まさかのマイナス金利で銀行株は売られたが、実は追い風になる銀行も
黒田バズーカ第3弾、マイナス金利で儲かる銘柄はコレ!?
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20160201-00103135-shikiho-nb
会社四季報オンライン 2016/2/1 22:06 藤本 誠之
まいど、相場の福の神こと藤本です。株式相場で勝つには、「半歩先読み」が重要です。
1月29日(金)に黒田日本銀行総裁が、マーケットがまったく想定していなかった「マイナス金利」という手を打ってきました。タイミングとしては、「黒田バズーカ第3弾」を想定した投資家は多かったようですが、「マイナス金利」はまさかのサプライズでした。
株式市場は29日の場中は乱高下したものの、日経平均株価の大引けは476円高の大幅プラス。2月1日には東証1部の売買代金が3兆8500億円に達し、超重量級の新日鉄住金 <5401> が一時10%を超えて上昇するなど、バズーカ3を好感した形となっています。
一方、銀行や保険など、マイナス金利が不利になる業種の銘柄は大きく売られており、借入金が大きく低金利のメリットを受ける不動産関連銘柄などは、大きく買われています。
今回は、相場の福の神が考える「マイナス金利で儲かる銘柄」を3銘柄ご紹介いたしましょう。
■ 日本商業開発(3252、東証1部)
大阪市中央区今橋に本社がある不動産投資会社です。食品スーパーやホームセンター、家電量販店などの流通企業と組んで、同社が購入した不動産を20年の定期借地権契約で流通企業に貸し出します。10年間は固定賃料で契約を行って4%程度の投資収益を確保し、REIT(不動産投信)や年金基金など、不動産の中・長期投資を行う投資家に売却します。土地の買い値と売り値のサヤが、日本商業開発の収益となります。
土地の仕入れから売却までを1人の担当者に任せ、収益の数%をボーナスとして担当者に支払います。担当者はできるだけ安く購入して高く売ることが自分のボーナスを増やす結果につながるため、無理な仕入れや販売はしなくなります。
ちなみに四季報をみると前期の平均年収はちょうど1000万円(47.1歳)。スクリーニングしたところ全上場企業中53位とかなり上位に食い込んでいました。
最初から借り手のいる土地を買い、それを転売するだけなので、不動産相場に比較的左右され難いビジネスモデルとなっており、ニッチなビジネスですが、ほぼ競合がいなくて市場を独占するニッチトップ銘柄です。
■福の神チェックポイント
銀行からの借入金で不動産を買収しているため、金利低下メリットを享受できます。また、底地の販売先であるREITや年金基金にとっては金利低下により、同社の提案する4%強の投資収益が見込める底地購入が相対的に魅力度を増すため、販売面でも大きな追い風となりそうです。
株価の予想配当利回りが2.6%超と高く、300株保有(投資金額51万円)で3000円相当のジェフグルメカードが年2回もらえる株主優待など、インカムゲインも魅力的です。
■株式データ
株価 1,690円
単元株数 100株
予想PER(連) 8.43倍
実績PBR(連) 2.53倍
予想配当利回り 2.66%
株主優待利回り 1.18%
時価総額 約280億円
■ セブン銀行(8410、東証1部)
本社は東京都千代田区丸の内。提携金融機関からのATM手数料を主な収益源とする銀行です。セブン-イレブンは全国の99%以上の店舗にATMを設置しており、保有台数は2万台を超えます。提携金融機関はほぼすべての銀行のほか、信用金庫、信用組合、証券・保険など約600社。海外で発行されたキャッシュカードやクレジットカードなどで日本円を引き出せるサービスも提供しており、インバウンド需要を取り込んでいます。
■福の神チェックポイント
他の銀行と違い、「マイナス金利」が逆風になりません。セブン銀行の資金の主な使途はATMに入れる現金です。マイナス金利になるなど、金利低下は調達コストの引き下げにつながるので、逆に追い風になりそうです。また、マイナス金利で経営が厳しくなる地方銀が増加すれば、子会社である銀行事務受託会社の契約社数が増加しそうです。
■株式データ
株価476円
単元株数 100株
予想PER(連) 22.56倍
実績PBR(連) 3.2倍
予想配当利回り 1.68%
時価総額 約6,050億円
■ アルデプロ (8925、東証2部)
東京都新宿区新宿に本社がある不動産投資会社です。REITや海外投資家などのニーズに基づき、売却の出口戦略を固めたうえで、収益ビルやマンションを買収し、リフォームや管理組合の設立サポートなどにより付加価値を高め販売しています。アルデプロでは、このビジネスを「不動産再活事業」と定義しています。
■福の神チェックポイント
不動産購入は金融機関からの借入金が主なので、金利低下は大きなメリットになります。また、買い手についても低金利下で運用が困難になり、収益ビルや投資用マンションなどの購入が増加し、販売面でも大きな追い風になります。
■株式データ
株価 113円
単元株数 100株
予想PER(連) 5.23倍
実績PBR(連) ---
予想配当利回り 0.88%
時価総額 約277億円
*株価データは2016年2月1日終値ベース
藤本誠之(ふじもと・のぶゆき)/SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリスト。愛称は「相場の福の神」。ITストラテジスト、オールアバウト株式ガイド、阪神タイガースファン。著書に「朝13分で、毎日1万円儲ける株」(明日香出版社)など。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。