民主党: マッカーシーとリンドン・ジョンソンの党
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-4509.html
2016年8月 5日 マスコミに載らない海外記事
Wayne MADSEN
2016年8月3日
Strategic Culture Foudation
フィラデルフィアでの民主党全国大会演壇で発せられた言辞は、不気味なお馴染みのものに聞こえた。次から次の民主党員が、wax onロシアと、共和党大統領候補ドナルド・トランプが、ロシアに対処できないことによる“脅威”。こうした新冷戦戦士の中での大物は、 アメリカ史上二番目に酷い国務長官、マデレーヌ・オルブライト元国務長官だ。
一方、民主党の歪曲報道装置は、トランプを“クレムリンのボス”、“赤のボス”と呼び、ソ連と、ヨシフ・スターリンまで蒸し返して言及して、プロパガンダを繰り出していた。もちろん、これらの言辞は、アメリカ合州国における共産主義者“魔女狩り”の暗い日々の主要“共産主義者非難”政治家、悪名高いウィスコンシン州出身共和党上院議員ジョセフ・マッカーシーのものを直接借用したものだ。マッカーシー同様、またしてもクリントン政治王朝に掌握された民主党には“良識の感覚”は皆無なのだ。
民主党は、フィラデルフィアでの四日間のプロパガンダ集会で、これまでの大会では、ほとんど無視されていた名前まで引き合いにだした。リンドン・ベインズ・ジョンソン大統領だ。ベトナム戦争の創始者で、偏執的なまでに、うぬぼれ屋の冷戦戦士がよみがえらされて、過去の民主党栄誉者の殿堂に加えられたのだ。フランクリン・ルーズベルト、ハリー・トルーマン、ジョン・F・ケネディ、ビル・クリントン、そしてバラク・オバマ。仲間外れにされているのは平和の大統領ジミー・カーターだ。これは、ヒラリーとビル・クリントンによって改造された民主党だ。寄生的ネオコンを、連中が共和党を出た後、大歓迎している党だ。ネオコンは、ジョンソン政権時代に彼らを養成してくれた宿主に戻ったのだ。
ジョージ・W・ブッシュとディック・チェイニーのかつての共和党と酷くよく似た新民主党は、実際、マッカーシーとLBJの党になった。クリントンの下の民主党は、戦争政党と化した。ヒラリー・クリントンのアメリカ合州国史上最悪の国務長官としての実績を考えれば、 中東とヨーロッパで、ロシアと、東アジアで、中国と、そして、数少なくなりつつある中南米の進歩的政府との、軍事的対立を求める無謀さの上で、クリントン政権は、オバマ政権の倍賭けにるだろうことが予想される。
クリントン女史の国務長官時代、アメリカ合州国は、ホンジュラスのマヌエル・セラヤ大統領、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領に対するクーデターと、エクアドルのラファエル・コレア大統領と、ボリビアのエボ・モラレス大統領に対するクーデター未遂を支援した。WikiLeaksによる、クリントン女史の個人電子メール・サーバーで送信・受信した電子メールの暴露は、セラヤを打倒した後、彼への支持を差し控えるよう、米州機構に、彼女の指揮下、国務省が、どのように圧力をかけたを示している。クリントンが大統領になれば、クリントンや連中の介入主義者チームが実践するグローバル主義の秘教に反対するあらゆる中南米やカリブ海の諸国に対し、似たようなごまかしが行われることになろう。
ヨーロッパにとって、クリントン政権の新マッカーシー主義は、ワシントンとモスクワとの間の分裂をより大きくするのみならず、NATOに対して、おそらくは歓迎すべき悪影響をもたらすだろう。全員が、ジョージ・ソロスとジーン・シャープの“新時代帝国主義”戦略の読者である、クリントンとお仲間の熱狂的グローバル主義者は、東ヨーロッパ、中東、アフリカや南アジアにおける、アメリカの冒険主義をNATOが支持するのを期待していよう。だがBrexit推進の立て役者だったイギリス外務大臣ボリス・ジョンソンは、クリントン連中にとって、決してちょろいかもではない。そして、もしマリーヌ・ルペンが、2017年のフランス大統領選挙で、社会党と保守党のライバルを打ち破り、フランスを欧州連合から離脱させれば、アメリカ合州国は、敵対的なイギリス、フランスとロシア、更にはハンガリーとオーストリア、そして、あるいはイタリアとも対決する状況になり得る。実際、クリントン大統領と、ヨーロッパの大衆寄り反グローバル主義政府台頭の組み合わせで、我々はヨーロッパでの、アメリカ影響力の押しつけ終焉を目にする可能性がある。
