外国人労働者問題:在ベトナム日本大使館員が告発 !
外国人実習生の悲惨な実態を !
野党の見解・詳報は ?
(www.nikkan-gendai.com:2018年11月9日 9時26分より抜粋・転載)
日刊ゲンダイDIGITAL:ベトナム側の問題だけに言及(C)
安倍政権は、今国会で入管法を改め、来年4月からの外国人労働者の受け入れ拡大をもくろんでいる。現状でも外国人技能実習制度が悪用され、「実習生」は低賃金で過酷な労働を強いられているのも、お構いなし。耐えかねた実習生の失踪は年間7000人超である。
ベトナムは、最多の12万人の技能実習生を、日本に送り出しているが、現地の日本大使館の現役書記官までが、「ベトナムの若者の人生を、メチャクチャにしている」と警鐘を鳴らしている。
■大使館にとって最重要課題 !
安倍首相は臨時国会の所信表明演説で「入管法改正」を訴えた中で、半年前に来日したベトナムのクアン国家主席(9月21日死去)との会話を取り上げた。
「(クアン主席が)来日の際、訪れた群馬の中小企業では、ベトナムの青年が、日本人と同じ給料をもらいながら一緒に働いていた。そのことをクアン主席は大変うれしそうに私に語って下さった」
7日の参院予算委員会で小池晃議員(共産)は「群馬のケースはごく一部だ」と指摘しながら、紹介したのは在ベトナム日本大使館がリリースしたセミナーの記事だ。
10月13日にベトナム・ハティンで開催された日越人材育成交流会。訪日希望の学生や教育関係者ら240人が参加した。日本大使館を代表して桃井竜介1等書記官があいさつ。多くのベトナムの若者が日本で働いていることを喜びつつ、こう語ったのだ。
◆悪徳ブローカー、悪徳業者、悪徳企業が跋扈している !
<ベトナムは(日本での)技能実習生の失踪者数、犯罪検挙件数がワースト1位。ベトナムの若者は決して最初から犯罪をしようと思って日本に行っているのではなく、犯罪をせざるを得ない状況に追い込まれています。
ベトナムそして日本において、悪徳ブローカー、悪徳業者、悪徳企業が跋扈しており、ベトナムの若者を食い物にしています>
<日本におけるベトナムのイメージ、そしてベトナムにおける日本のイメージが悪化することを懸念しています。本問題は大使館にとって最重要課題です>
あいさつをした桃井書記官に改めて話を聞くと、「ベトナムだけでなく、日本側の受け入れる管理団体や企業にも悪いところはあると思います」と語った。
技能実習生の現状を見るに見かねた大使館の異例の“あいさつ”ではないか。
小池氏に見解を聞かれた河野太郎外相は「ベトナム国内で、ベトナムの若者の夢を損なうようなブローカーが跋扈していることは重大な課題だ」と、あえてベトナム側の問題だけに言及した。
■前のめり、安倍政権は聞く耳を !
安倍首相も河野外相も、都合のいい一部だけを見て、日本が悪い悲惨な実態からは目をそらす。そうして、外国人労働者受け入れ拡大に前のめりになっているが、半年でマトモな受け入れ態勢を築くのは不可能だ。
例えば、ベトナム人実習生は12万人もいるのに、厚労省には、ベトナム語ができる相談員はたったの1人しかいない。週2回、面談や電話で相談を受けているというから、あまりにもショボ過ぎる態勢だ。
小池氏は「来年の4月までに、これだけの問題が山積しているものが解決できるのか。決意だけ語って、ボロボロの臨時国会で通すなど許されない」と法案の撤回を求めた。
見切り発車で外国人労働者を拡大すれば、国際社会における日本のイメージは奈落の底だ。
(参考資料)
T 入管法改正案審議の在り方をめぐり
辻元国対委員長が自民党に申し入れ
(cdp-japan.jp:立憲民主党:2018年11月7日より抜粋・転載)
辻元清美国会対策委員長は28日午前、自民党の森山国対委員長と国会内で会談。立憲民主、国民民主、無所属の会、共産、自由、社民の6党・会派の国対委員長での合意事項として(1)予算委員会集中審議の開催(2)入管法改正案の審議の在り方――について申し入れしました。
辻元委員長は、会談後に記者団の取材に応じ、入管法改正案の審議をめぐっては、予算委員会の質疑を通じて、法務省だけではなく厚生労働省や国土交通省、農林水産省、経済産業省、外務省など多岐にわたる問題があることがはっきりしたとして、連合審査を開くべきだと指摘。
これについては、同法案の所管である法務委員会の与野党の筆頭理事同士で協議することを確認したと述べました。
会談ではまた、2017年1年間で失踪した技能実習生が7千人を超し、そのうち入管で発見された約2,800人に対しては「なぜ失踪したのか」「どんな現状で働かされていたのか」など聞き取り調査を行っていることから、辻元委員長は自民党に対し、法務省にあるという、この2,800人分の聞き取りの個票を速やかに示すよう要請。
あわせて、政府は初年度の受け入れを約4万人と想定しているとメディア報道があり、これに関して山下法務大臣が「今回の法案による外国人材の受け入れの(初年度の)見込み数を、なるべく近日中にお示ししたい」と国会答弁したことを受け、その内訳を早急に示すよう求めました。
これに対して自民党は、与党からも政府に伝え、実現できるようにすると返答したと述べました。
会見で辻元委員長は、法案を審議するに当たっては前提となる状況把握が必要だと強調。政府はどの分野でどれだけ人手不足なのか、「単純労働」や「移民」をどう定義するのか等説明する必要があるとの考えを示し、「白紙委任の法案で審議に入るわけにはいかない」と述べました。
