大規模金融緩和、維持の公算 18日から日銀政策会合 パリ同時多発テロで「円高・株安」警戒
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SankeiBiz 2015/11/17 18:42
日銀は18〜19日に開く金融政策決定会合で、現行の大規模金融緩和を継続する見通しだ。ただ、パリ同時多発テロや新興国経済の失速など先行きの不安要因は増している。日銀は企業や家計のマインドを冷やす「円高・株安」に神経をとがらせている。
日銀は10月30日の前回会合で、2%の物価上昇目標の達成時期を約半年遅らせて「平成28年度後半ごろ」に先送りしたが、日用品などの物価の上昇傾向は維持されているとみている。
7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は2四半期連続のマイナス成長に陥った。海外では「景気後退期」とみなされるものの、輸出や生産には持ち直しの兆しがある。日銀内には「消費は底堅い」との見方が多く、「緩やかな回復を続けている」とする国内景気の現状判断も据え置く見込みだ。
中国の景気には底入れ感がみられ、テロをめぐっても現在のところ金融市場の動揺はほとんどみられない。だが、今後、投資家がテロの拡大を不安視し、日本株を売って安全資産の円を買う動きを強めれば、円高・株安が進行して企業が設備投資や賃金引き上げに消極的になるほか、家計も消費を抑制する恐れがある。日銀は今回の会合で、物価上昇シナリオを揺るがすリスクが強まっていないかを点検する。
19日の黒田東彦総裁の記者会見では、日銀が13日に発表した利益の一部を積み立てる「引当金」制度の拡充についても質問が出そうだ。拡充は、金融機関が日銀に預けている当座預金への利払い急増などに備えるのが目的で、年間数千億円規模を積み増す。大規模緩和からの「出口」をにらんだ動きとの見方もある。