民主党とクリントンが、トランプを、ロシアの影響力の代理人として描く露骨なマッカーシー風戦術を用いていることに関し、重要な疑問が投じられている。クリントン、民主党全国委員会や、民主党議会選挙対策委員会(DCCC) 電子メールのWikiLeaksによる漏洩を、公式アメリカ国家プロパガンダ用のお馴染みの道具である、ニューヨーク・タイムズもワシントン・ポストも、ロシアが“アメリカ選挙に干渉”しているとして非難している。ところが、こうしたプロパガンダ・メディアは、ロシア選挙へのアメリカの干渉、特に、ソロスが資金提供している非政府組織が、ロシア全土で行っている露骨な“影響工作”を非難したことは皆無だ。中央情報局(CIA)による“暗黙の了解”以上のものを得て、こうした工作が行われてきたのだ。
かつて機密の“ペンタゴン・ペーパーズ”公表や元ペンタゴン・コンサルタントのダニエル・エルズバーグによる漏洩を擁護して戦ったワシントン・ポストも、ニューヨーク・タイムズも、今や民主党電子メール漏洩の背後に“ロシア諜報機関”がいると激しく非難している。もし両紙が現在示しているようなマッカーシー風ジャーナリズム基準を、1970年代初期に維持していれば、エルズバーグは反逆罪ハノイ工作員として描かれたろう。
クリントン女史が、極秘電子メールを、ニューヨークの自宅地下の個人サーバーに保管し、送受信することを許した御用官僚、連邦捜査局 (FBI)長官ジェームズ・コミーは、クリントンと民主党のサーバーに侵入したとして、ロシアを非難して、今やFBIでの彼の先駆者、悪名高い“赤狩り人”J. エドガー・フーバーの魂と霊界通信をしている。コミーは矛盾したことを言っている。クリントンの電子メール・サーバー侵入は、国家安全保障侵害のかどで刑事告発するほどのレベルではないと彼はいった。ところが、コミーは同時に、機微な電子メールを入手すべく、クリントンのサーバーのありもしないセキュリティーを破って、犯罪的に侵入したと、ロシアを非難している。コミーは、FBIが正当な法執行機関ではなく、クリントンやブッシュのようなエリート政治家連中と、公安国家の権益を守るためにのみ存在している政治警察部隊だということの醜悪な見本だ。
クリントン女史の外交政策綱領に関して言えば、これほどのタカ派的民主党綱領は、LBJ時代以来、かつてなかった。ジョンソンが、臆面もない親イスラエル派であったのと同様、クリントン女史の綱領は、エルサレムとニューヨークのプロパガンダ工場で書かれたスローガンに習っているのを含めイスラエルからの資料に満ちている。“イランは主要なテロ支援国家だ。”クリントン女史は、イスラエル・ロビーに迎合する上で、これ以上良い仕事はやりようがなかろう。しかも彼女は、1967年、アメリカ情報収集艦リバティー号に対する故意の軍事攻撃で、イスラエルを罰し損ねたLBJの忌まわしい言葉に同調している。ジョンソンは、1968年の再選のための出馬計画があったので、ユダヤ人有権者の票と選挙資金を犠牲にしたくないばかりに、民主党の政略のため、アメリカ海軍艦船を犠牲にした。クリントン女史は、イスラエルという腹話術師にあやつられる人形として動いて、同じことをしているのだ。
クリントンの綱領項目には、アメリカ合州国とサウジアラビアとの“安全保障上の協力を強化する”のが彼女の意図だとある。最近公表された、これまで機密扱いだった9/11攻撃に関する議会報告の28ページは、サウジアラビア政府は、疑いようもなく完全に、アラブ人ハイジャッカーや、彼らを支援するアメリカ合州国内の工作員への資金提供や他の物質的支援に関与していたことを示している。クリントン女史側近で、ムスリム同胞団とのつながりで定評のあるフーマ・アベディンとの疑わしい関係は、クリントン女史がリビア、シリアと、短期間、エジプトの世俗政府の破壊を統轄したことを考えれば問題がある。
クリントン綱領は、現在ありもしないイランによるハマース支援を激しく非難し、テヘランを軍事行動で威嚇しながら、イスラエルのパレスチナ人弾圧は黙認し、トルコのアルメニア人虐殺には触れていない。フィラデルフィアでの、民主党綱領委員会会議の間、レジェップ・タイイップ・エルドアンのロビイスト連中は多忙だったようだ。
もし2017年1月20日に、クリントン女史が、大統領として就任すれば、あそび人の夫の背後には“後部銃手”ジョー・マッカーシー、血まみれの手のLBJ、女装したJ. エドガー・フーバーの微笑む幽霊たちが立つことになる。是非とも、アメリカ史の悲惨な過去に賛成投票をしようではないか。
記事原文のurl:h.strategic-culture.org/news/2016/08/03/the-democrats-party-of-joe-mccarthy-attp://wwwnd-lyndon-johnson.html