材料を吸収して反発、VIXも節目の20を下回る
日本株はPER面で出遅れとの見方、売買代金は依然低調
24日の東京株式市場ではTOPIXが3日ぶりに反発。企業収益からみた株価は売られ過ぎとして割安感を手掛かりに銀行や証券など金融株が買われ、過度な業績懸念が後退した半導体関連中心に電機や化学株も上昇。陸運や食料品など内需関連の一角は下落した。
TOPIXの終値は前日比5.57ポイント(0.4%)高の1552.60
日経平均株価は同19円09銭(0.1%)安の2万0574円63銭、3日続落
アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「前日の米国株は悪材料が出てもVIXが低下するなど底堅くなってきた。投資家のリスク許容度を超えるボラティリティーが収れんしてきている」と指摘。同氏はまた、景気や企業業績の悪化をマーケットが織り込み過ぎたとし、「日本株は米国株などに比べた割安感からなお戻り余地がある。金融や景気敏感など売られ過ぎたセクターが見直されている」と述べた。
米大統領経済諮問委員会(CEA)のハセット委員長は23日、米政府機関の一部閉鎖が3月末まで続いた場合、1−3月の経済成長がゼロになる可能性があるとCNNとのインタビューで述べた。23日の米国株は荒い値動きながらもディフェンシブ関連や好決算銘柄がけん引して反発で終了。米国株のボラティリティーの指標であるVIXは19.5と、20を下回った。
野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは「年初からの戻りのモメンタムに一服感が出ており、来週の決算発表の本格化待ち」とした上で、決算については「リビジョンインデックスがマイナスでも、マイナス幅が縮小する際に株価が上昇する傾向がある。市場が想定している修正幅でなければ、底固めからポジティブな展開になりそうだ」とみていた。
もっとも、これまで相対的に底堅かった内需関連の一角は下げ、日経平均株価は小幅に続落した。アイザワ証の三井氏は足元の底堅さを評価する一方で、中期的な相場の先行きが「明るいかどうかは決算内容を見ないと分からない」と話していた。オプション市場からみた投資家の警戒感も根強く、売買は盛り上がらなかった。
日経オプション市場からみた投資家の警戒姿勢はこちらをご覧ください
東証33業種は証券・商品先物取引や銀行、化学、電機、情報・通信、鉄鋼が上昇
陸運、食料品、電気・ガス、サービス、不動産、小売は下落
東証1部売買代金は1兆8898億円−4日連続の2兆円割れ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-23/PLT2BA6K50Y401
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/704.html