かっぱ寿司の食べ放題、3時間待ちで衝撃的「コスパ悪さ」?高級ネタは軒並み対象外
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2017.06.21 文=A4studio Business Journal
かつて回転寿司チェーンで業界1位だった「かっぱ寿司」の業績不振が叫ばれるようになって久しい。
2013年2月期から3期連続で最終赤字を計上、14年に親会社のカッパ・クリエイトがコロワイドに買収されて以来、事業の立て直しを図っているものの、17年3月期も最終赤字に転落した。業界ナンバー1の奪取は叶わないどころか、「スシロー」「くら寿司」「はま寿司」など競合店の後塵を拝している状況だ。
そんななか、かっぱ寿司が起死回生の一手として投じたキャンペーンが、大きな話題を集めている。期間(6月13日〜7月14日の平日14〜17時)と店舗(全国20店)を限定した70分間の「食べ放題」である。
料金は、男性1580円(税抜き、以下同)、女性1380円、65歳以上980円、小学生780円、小学生未満無料。寿司以外にも、サイドメニューやデザートなど計80種以上が対象となっており、ドリンクバーも付いてくる。
大とろやほたては対象外、レーンに皿がまばら?
そこで、筆者(20代男性)は6月16日(金)に、実施店のひとつである埼玉県の蕨店を訪ねた。「最大10時間以上待ち」とも報じられていたため、整理券を手に入れるべく、開店時間の11時すぎに足を運んだ。
店員に食べ放題希望であることを伝えると、整理券の配布は13時からのため、それまでは店先で並んでほしいとのこと。筆者が到着した時点で、食べ放題目的で並んでいた客は2組。約2時間の間、店先で待ち続け、13時に整理券を受け取ることができた。
その間、筆者の後ろに並ぶ人は次第に増えていき、13時の整理券配布の段階では約60人が長蛇の列をなしていた。平日の午後とあって、主婦とおぼしき中年女性の団体や年配の客が多かったが、なかには学生らしき若者や会社員と思われる男性の姿もあった。
11時から並んだかいがあり、14時に食べ放題をスタートすることができた。最初に、店員からシステムについて簡単な説明を受け、食べ放題対象外のメニュー一覧を渡される。対象外は、極上中とろ、極上大とろ、赤えび、ノルウェーサーモン、ほたて、といった高級食材を使用したものだ。少々残念な気もしたが、食べ放題というサービスの特性上、致し方ないのだろう。
さっそく食べ始めようとするも、最初のうちはレーンに流れている皿はまばら。しかし、しばらくすると、食べ放題用に厨房をフル稼働させたのか、続々とレーンに皿が流れてくるようになった。
もちろん、好きな寿司を個別に注文することもできる。一度に最大4皿まで頼めるため、まぐろ、はまち、しめさば、甘えびを注文。しばらく待つと、注文した4皿が到着した。時間にして、3分少々だ。
注文から到着までは5分ほどかかることもあり、70分という制限時間を考えると、やきもきさせられることも。筆者は途中から、注文した皿が届く前に次の注文をすることで食べるスピードを落とさずにすんだが、律儀に注文した皿が届いてから次の注文をするという方法では、効率がダウンしてしまうだろう。
ちなみに、店内は満席ではなく、空席のテーブルもちらほら見受けられた。おそらく、満席にすると厨房のオペレーションが追い付かない可能性があることや食べ放題以外の客の来店などを考慮して、空きをつくっていたのだろう。
男性は16皿以上で元が取れる計算だが……
70分が経過して、食べ放題は終了。結局、寿司20皿にサイドメニューのあおさの味噌汁とプリンを完食した。
かっぱ寿司は1皿100円がメインのため、男性の場合は16皿以上食べれば元が取れる計算だが、筆者はしっかりと元を取ることができた。普段は10皿ほどのため、今回は2倍近く食べたことになる。
店員に話を聞いたところ、食べ放題の開始日からテレビやインターネットメディアでの報道が相次いだため、食べ放題の客数は日に日に増しており、この日は最大3時間待ちだったという。
筆者は開店時間から並んだため、実際に食べ始めたのは3時間後。つまり、この日に限れば、整理券を求めて開店早々に足を運ぶという作戦は、あまり意味がなかったのかもしれない。
また、よくよく考えると、そのお得感には疑念もよぎる。筆者が食べた20皿+サイドメニュー2品は、通常価格に換算すると約2600円だ。それが1580円で食べられたのだから、一見するとかなりお得に思える。
しかし、「わざわざ3時間並んで、1000円程度割り引かれただけ」と考えると、「すごくお得」という実感に乏しい。30〜40皿平らげる大食漢であれば、3時間かけて並ぶ価値はあるだろう。しかし、平均的な大きさの胃袋を持つ我々は、はたしてどうだろうか。
待ち時間も含めたコストパフォーマンスを考えると、「そんなにお得ではない」「強くおすすめできるほどでは……」というのが、実体験を踏まえた正直な感想である。
(文=A4studio)