U 【参院予算委】「外国人雇用は技能実習制度を
土台にすべきでない」足立信也議員
(www.dpfp.or.jp:国民民主党:2018年11月7日より抜粋・転載)
国民民主党・足立信也議員:
参院で7日、2018年度補正予算審議のため予算委員会の2日目の総括質疑が開かれ、国民民主党から足立信也議員が質問に立った。
冒頭、安倍政権が掲げている全世代型社会保障改革について触れ、「人生100年時代」の概念やロンドンビジネススクールのマネジメント実践教授リンダ・グラットン氏が提唱した「ライフ・シフト」の重要性について安倍総理と関係閣僚に確認した。
特に少子高齢化が進む日本では教育とヘルスリテラシー(健康面での適切な意思決定に必要な医療情報を利用する個人的能力の程度)の重要性を国民に広く示すよう求めた。
また、教職員や公務員の働き方改革を進めるよう求めた。
そして、政府の高齢者雇用政策について「70歳まで働けることを選べることは大切だが、国民の皆さんが一様にそうですよという考え方をとるべきではない」と問題提起した。
政府の外国人雇用政策については、まず特定技能者の雇用保険、社会保険、生活保護の適用や個人の特定のためのマイナンバーの活用について政府の方針を確認した。
関係閣僚から雇用保険、社会保険は適用されるが、生活保護は適用されない、マイナンバーは在留状況の把握が難しいため活用しないとの回答があった。
足立議員は外国人の日本語教育について政府を挙げて取り組むよう申し入れた。
また、外国人の健康保険加入が今後も増加することについて、外国人労働者の家族に日本人と同様の高額医療制度や出産一時金などが適用されることにより財政負担が増えることに慎重な制度設計を求めた。
今年6月に米国務省人身取引監視対策部から日本が「過剰な金銭徴収、強制労働」について勧告された件をふまえて、「技能実習制度は失踪者が去年は7千人、今年は半年で4千人以上となっている。
この技能実習制度を土台に外国人の方に働いていただく枠組みを考えるのは間違っていると思う」と問題提起した。
最後に片山さつき地方創生担当相の埼玉県浦和市にある看板が公職選挙法違反に該当しないか質問した。
V 外国人労働者、劣悪条件のまま拡大か ?
屈辱的な日米地位協定は改定を ! 人権・国の主権 姿勢問う
(www.jcp.or.jp:共産党:2018年11月8日より抜粋・転載)
小池書記局長が追及 参院予算委:
「これほどの人権侵害はない」「これで主権国家といえるのか」―。日本共産党の小池晃書記局長は、11月7日の参院予算委員会で、深刻な人権侵害が発生しているもとでの外国人労働者の受け入れ拡大の問題点を明らかにするとともに、他国と比べてもあまりに屈辱的な日米地位協定の改定を正面から迫りました。
人権、国の主権にかかわる問題が問われているのに、安倍晋三首相は開き直りの答弁を繰り返し、無責任な姿勢が浮き彫りになりました。(関連記事)
安倍政権は外国人労働者の受け入れを拡大させる出入国管理法改定案を閣議決定して、早期成立を狙っています。同法案は、新たな在留資格を設けて人手不足の分野で働く外国人の受け入れを拡大させます。
しかし、現行の外国人技能実習制度のもとで横行する人権侵害さえ解決できていません。
小池氏は、外国人技能実習生に対する長時間労働や賃金未払いは常習化しており、厚労省が昨年、監督指導を実施した5966事業所のうち、7割の事業所で労働基準関係法令違反が確認されたことを指摘。
ところが、技能実習生で一番多い12万人のベトナム人実習生から相談や申告を受ける労働基準行政の現場には、ベトナム語ができる人が日本全国でたった一人しかいないことなどをあげ、「今ある労働法制も守られていない。
守らせるための労働行政の体制も、事実上ない。こうした現状をただすことなしに、外国人労働者の受け入れを拡大すれば、いっそう事態は深刻となり、国際的な批判を招くことになる」とただしました。
安倍首相は「確かにそういった状態がある」と認めながら、「今指摘されたようなさまざまな事態が起きないよう、対応を取っていこうということだ」と開き直りました。
小池氏は、出入国管理法改定案では、必要な人材が確保されれば外国人労働者の受け入れを停止する点などをあげ、「これは、ある意味、国家による整理解雇だ。しかも、職場を追われるだけではなく、帰国させてしまう。これほどの人権侵害はない」と糾弾しました。
小池氏は、沖縄県では、米軍機が相次いで重大事故を起こしても、日米地位協定によって日本の捜査機関が蚊帳の外に置かれる異常な実態を告発。全国知事会が、ドイツやイタリアなどと比較しても、日本は米軍に手厚い特権を与えていることを指摘して、全会一致で日米地位協定の改定を決議したことをあげ、「全国の知事の多くは、自民党が支援して当選し、自民党が与党として支えている。
その提言は、政府・与党にとっても極めて重いものだ」とただしました。
河野太郎外相は「NATO(北大西洋条約機構)加盟国で相互防衛の義務を負っている国と、それと異なる義務を負う日本との間で、地位協定が異なることは当然」と述べて、屈辱的な特権の付与を当然視しました。
小池氏は「日米地位協定は、国会でまともに審議されず強行採決された。そのうえ日米合同委員会という密室で、さまざまな密約もされている。これこそアメリカの押し付けだ」と述べ、政府と国会が一体となって堂々と議論し、日米地位協定を改定しようと呼びかけました。