【ワシントン=川合智之】トランプ米大統領は15日、ニューヨークのトランプタワーで記者会見し、米南部バージニア州での白人至上主義者団体と反対派の衝突は「双方に非がある。間違いない」などと述べた。白人至上主義者を非難した14日の声明を翻し、人種差別反対派にも非があるとの考えを示した。トランプ氏への抗議が再燃している。
インフラ整備に関する会見に出席したトランプ氏は、衝突事件に関する質問に怒りをあらわにして反論した。「多くの人が(南軍の)リー将軍の銅像を引きずり倒した」と反対派を非難。白人至上主義者団体のデモ参加者は「全員が白人至上主義者ではなかった」として「双方にいい人はいた」と擁護した。
12日の暴動は、南北戦争で南軍を率いたリー将軍の銅像撤去に反対する白人至上主義者と、人種差別反対派が衝突した。反対派の女性が車ではねられて死亡した。トランプ氏は12日の声明で「様々な立場の人」を非難すると述べ、白人至上主義者を名指しせず、人種差別反対派にも非があるように受け取れる内容だった。白人至上主義者の一部がトランプ支持層であることが念頭にあったとみられ、トランプ氏の発言をネオナチや人種差別団体は歓迎した。
だが野党・民主党だけでなく与党・共和党も強く反発。トランプ氏は14日に読み上げた声明で白人至上主義者団体のクー・クラックス・クラン(KKK)やネオナチを名指しで非難して火消しを図ったが、今回の発言で再びトランプ氏に批判が集まりそうだ。
一連の発言に抗議し、米半導体大手インテルや製薬大手メルクなど大手企業の首脳は相次いで、トランプ氏の助言機関である米製造業評議会のメンバーを辞任した。
助言役からの辞任は15日には全米の最大労組や米製造業提携協会のトップなどに拡大した。トランプ氏は同日、ツイッターで「代わりはたくさんいる」と辞めた首脳を非難した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGT16H0F_W7A810C1AM1000/?dg=1
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