トランプ「暗殺予告」が急増中…実行犯割り出し、尋問も
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/193838
2016年11月14日 堀田佳男 ジャーナリスト 世界が激震 トランプ大統領誕生 日刊ゲンダイ 文字お越し
毎日、全米各地で反トランプデモ(C)AP
トランプ暗殺の危機が増している――。
こう述べると煽った記事のような印象を与えるが、実際にトランプ暗殺の予告数はSNSで急増している。特にツイッターには暗殺予告ともとれる書き込みが増えている。
「実は私の母がトランプを暗殺すると言っています。彼女は本気ですよ」
「就任式まで2カ月もある。トランプとペンス(副大統領)を同時に暗殺する時間は十分だ」
「トランプの大統領就任式で引き金をひくやつは誰だ?」
「最初にトランプの暗殺を狙うやつが的を外さないことを祈る」
冗談としてのツイートがほとんどと思われるが、大統領を護衛するシークレットサービスは、暗殺予告が急増している事実を認めている。ニューヨーク・ポスト紙によると、書き込みを一件ずつ捜査して実行犯になり得る人物を割り出し、尋問することもある。
当選前、イリノイ州シカゴ市に住むエリ・マルティネスさん(20)はツイッターで「俺がトランプを殺す。俺の手で何とかしてやる」と書き込んだ。数日後、シークレットサービスが自宅にやってきて長時間の尋問を行った。
「冗談でツイートしただけなんです。だから私の方がびっくりしました」
英テレグラフ紙に寄稿するジャーナリストのモニシャ・ラジェシュさんは、トランプが当選を決めた9日、ツイッターで「新大統領を暗殺すべき」と投稿。その後、削除したが、プロの書き手でさえトランプ暗殺を表明するほどトランプ嫌いは蔓延している。
トランプの自宅兼会社が入るニューヨークのトランプタワー上空は、来年1月20日の就任式まで「飛行禁止区域」に指定された。地上にはコンクリートの防壁が設置されて、ニューヨーク市警の対テロ作戦部隊が警備に当たっている。
暗殺の脅威だけでなく、全米の複数都市では4日連続で反トランプのデモが行われている。特に都市部では祝福ムードより騒乱ムードに包まれており、「トランプ暗殺の危機」というニュースは、もはや日常にさえなり始めている。