ロシアのノルド・ストリームIIへのアメリカ反対は“スリー・シーズ・イニシアチブが理由”
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2018年6月 5日 マスコミに載らない海外記事
Andrew Korybko
Oriental Review
2018年6月2日
ノルド・ストリーム IIの地政学は、益々複雑化しつつある。
ロシアとドイツ間の二本目の直通海底パイプラインは、建設に全く反対で、それに関与する国々を制裁さえすると威嚇しているアメリカから強い圧力を受け続けている。ドイツ is EUの経済的エンジンであり、ドイツは、自国の工場に動力を供給するため、ロシアから大量の資源を受け取るわけで、両国のエネルギー提携は、ウイン-ウイン協力として好例で、需要と供給という基本的な経済理論の立証でもある。That said、まさに、この提携の将来にわたる政治的影響で、モスクワが、長期的に、ベルリンを、より多極志向にしかねないと恐れているがゆえに、アメリカは、これほど強く反対しているのだ。
恐怖をあおるのにアメリカが好んで活用し、ヨーロッパをだまし、信用させるのに、いささか成功しているように、エネルギー輸出を“兵器がわりにする”のは、ロシアにとって逆効果のはずだ。これは、親米のウクライナが、2000年代中期に、ロシアと、ガスで紛争して以来、アメリカ政策の基礎であり、ヨーロッパ大陸二大国間の、より緊密で、確固とした信頼関係により、アメリカがドイツ外交政策を支配することが、一層困難になると、ワシントンは考えているのだ。パイプラインの存在そのものと、それに続く、東西間で“バランスを取ろうとする”ベルリンの行動が、アメリカの一極計画に悪影響をもたらすことになるので、それゆえ、挑発的ながら大いに誤解を招く“新たなモロトフ・リッペントロップ条約”と表現しているのだ。
第三次世界大戦という、マスコミのあおりは見当外れだ。アメリカ-ロシア軍備競争は、シリアでの両国のこう着状態を安定化させるかも知れない。
良く知られている歴史的理由から、この二つの巨大隣国に被害妄想を抱いていて、それゆえ、ノルド・ストリーム IIをめぐる人為的な論争を、アメリカの主要なヨーロッパ・パートナーとしてのドイツにとってかわるために利用しようとしているポーランドに主に受けるように、この言説は組み立てられている。アメリカは、より高価なLNGを、ポーランドのシフィノウイシチェ・ターミナルや他の貯蔵所経由で、大陸諸国への販売を継続するつもりで、ドイツとロシア間の“スリー・シーズ”地域において、より手ごわい存在感となることも望んでいるので、この出来事におけるアメリカの権益は明らかだ。
だから、ノルド・ストリーム IIは儲かるLNG事業に割り込むだろうし、同時に、ポーランドとバルト三国におけるドイツの存在感拡大を“正当化”する戦略的口実にもなるので、アメリカにとって両刃の剣だ。アメリカは、これに対応して、両国の二本目の海底パイプラインに対する経済制裁があろうと、なかろうと、ともあれ当面やりたいことである、ポーランド率いる“Intermarium”によって、ロシアとドイツの間にくさびを打ち込むことができよう。既に進行中ながら、ノルド・ストリーム IIの建設によって大いに加速するだろうこの展開は、ロシア-ドイツ間の多次元の親交関係回復妨害を狙ったものだが、それが、計画を更に強化する動機を両大国に与えてしまう可能性もある。
本投稿は、Sputnik NewsのCONTEXT COUNTDOWNラジオ番組で、2018年6月1日、金曜に、放送されたものの一部書き起こし。
お断わり: 筆者は、本記事を個人的な立場で書いており、彼の個人的見解以外の誰の、あるいは、いかなる組織を代表するものではない。筆者意見を、編集部見解や、他のいかなるマスコミや組織の公式的立場とと混同せぬようお願いする。
記事原文のurl:https://orientalreview.org/2018/06/02/the-us-is-against-nord-stream-ii-is-because-of-the-three-seas-initiative/
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