件名:米中に頼れない韓国、今こそ独自の核武装を
日時:20160128
媒体:朝鮮日報
出所:http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/01/28/2016012801204.html
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米国のケリー国務長官と中国の王毅・外相は27日、北朝鮮による4回目の核実験に向けた対応について意見を交換したが、当初の予想通り明確な合意はなされなかった。会談後、ケリー国務長官は「北朝鮮に対してはこれまで以上に厳しい国連制裁決議が必要との点で一致した」と発言したが、その内容については明らかにしなかった。これに対して中国の王毅・外相は「制裁が目的になってはならない」とした上で「(対話を通じた問題解決という)中国の考え方は、喜怒哀楽によって変わることはない」と発言した。このような中国の態度から考えたとき、中朝貿易を制裁対象に含めるとする米国と中国の合意も、実際に北朝鮮を締め上げるレベルにはならないことが確実になった。
北朝鮮は過去にも数々の国連制裁を受けてきたが、それらに対しては逆に核実験やミサイル発射などで対抗してきた。時には「天が崩壊しても核兵器開発は放棄しない」と複数回にわたって宣言したこともある。このような過去の事例から考えると、今回新たな制裁に踏み出したところで北朝鮮がこれに屈服する可能性はほぼない。また中国の考え方が従来通りであることも再確認できたため、北朝鮮は今後も間違いなく核弾頭の小型化や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などの開発に力を入れ、着実に核武装を進めていくだろう。北朝鮮が核武装を完成するその瞬間、韓国が数十年にわたり力を入れてきた南北の軍事バランスは一気に崩壊する。米国の力を借りて高高度ミサイル防衛システム(THAAD)や敵ミサイルに先制攻撃を加えるキルチェーンを導入したとしても、これは一時の気休めにすぎず、核の脅威から完全に逃れることはできない。相手の核兵器に対してこちらが核のない在来兵器で対抗するのは、軍事的に見て100対0の格差があるのと同じだ。
page 2 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/01/28/2016012801204_2.html
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北朝鮮の核問題解決の責任を中国に押し付けてきた米国や、北朝鮮による相次ぐ核実験を黙認してきた中国を信じるべき時はもう終わった。今や韓国は自衛策として最低限の核兵器を保有するため、国民的な議論を行わざるを得ない状況に直面している。それによって国民が核兵器保有を進めることで一致すれば、韓国政府はすでに紙くずとなった1991年の韓半島(朝鮮半島)非核化共同宣言をまずは破棄しなければならない。さらにウラン濃縮や核燃料の再処理など、最低限の核主権確保に向け米国との交渉もあらためて推進しなければならない。
一方で核武装を無理に進めた場合、韓米同盟にヒビが入るのはもちろん、国際社会からの制裁も避けられないだろう。これは貿易で国の経済を維持する韓国にとっては大きな試練になるはずだ。またたとえ独自の技術を確保したとしても、強大国による厳しい監視をくぐり抜けて原料を確保し、核兵器を作れるのかという懐疑論もある。しかし現状は6カ国協議や数々の制裁措置に何の効果もなく、また米中両国も互いに責任を押し付け合っているだけで効果的な手段は何も打ち出せていない。これでは韓国としても、着実に核武装を進める北朝鮮の動きをただ眺めているわけにはいかないだろう。
北朝鮮はかつて韓国を侵略し、国土を火の海にしただけでなく、休戦状態にある今もなお韓国に対するテロ行為をやめようとしない。このような好戦的かつ非理性的な集団が核兵器まで手にした場合、われわれはこれにどうやって対抗すべきか、実はよく分かっている。予測不可能な北朝鮮が突然、大韓民国に核攻撃を加えた場合、中国や米国がこれを阻止してくれるだろうか。米国がウクライナやシリアでやっていることを見れば、たとえ米国がわれわれを支援したとしても、それはおそらくソウルが灰じんに帰した後だろう。
北朝鮮の核兵器による最大の被害者は米国でも中国でも日本でもなく、大韓民国と大韓民国の国民だ。今や何の根拠もなく核主権を放棄し、核武装論を禁断の箱の中に閉じ込めておくわけにはいかない状況にあるのだ。
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