「科学」を過信したかの如く「不合理なし」「新基準適合」を繰り返した判決。このレベルで、福島事故前にあの原発が止められただろうか。
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高浜原発再稼働へ 安全対策 責任持てるのか
(2017年3月29日午前7時05分)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/118169.html
【論説】関西電力高浜3、4号機の運転差し止めを命じた昨年3月の大津地裁の仮処分決定を不服として関電が申し立てた抗告審で、大阪高裁は申し立てを認める決定をした。1年以上停止していた2基は法的に運転が可能となった。関電は早期の再稼働を目指す。
大津地裁決定は全国で初めて運転中原発を止めた異例の判断だけに、上級の高裁がどう見極めるか注目された。結果は関電主張をほぼ全面的に認め、国策後押し姿勢があらわになった。
抗告審では、東京電力福島第1原発事故を踏まえた原子力規制委員会の新規制基準や関電が設定した基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)の妥当性、熊本地震で発生した繰り返し地震対策、住民避難計画の実効性が争点だった。
山下郁夫裁判長は、新規制基準が「最新の科学的、技術的知見に基づき、不合理なものとはいえない」と判断。関電もその知見を有し、対策が基準に適合していることを挙げ「耐震安全性に不合理な点は認められない」とした。基準地震動も「過小であるとはいえない」と断定、津波対策も「疎明した」と評価した。
住民側が世界標準となっている「深層防護」の5層に当たる原子力災害対策が不十分と指摘した点は「いまだ改善の余地がある」としたものの「取り組み姿勢や避難計画などの具体的内容は適切で、不合理な点は認められない」とした。
高裁判断は新規制基準を最大評価、関電の主張をそのまま是認したものだ。大津地裁が「福島の事故究明は道半ば」「住民の人格権侵害の恐れが強い」として「関電の主張、疎明の程度では新規制基準の対策として不十分」と断じた内容とは真逆の判断だ。事故リスクに厳格な姿勢を示した下級審に比べ、司法の行政追従姿勢が際立つ。
最高裁は1992年、四国電力伊方原発行政訴訟の判決で、安全性に関し専門技術的な判断に基づく国に広い裁量権を与え、立証責任は国や電力会社にあるとの考え方を示した。高裁は最高裁判決の基本を踏襲する判断を示したことになる。
高浜原発を巡る地裁判断はこれまで二転三転し、その内容にはあまりにも落差があった。係争中の原発訴訟は全国で40件近くあるが、高裁段階で運転差し止め仮処分を認めたケースはない。特に権威ある東京、大阪高裁決定は影響力が強く、今後の判断に影響を与えるのは必至だ。
住民側は、最高裁の判断を仰ぐ特別抗告や許可抗告などを模索する構えだ。一方、稼働原発がゼロで経営的に厳しく今回の高裁に全力投球した関電や、原発に依存する地元自治体などには大きな朗報であろう。
だが、原発の安全性を巡り、国内世論は脱原発に傾いている。高裁も指摘したように福島原発事故は未解明な部分が残され、事故原因が究明されたという状況にはない。今も12万人以上が県内外に避難を強いられているのが現状だ。
福井県は昨夏、高浜原発事故を想定した広域防災訓練を実施したが、被ばくリスクや県外避難の困難性が浮き彫りになった。今回の判断はとても住民安全を保障するものとはいえない。
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30キロ圏以外は訓練でも見殺しか。
■高浜原発30キロ圏内兵庫まで移動 初の3府県合同避難訓練8月27日に (福井新聞)
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/838.html
投稿者 ナルト大橋 日時 2016 年 6 月 14 日 10:43:43: YeIY2bStqQR0. xdnEkeWLtA