人類の起源は東アジアか? 中国で発見された26万年前の頭蓋骨「ダーリー・スカル」がアフリカ誕生説を覆す可能性
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人類の起源は東アジアか? 中国で発見された26万年前の頭蓋骨「ダーリー・スカル」がアフリカ誕生説を覆す可能性
http://tocana.jp/2017/12/post_15204_entry_2.html
人類の起源はアフリカであるというのが近年の考古学・人類学の定説であるが、中国の考古学者がこの定説に異議を唱える論文を発表し、話題になっている。論文によると、ユーラシアやアジアにいち早く進出していた初期人類の一部がアフリカに戻り、交雑の末に現生人類が生まれたというのである。この大胆な仮説は英「Daily Mail」ほか、様々なニュースサイトで取り上げられた。
問題の論文を発表したのは、中国科学院の考古学者・?新智(Xinzhi Wu)氏と米国・テキサスA&M大学人類学部のシーラ・アスレヤ(Sheela Athreya)氏である。今回彼らが注目したのは1978年に中国陝西省大茘(ダーリー)県で発見されたおよそ26万年前のものとされる初期人類の頭蓋骨(ダーリー・スカル)だ。
今回ダーリー・スカルの顔面部や神経の形状を、これまでに世界各地で発見された様々な初期人類も併せて詳細に分析し、比較したところ、今年6月にモロッコで発見されたおよそ30万年前のホモサピエンス最古の化石と非常に似ていることが判明したというのである。
以前より、ダーリー・スカルはホモエレクトスとホモサピエンスの両方の特徴を兼ね備えていると指摘されていた。これはホモエレクトスが世界各地に拡散した後、それぞれの地方でホモサピエンスへと進化したという多地域並行進化説の証拠とも考えられる。しかし、?氏らは今回さらに大胆な仮説を提示した。このグループがアフリカに戻り、我々の祖先の誕生へとつながったというのである。論文は学術誌「American Journal of Physical Anthropology」(10月25日付)で掲載された。
この仮説はあくまで化石の形状だけを根拠にしており、遺伝子の解析は行われていない。現代人や化石から抽出された初期人類の遺伝子研究では、人類のアフリカ単一起源説を支持している。また、問題のダーリー・スカルに見られる特徴はホモサピエンスの進化とは関係なく起こった別の進化の結果であるという指摘もなされている。
以前より中国では、人類の進化では東アジア(要するに中国)が大きな役割を果たしたという研究がたびたび発表されており、今回の発表もその一環といえるだろう。とはいえ、ホモサピエンスの進化には謎が多く、最近では我々が考えているよりはるか昔からアフリカ大陸や西アジア(中東あたり)の広い地域に分布していた可能性も指摘されている。果たして東アジアに生きたダーリー人はホモサピエンスの進化に貢献したのだろうか? ?氏は今後もダーリー・スカルの研究を進めるという。
(吉井いつき)
参考:「Daily Mail」「Independent」「American Journal of Physical Anthropology」、「Alien UFO Sightings.com」、ほか
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/614.html