#Bloombergもタイトルで不安を煽ることもあるようだが
#現実には 100円程度であれば問題ない 政府が財政政策で対応すべきと書いてある
数カ月で100円の円高も、景気後退でも日銀に打つ手なし−門間前理事
日高正裕、藤岡徹
2019年1月9日 5:00 JST
為替だけで日本経済がぐらつくことは100円程度であれば全くない
1月会合では景気・物価見通しを下方修正へ、政策は全く変わらず
日本銀行前理事の門間一夫氏は、今年は世界経済が同時減速する局面に入るため、リスク回避の傾向が強まり、今後数カ月で1ドル=100円程度まで円高が進む可能性が十分あるとみている。仮に景気後退に陥っても日銀に打つ手はなく、政府が必要と判断すれば財政政策で対応すべきだと主張する。
門間氏は8日のインタビューで、世界経済の減速で「安全通貨として円が買われやすくなる局面は出てくる」とし、「向こう数カ月で100円くらいまで円高が起こっても全く驚かない」と語った。ただ、「世界同時減速といっても調整色が少し強まる程度で済めば大したことはないし、日米とも景気後退まで行かない」と予想。「為替だけで日本経済がぐらつくことは100円程度であれば全くない」との見方を示した。
米中貿易戦争の深刻化など世界経済の下振れリスクが顕在化すれば当然日本も影響を受けるが、その場合も、日銀は「副作用より効果の方が確実に大きいと判断できるような有効な手段を持っておらず、基本的に追加緩和はできない」と指摘。何らかの景気対策が必要だと判断される場合は「財政政策でやればよい」と述べた。
日銀は22、23日に今年最初の金融政策決定会合を開き、四半期に1度の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、2020年度までの実質成長率と消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)前年比の見通しを示す。昨年10月時点の政策委員の中央値は、実質成長率が18年度1.4%、19年度と20年度が0.8%、コアCPIが18年度0.9%、消費増税の影響を除き19年度が1.4%、20年度が1.5%。
門間氏は今月の会合について、「景気も物価も下方修正だろうが、だからといって追加緩和ができるわけではないし、正常化方向で見直しをする環境でもない」と指摘。経済、物価の見通しは変わるが、「政策は全く変わらない」と予想した。
今年の金融政策運営に関しては、「前半はもう少し減速感が強まっていく可能性が高く、それを超えて悪くなるリスクもあるので、正常化方向の議論はする必要はないし、すべきでもない」としつつ、指数連動型上場投資信託(ETF)購入やマイナス金利、長期金利0%は「相当極端な政策なので、もう少し正常な方向に近づけられるような考え方をすべきだ」と語った。
その上で、「首尾よく行けば、今年後半にもう少し景気の底が固まり、先行きの展開が見えてくる可能性は十分あるので、環境が良くなった時機を捉え、極端な政策をやめていく議論を遅滞なく行っていくことが課題になる」との見方を示した。
門間氏は東大経済学部を卒業後、1981年に日銀に入行し、調査統計局長や企画局長、企画担当理事を歴任した。2016年5月にみずほ総合研究所に入社、エグゼグティブエコノミストを務める。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-08/PL02336TTDS001?srnd=cojp-v2
パウエル議長が示唆した利上げ停止の選択肢、16年に比べ効果薄か
Matthew Boesler
2019年1月9日 7:20 JST
• ほぼ1年にわたり金利を据え置いた16年のエピソードに議長は言及
• イエレン氏が「自動安定化装置」と呼んだ効果、今回頼りにできず
米金融当局にとって、2019年の幕開けは世界経済の成長を巡る懸念が金融市場を何カ月も揺さぶった16年の情景と極めて類似したものに映っているだろう。
実際、4日に発言したパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、金融当局がほぼ1年にわたって金利を据え置いた16年のエピソードに触れ、当局として必要と判断すれば柔軟に対応することができる点を強調した。
パウエルFRB議長
Photographer: Elijah Nouvelage/Bloomberg
16年のケースと同じように、漸進的な利上げキャンペーンを停止する選択肢が金融当局にあるのは確かだ。だが、動揺を落ち着かせる効果は前回ほど大きくはないかもしれない。
