【外信コラム】韓国の“接待社会”に変化? 経済沈滞を心配する声も
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160517/frn1605171140002-n1.htm
2016.05.17 夕刊フジ
韓国はおごり、おごられの接待社会だ。一緒に食事したり酒を飲んだりしても割り勘はまずない。誰かが払うのだ。その結果、代金を払うときに「オレが払う」「いやオレに払わせろ」といってレジでもみ合う珍風景がよく見られる。
ただ、だいたい払うのは年長者、上司、先輩、金のある者、それに声をかけた者というのが相場だ。払う方はとりあえずカッコよく見えを張れるが、重なると内心はつらいようだ。
最近、公職者やマスコミ界などを対象にした「不正請託、金品授受禁止法」が制定された。接待の食事は3万ウォン(約3千円)贈答品は5万ウォン(約5千円)慶弔費は10万ウォン(約1万円)までがOKで、それ以上は処罰されることになった。実情を考えると、この金額は厳しい。実質的に頼み事のタダ飯、タダ酒は禁止みたいなものだ。伝統的なおごり、おごられ文化にも影響が出るかもしれない。
贈答品は秋夕(旧暦8月15日の中秋節)とソル(旧暦の正月)のほか各種祝賀用が多いが、人気の国産牛肉やイシモチの干物、酒類セット、鉢植え蘭など、そんな金額ではとうていおさまらない。飲食接待や贈答品の制限で消費沈滞、経済沈滞を心配する声もある。それにマスコミ界もひっかかるというが、外国人記者も対象なのかしら?(黒田勝弘)