【1月22日 時事通信社】トランプ米大統領就任翌日の21日、トランプ氏の女性蔑視発言などに抗議するデモが首都ワシントンなど全米各地で行われた。政治専門紙ザ・ヒルによると、ワシントンで50万人が参加し、全米では少なくとも300万人に膨れ上がったとみられる。同様の大規模な抗議デモは、ロンドンやパリなど世界各地で広がりを見せた。
米新政権は発足から100日間は「ハネムーン期間」と呼ばれ、メディアなどは批判を控えるとされてきた。だが、トランプ政権は就任直後から激しい抗議に見舞われる異例の船出となった。
ワシントン中心部は、デモ隊のシンボルカラーであるピンクの帽子を身に着けた参加者であふれ、シュプレヒコールや歓声がこだました。
デモ隊は連邦議会議事堂近くで人気歌手マドンナさんらが参加して集会を開いた後、約2キロ離れたホワイトハウスまで行進。通りを埋める人波は途切れなく続いた。就任パレード用に設置された観客席が残るホワイトハウス前では「これが民主主義のあるべき姿だ」とシュプレヒコールを繰り返した。
トランプ氏は、選挙戦で明らかになった「スターなら、女性はさせてくれる」という過去の発言や性的嫌がらせを受けたと複数の女性から告発されたことで批判を受け、共和党内からも問題視された。デモ行進では、女性蔑視問題だけでなく、不法移民の追放やロシアへの接近などトランプ氏のさまざまな政策を批判するプラカードが掲げられた。
ニューヨークから来た会社経営者キャサリン・エルバートンさん(67)は「トランプ氏に(デモ隊のメッセージが)伝わるかどうかは分からないが、閣僚や上院議員、下院議員らには伝わるだろう」と語った。オハイオ州の教育機関で働くアンジーさん(46)は「(トランプ氏には)女性に対する尊敬の念がかけらもない。選挙の結果を受けてやって来た。時代が数十年、巻き戻ってしまうことを懸念している」と話した。
ニューヨークやボストン、シカゴ、ロサンゼルスなどでも数万〜数十万人規模のデモが行われた。ニューヨークのデモに参加した大学職員ミシェル・クオモさん(54)は「トランプ政権は女性を尊重せず、性差別や外国人嫌悪を刺激している」と批判した。(c)時事通信社
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