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眼科医冥利に尽きる… ある末期がん患者への治療〈dot.〉
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170427-00000056-sasahi-life
dot. 5/1(月) 7:00配信
超高齢社会に突入し、患者が増加している眼科。今後、白内障手術など外科手術も増えることが予想されるが、そもそも「眼科医」とはいったいどんな仕事の内容なのか。医学部志望生向けのアエラムック『AERA Premium 医者・医学部がわかる』では「診療科別仕事図鑑」として、現役の医師に「眼科医」の仕事内容を聞いた。
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目は、直径わずか約24ミリだが、ヒトは目を通して情報の8割を得ており、極めて重要な器官だ。目の障害は加齢に伴うものが多いため、超高齢社会を迎えて、眼科医の需要は急増している。
眼科疾患は幅広いが、眼科医の仕事は、内科系と外科系に大別される。内科系として、緑内障は、適切な薬によって眼圧を下げ、進行しないようとどめる治療が主流である。眼鏡やコンタクトレンズの処方という仕事もある。
一方、外科系として白内障は、水晶体を人工レンズに交換する手術が主体。さらに21世紀に入り、水晶体の後方にある硝子体の中も手術ができるようになって、外科系の役割が増している。
東京医科大学八王子医療センター教授の志村雅彦医師も、顕微鏡を通じた微細な硝子体手術を得意としており、神経組織である網膜の診療を専門に据えている。志村医師は「眼科医の最大の魅力は、結果がすぐに分かること。患者さんも『見えるようになった』ことはすぐ実感できるので、感謝してもらえます」と語る。
患者の訴えは「見えない」ことが主だが、その中身は実にさまざまだ。失明から、視力の低下、さらには、もやがかかったように見える、歪んで見える、視野が狭まることもある。視力検査を基本にして、眼底検査や眼圧の測定、近年は、眼底三次元画像解析(OCT)検査なども駆使して、見え方の異常の原因がどこにあるのかを突き止めていく。
眼科医には、角膜、水晶体、網膜硝子体、緑内障、視神経などの専門があり、ごく稀だが目の腫瘍の専門家もいる。
極めて専門性の高い診療科だが、実は最近は目と全身との関わりも注目されている。糖尿病や高血圧などの生活習慣病の末に、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性といった疾患を合併する患者が増えているのだ。志村医師が言う。
「全身疾患の症状が目に現れてくることは少なくありません。学生時代や初期研修では、全身の病気のこともきちんと勉強してきてほしい」
■広がる外科手術。伝統的に女医が多い
気が付くと、深夜から明け方まで手術をしていることもあるので、「体力が必要」とも。
「それでも無事手術が成功して、視力を取り戻せた喜びに勝るものはありません」
内科系や、短時間で終わる白内障などの手術が主体であれば、時間のやりくりがしやすく、女性医師が多い診療科でもある。開業医であれば、多くの患者を診ることもできるが、それなりの高額機器が必要で、設備投資や減価償却で、収益性の高い診療科ではないとされる。
「手術のようなチームプレーでさえ2〜3人の少人数で行うことができ、1人で診断から治療まで行うことも可能ですので、1人でしたいという人に向いているかもしれません」
見えるということは、人生を豊かにする。志村医師の忘れ得ない患者の1人に、末期がんだったが、白内障手術を施した結果、家族の顔をしっかり見て心に刻み、とても満足して息を引き取った人がいる。眼科医冥利に尽きる出来事だ。(文/塚崎朝子)
志村雅彦医師
埼玉県出身。1991年東北大学医学部卒。97年東北大学大学院修了、同大医学部付属病院助手。98年米国ミシガン大学留学。東北大学医学部眼科講師、NTT東日本東北病院眼科部長などを経て、2012年から東京医科大学八王子医療センター眼科教授
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