社内に飛び交った報酬問題 志賀COOを切り捨てた真の理由 日産ゴーン 腐食の原点
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2018/12/21 日刊ゲンダイ
求心力は低下(C)日刊ゲンダイ
「日産GT2012」はリーマン・ショックを受けて「一時中断」されたが、二度と再開されることはなかった。新たな成長計画として打ち出したのが「日産パワー88」だ。「88」は世界市場シェア8%、営業利益率8%の目標を示す。
しかし、2012年3月期から17年3月期までの6年間に及ぶこの計画は最初から「骨抜き」だった。成長計画の相次ぐ未達で経営責任を問われてきたカルロス・ゴーンは、「コミットメントではない。必達目標ではなく努力目標」と予防線を張る。計画を発表する時点でトップが「逃げ」を打つようでは、社内が達成に向けて盛り上がるはずもない。
業績は伸び悩み、ゴーンの日産自動車社内での求心力はますます低下。大手マスコミも「ゴーン神話の終わり」とあげつらった。さすがのゴーンも責任回避は難しいとみて身代わりを差し出す。それが志賀俊之最高執行責任者(COO)だ。
志賀は提携当初からルノーによる日産支配を推進してきたゴーンの側近中の側近。その志賀を14年3月期中間決算での業績不振を受けて、13年11月1日付でCOOを解任し、実権のない副会長に左遷したのである。
この時、日産社内ではある噂が飛び交っていた。それはゴーンが志賀を切った理由は業績不振だけでなく、「ゴーンが日産での報酬を10億円以上とするよう求めたことに難色を示したから」というのだ。
志賀が「日本でこれ以上の報酬は反感を買う」と押しとどめた10億円超えに「ゴーサイン」を出した役員こそ、志賀の後任として14年4月にCOOとなった西川広人だ。社内では「ゴーンの10億円報酬と引き換えに、西川が昇格したのではないか」と揶揄された。それが事実かどうかは分からない。ただ、西川がCOOに昇格した15年3月期にゴーンの報酬は10億円を超えた。
社内で求心力を高めてイエスマンではなくなった志賀を切り捨て、自分への忠誠心が厚い西川をCOOに据えたゴーン。「日産の長期支配は盤石になった」と確信しただろう。が、まさにこの時、彼の「ファイナル・カウントダウン」(最後の秒読み)が始まった。 =つづく
(経済ジャーナリスト・井上学)
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— 黒色支那 (@dpll_2) 2018年12月21日
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— KK (@Trapelus) 2018年12月20日
志賀COOを切り捨てた本当の理由
社内に飛び交った報酬10億円問題
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