当局者は16年初めの段階で同年中に0.25ポイントずつ計4回の金利引き上げを予想していた。しかし、株価の下落によって軌道修正を余儀なくされ、結局、利上げしたのは12月の1回だけに終わった。
16年の混乱時を振り返ると、金融当局者の間に様子見姿勢が広がると投資家が想定し、その結果、長期金利が押し下げられて、金融情勢の引き締まりが多少和らげられた。イエレンFRB議長(当時)が同年3月に米経済にとっての「自動安定化装置」と呼んだこうした効果のおかげで、米経済は混迷期を脱し、現在も続く同国の景気拡大局面は7月を乗り切れば最長となる。
ただし、今の金融当局者にこうした自動安定化装置を頼りにする余裕はない。当局者は昨年12月に公表した最新の経済予測で19年中の2回の利上げを予想したのに対し、投資家は年内の利上げよりも利下げの公算の方が大きいと見込んでいるためだ。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの世界経済調査共同責任者、イーサン・ハリス氏は、金融当局者が利下げに傾斜していない状況の下、議会は手詰まり状態にあり、トランプ政権が中国との間で繰り広げている貿易戦争は不確実性を増しており、金融当局は困難な立場に置かれていると話した。
TDセキュリティーズの米国担当チーフマクロストラテジスト、マイケル・ハンソン氏は金融当局者について、「労働市場の逼迫(ひっぱく)に対し、過剰反応よりも過小反応の方がリスクが大きいと引き続き考えている。金融当局は利下げするとは言っていないし、利上げを停止するとも言明していない」と指摘した。
原題:Fed May Get Less Bang for the Buck If It Repeats 2016 Rate Pause(抜粋)
FOMC議事要旨:当局者間の温度差が注目点か−利上げ決定で
Christopher Condon
2019年1月9日 16:18 JST
• 昨年12月の会合ではFOMCメンバー全員一致で利上げを決めた
• 声明の文言微調整巡りどのような議論があったかにも関心
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は4日、「政策を迅速に調整する用意」があると述べ、それまでよりも金融市場に安心感を与える発言を行った。このため投資家の関心は、その2週間余り前の昨年12月18、19両日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)から移っているかもしれない。
それでも、米東部時間9日午後2時(日本時間10日午前4時)に公表されるFOMC議事要旨の情報的価値が下がるわけではない。昨年12月のFOMCでは、金利据え置きを求めるトランプ大統領からの圧力や株価下落にもかかわらず、同年4回目となる利上げをメンバー全員一致で決めるとともに、2019年の利上げ回数を2回とする見通しが示された。
最新の議事要旨からは、こうした決定や見通しを巡り、金融当局者の認識がどの程度一致していたのか、重要な手掛かりが得られる可能性がある。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの米経済担当責任者、ミシェル・マイヤー氏は「FOMC内の議論について感触をつかむことができると考えられ、議事要旨の内容には引き続き価値がある」と述べるとともに、金利政策は「なおもFOMCで決まるものであり、内部の見解の相違を理解するのは重要だ」と指摘した。
12月の利上げは広く予想されていた一方、FRBウオッチャーの多くは19日公表の声明で、政策金利の「さらなる漸進的引き上げ」を見込む文言が削除されてハト派姿勢にもっと傾斜すると予想していた。しかし、実際の声明の表現は「幾分かのさらなる漸進的引き上げ」に微調整されるのにとどまった。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニアエコノミスト、サラ・ハウス氏は「『幾分かのさらなる漸進的』の部分についてもっと踏み込んだ議論があったのは確かだろう」とし、議事要旨では「この部分を残した理由や、その判断にどの程度の賛否があったかが分かる可能性がある」と話した。
原題:Fed Minutes to Reveal Debates Behind Unanimous Decision to
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-09/PL1XTK6S972801
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/502.html