東京湾北部、この地域は繰り返しM7地震に襲われてきた。
大正関東大震災の時も、1891年10月28日濃尾地震の時も、東京湾北部でM7が起こっている。
東京湾は内陸にある湾で、それだけ周囲の地殻よりも地盤の厚さが薄い。だから横からの圧力に敏感に反応する。2015年5月30日の小笠原諸島西方沖M8地震の後も東京湾で有感地震が起こった。
問題はこの後だ。確実に今朝の地震は内陸直下型、震源はここ東京湾あたりのはずだ。もし、海溝型が起これば、、、。
しかし、どの程度の広さが震度7だったのか。そもそも、震度7と言っても青天井で、ビル倒壊が起こるほどの激震はどの程度の地域で起こったのか、それがまだ分からない。
最初の揺れから30分は経っている。窓から外を眺めているが、相変わらず暗いままだ。
ウン、奇妙だ。健介はそう思った。車が通っていない。確かにあまり交通量が多い地域ではない。しかし、夜明け前でも少なくとも10分ぐらいの間には数台の車が通るはずだ。
橋。橋が落ちたか、通行不能になった可能性がある。この地域は東西方向へは橋を通らないと隣接地区へは行けない。南は東京湾で、北へ行くしかない。つまり、救援も北から来るしかない。
しかし、北はこの窓からは見えない。
不安が頭をよぎった。東京湾のあたりが一瞬赤く見えたのだ。LNGタンク火災。その他、重油や軽油のタンクも東京湾岸には数多く立地している。多分消防は動けない。ヘタをしたら、このビルまで延焼する。
このビル自体が燃えなくとも、周囲で火災、それも大規模な火災が起これば、窓から火が入る。多分、3階から7階あたりは最も周囲の火災の影響を受けやすい。ドアが開かない時に、窓から火の粉が入れば、まさに室内が火の海で、俺はここで黒焦げだ。
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